参加者:9名
教科書:ヒトの分子遺伝学
節の概要:
<12.1節>現在の遺伝子機能の研究の概要
<12.2節>配列相同性検索、データベース検索、モチーフやドメインによる検索といったバイオインフォマティクスからのアプローチ
議論点:
「これからどの総合的な解析(オミクス)の研究が面白くなっていくのだろうか」
バイオインフォマティクス
-オミクスのどの分野でも出来る
過去十年間はゲノムが主流だった
→今の主流、他のに移行するのだろうか
→ゲノムのイメージが変化している
-遺伝子は、昔はタンパク質をコードするものであったが、今はRNAも重要であることが分かっている
→生存上重要性の低い部分が分かってきただけかも
→ある生物を生物足らしめるという意味での重要性が判明しているのでは
→シス配列による調節の違いが大きいのではないか
ヒトとチンパンジーはゲノムがあまり違わないので、ゲノムだけを見て個々の生物としての決定的な違いを見つけることは難しい
RNAやタンパク質よりも、元となるゲノムを見てゲノムの意味を考えるのはどうか
無脊椎動物ではトランスクリプトームが主流
-ゲノムが大き過ぎて大変
-純系を作るのが大変
→ゲノムを1つに定めないと他の実験に使えない
-サンプルを用意するだけでも大変
→特定の遺伝子だけの大雑把な解析ならゲノムでも出来そう
トランスクリプトーム解析
-発現量の解析
-環境が重要になってくる
-ゲノムの代用品
医学的応用ならタンパク質、進化の研究ならゲノムというように用途が分かれそう
ヒトのトランスクリプトーム解析はよく調べられている
-プロテオームやメタボロームの段階に進めそう
メタボローム
-結果を先に見る逆遺伝学的な手法が主流
-食料は代謝産物が多いので重要かもしれない
アレルギー
-リピドームとか
-セルコミュニケーション等が重要そう
ゲノム至上主義
-全ての生物のゲノムを全て読んだら終わるのだろうか
-100年くらいあれば可能
→ハードディスクが足りないかもしれない
→差分を取ったり、技術の進化で何とかなるのではないか
-圧縮
-ツリー番号
→検索が速い
→進化という点から見ても重要
-20年後くらいの未来
-中国人全員のゲノムを読むとかありそう
-オリンピック関連とか、国をあげて取り組みやすそうな要素があればあり得るかも
-アメリカもゲノムを読むのが主流になりそう
-個人の判別とかも出来るようになりそう
1000人プロジェクトは終了している
-100万人プロジェクトも進行している
-4かけくらいで読んでいる
-傾向だけを掴むならそこまで詳細には読まなくてもよい
→個人であればしっかりと読む必要がある
シークエンサーの未来
-10年で世代はどの程度進むだろうか
→2世代くらいは進むかもしれない
-過去〜現在までで開発されている世代
-次世代:電気泳動不要
-第3世代:PCR不要
-第4世代:合成不要
-未来の世代に求められる要素
-抽出しない
-増幅しなくても読める
-DNAを伸ばしながら読む
-生体内で観察
-ナノテクノロジーでできそう
-合成されていく様子を観察できないだろうか
その他の議論点:
<遺伝子の機能の分類>
・遺伝子オントロジーは曖昧な部分がある分類であるが、どこまで有効なものなのか
・遺伝子の機能の分類は3種類で十分なのだろうか
<配列相同性検索>
・配列は似ているが構造は似ていないものの機能予測はできるのだろうか
・遺伝子相同性検索で分からない遺伝子の機能はあるのか
<総合的な解析(オミクス)>
・各種の総合的な解析(オミクス)の研究結果はどの程度重ね合わせられるものだろうか
・プロテオームやトランスクリプトームでは、どこまでの部分が共通なのか
<遺伝子の定義>
・シス配列のように配列そのものが機能する場合には遺伝子とは呼ばないのはなぜか
まとめ:
今回の章では遺伝子の機能について扱い、前半は遺伝子機能の研究の概要とバイオインフォマティクスのアプローチについてでした。議論では、おそらくこれからもゲノムが主流であり続けるだろうという結論に至りました。