2014年7月22日火曜日

Nature Podcast(2014/04/10) River resurrection

担当:寺嶋
参加者:8名

概要:
ダムの放水による大規模な生態学的・水文学的実験

議論:
人間はエコシステムをどこまでコントロールできるのか
人為的な環境改変が許される範囲はどこまでだろうか

・人間の環境へのコントロール
 - コントロールにより環境のネットワークのエッジが強められたり、弱められたりする
 → 変化の大きさや影響を測定したい 
 - 例:川の位置の変更、高速道路、天気を変える、森林伐採、新しい生物種を導入

・環境の改変が許される範囲とは
 - 生態系が元に戻る(可逆的な・ネットワークを壊さない)範囲内ならば大丈夫?
  → 地理的な要素というよりは生物種の個体数が可逆的である必要がある
 - 人間に害が出ない

・環境はネットワークで表せる
 1 ノード:生物種、エッジ:食物連鎖(食べる・食べられる)
 2 ノード:地理的な要素、エッジ:因果関係(地理的な要素間の関係・事象間の関係)
 → 生物種と地理的要素の二部グラフ?

・推定をどのように行うか
 - 今回のようなダムの放水の影響を調べたい場合…
  - 水を増やしたらどうなるか(ダムの放水量をどうするか)
   - シミュレーションをしてみる
    - 高低差
    - 吸収量
     - 石の組成と大きさ
     - 地層
     - 衛星写真
     - 植物の種類(事前知識が必要)
    - 到達地点
   → 一番変化が見られそうなパラメータを決定

まとめ:
今回は環境に及ぼす影響とその範囲がどの程度なら許容されるかについてでしたが、他には水にまつわる議論点が多く出ていました。

[MBC2014] 7-1 〜 7-3 遺伝子調節の概観, 遺伝子調節に働くタンパク質のDNA結合モチーフ, 遺伝子スイッチの働くしくみ

担当:小舘
参加者:8名

節の概要:
体中で異なる細胞の機能や構造を生み出す、遺伝子調節のしくみについて述べている。

議論点:
細胞や生物の状態は遺伝子とその調節機構が分かれば記述できるだろうか

・ゲノム
・その調節
で発生や細胞1個の挙動をシミュレーション可能?
他になにか要る?


タンパク質の状態
 ・メチル化などの修飾
 ・細胞内での場所、位置
トポロジー
 ・相互作用、互いにどのように関わるか
時定数
 ・反応の速さ
これらが分かればできそう。


どうやって決めるか?
・トポロジーを記述しきれるか
 majorなものからminorなものまで網羅するのは難しそう

・理想としては:分子の動きが全部分かればいいのに
 MDとかはけっこう制約している

どこまでやれば十分か、どのくらい手を抜いていいか
→現在は職人芸に留まる。

2014年7月8日火曜日

Nature Podcast(2014/04/03) On the origin of humans

担当 : 小澤
参加者 : 9名

概要

議論点
ホモ属の定義について

・ホモ族の特徴
 直立姿勢,二足歩行,道具を作る, etc.

ホモ属と猿人の違いはなんなのか


・属と種の違い

> 属
見た目や行動などから,人の視点によって決められる 線引きがあいまい

> 種
交配できるからどうか など


・バイオインフォマティックス的な処理
複数の種のゲノムから属の分類は可能か?

(種内の)連続的な変化をどのように処理するか
 特定の(生物的・生態的)機能の有無を見る

ヒトの場合,形質の固定に約1000年かかる
もっと集団数が少ないと考えられる昔のホモ属は,より早く種間の分離が進む?

[MBC2014] 6−2,6−3:RNAからタンパク質へ RNA世界と生命の起源

担当:佐藤
参加者:9名

節の概要
RNAによるタンパク合成の仕組みとRNAワールドについて

議論点
開始コドンはなぜAUGのみなのか

・生物の開始コドン
 細菌・ウイルス・・・開始コドン複数
           環境の変化に柔軟に対応するため?
 真核生物   ・・・基本ファーストAUG
 原核生物   ・・・開始コドンの上流に見られる共通配列(SD配列)が強く影響する

・開始コドンの起源
 初期の生物に開始コドンはあったのだろうか?
  ーRNAワールドにおいてはなかっただろう(触媒作用も有していたため)
  ータンパク合成指令の能力を獲得したあたりから出現したのではないか

・開始コドンが1つの理由
  tRNAの量的な理由ではないため

  終止コドンが3つである理由
   ー終止コドン同士のバックアップのため
  開始コドンが複数あると無秩序にタンパク合成が成されてしまう
                ↓
    開始コドンと終止コドンの量的バランスの有力な理由

・開始コドンがトリプレットである理由
 RNA読み取り機構が3つずつであるから4つや5つだと新しい機構が必要で非効率なため

・開始コドンがメチオニンと共通する暗号である理由
  ◯N末端が共通であると正規に合成されたタンパクだと判別できるため
  ◯ペプチド鎖をつなげる上で始まりがアミノ酸である必要があるため


2014年7月1日火曜日

[MBC2014]5-5, 5-6:相同組換え, 転移と保存型部位特異的組換え

担当:安澤
参加者 :9名

節の概要

5-5:相同組換えの仕組みおよびこれによるDNA修復と新たな塩基配列の形成
5-6:転移と保存型部位特異的組換えの仕組み

議論点

 

レトロウイルスおよびトランスポゾンの医療への応用について

  • スプライシングが関わる病気の例:福山型筋ジストロフィー
    • レトロトランスポゾン挿入によるスプライシング異常
  •  遺伝子組込みを用いたドラッグデリバリー
    • ターゲティングについて
      • 全身の細胞
      • 特定の組織の細胞
    • 組込み時に糖鎖などで細胞を識別して侵入するのは難度が高い
    •  挿入する配列にプロモーターを組み合わせて、遺伝子の挿入は全身、発現は特定の組織にする方法
  • レトロウイルス・トランスポゾンについて
    • 植物では表現形レベルでトランスポゾンが働いている例がよく見られる
      • トウモロコシの粒の色など
    • 動物ではあまり見られない?
      • 植物よりシステムが協調的
      • 幹細胞で挿入が起きないとわかりにくい?
      • ゲノムの変化を時間軸で見れるといいかも
      • レトロウイルスの塩基長が1〜10kbあるのである程度列で見れるシーケンシングが必要
    • 水平伝播の要因