2015年6月25日木曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2014/12/04) Watch and learn (M1 佐藤)

担当:佐藤(壮)
参加者:9人

概要
文化的規範は忠実度の高い学習による行動が社会ネットワークを介して伝達されたとき生じる。野鳥に採餌法を学習させ、集団内での拡散・確率・伝承を観察した結果、集団内での新規採餌法への偏重が見られ、社会的同調の強い影響力が明らかになった。http://www.nature.com/nature/journal/v518/n7540/full/nature13998.html SS

議論点
種の生存に不必要な行動の伝播は可能か

生存に不必要な行動とは?
 利益のない行動、本能が全く関係しないような行動
 ヒトはなぜ一見不必要な行動を取るのか?
 突き詰めると全部本能ではないのか

例)九官鳥が人の声を真似るのは不必要?
  (求愛行動、擬態行動) 本当に生存に有利な行動か?
  火に飛び込む虫(光)
  同性愛、模倣

ある時点で不必要な情報でも残る可能性がある?
 何らかのポジティブな要因と結びつかないと伝承されない?
 →逆にある時点ではプラスな情報でも、時間が経つとマイナスになるかもしれない

快・不快を感じられれば短期的伝承、一時的な定着が可能
快・不快を感じられるかどうか
  できる  :鳥 ヒト サル etc
  できない :昆虫 etc
神経的に快・不快を感じられなくても、快・不快を何らかの入力として与えられた時判断するようなシステムは下等な生物でも存在する。

2015年6月17日水曜日

[火曜討論会2015]大学生物の教科書 25章 生物種間相互作用の生態学的・進化論的意義

担当田河
参加者9名


概要
・ある生物種は他の生物種と相互作用をもたらしている場合がよくあり、その相互作用がどんなものか知ることによって位置個体あたりの成長率を予想したりすることが可能である
・種間相互作用は大きく分けて競合(ー/ー)、消費者一資源(+/一)、相利共生(+/+)、片利共生(+ /0)、片害共生(ー/0)の5種類が存在するが、それぞれの境界線はいつも明らかというわけではなく、ほとんどの相互作用は有益な面と有害な面を併せ持っている
・消費者の種と資源となる種は互いにそれぞれの種を繁栄させるために進化論的軍拡競争を行い続けている


議論:共生が成立し継続する条件


現在共生している種は何があるか
  • ハキリアリとキノコ
  • 動物と腸内菌
  • ヤドカリとイソギンチャク
  • クマノミとイソギンチャク
  • 掃除魚と魚
共通点として片方は自力で移動することができないことが多い、食物のやりとりを行うことで矯正している点等が挙げられる
→もし進化等で動けるようになったら共生する必要がなくなる?
これらの共生が生じた原点はどこにあるのだろうか?
→たまたまパートナーを見つけてそれから共生が始まった例がある(ハキリアリとキノコ)

これによりある個体の経験から共生が始まる可能性があることがわかる
その場合もさらに良い共生種を見つけた場合はそれまでの種と共生する必要が無くなりそう

その他親から教わったりDNAによってプログラムされている可能性も考えられる


家畜やペットは人間と共生しているのか
種的に言えば互いの繁栄のために共生しているとも言えそう
家畜側が人間の都合よく最適化されすぎていることは自然界の共生とはかけ離れている
→対等な関係性ではないが、共生であると言えなくはなさそう

 

まとめ:

  • 共生が成立する条件として、過去の経験や流行、DNAによる先天的なもの等が挙げられたが、この中でも特に過去の経験から共生が始まったという説が実際の種で起こっているものだということがわかった
  •  共生が継続する条件として、まずその逆の共生が続かなくなる条件を考えると以前共生していた種よりもさらに都合の良い種を見つけた場合や、自らが進化して矯正する必要がなくなった場合等が挙げられた。よってこれらが起こらない場合は共生が継続すると考えられる



2015年6月13日土曜日

[火曜討論会2015]大学生物の教科書 24章 個体群

担当佐藤広
参加者9名

概要
個体群の密度を決定する環境収容力の知識が個体群の制御には重要である。
 

議論:

 生物種が絶滅することは本当に悪いことか


●絶滅することのデメリット
・環境持続性 → 生態系のバランスが崩れる
・精神 → 罪悪感
・物質 → その生物種が永遠に失われる
   ⇛ どの観点でも人間に対する影響を前提?
   ⇛ 最終的には倫理問題に帰結?

●倫理という観点からの絶滅
・人間が原因である絶滅とそれ以外を区別
   ⇛ その線引は?
   ⇛ 原因について調査すべき

●まとめ
絶滅することのデメリットは環境持続性、精神、物質という三つに分類される。その中で精神に関しては人間が原因の絶滅とそれ以外を区別して考えることができる。

2015年6月12日金曜日

[火曜討論会2015]Nature Podcast(2014/11/27) Cost-effective cooling

担当:安澤
参加者:9人

概要

電力の不要な受動的冷却法はエネルギー問題に影響を与えうる。太陽光の97%を反射しつつ大気の窓による放射冷却を行う装置を開発し実証実験を 行った結果、直射日光下で装置の温度を外気温より5℃低く保てた。宇宙が熱力学的資源となる可能性。

議論

大規模な冷却システムに水は使えないのか

○水の入手方法
  • 海水
    • 例:原子力発電所など
    • そのままでは使いにくい
  • 地下水
    • 例:小雪パイプ
    • 枯渇する可能性がある
      • 地盤沈下などの原因になる可能性
    • 鉄分により錆びる
  • 水道
  • 雨を降らす
    • ヨウ化銀を撒くなど(中国などで先例)
      • 湿度が高くなる
      • 持続させるのは困難なのでもっと大規模な気候操作がよさそう
  • 生成する
    • 水素を使用する社会ならありうるかも(電気自動車など)
◯街を冷やす場合の問題は?
  • 水の運搬エネルギー
    • 水道を使うとしてコスト的にどうなのか
  • 水が存在するだけでも利点があるのでは
    • 打ち水
    • 池など
    • 霧を撒く機械(ドライミスト
      • 湿度が低いほうが有利
      • 雨水を溜めておくだけでよさそう
◯その他
  • 地球の反対側と熱交換できたら…
  • 冬の冷気を取っておく取り組み(例:雪室

まとめ

全てを水を用いた冷却でまかなうのは困難に思われるが、応用の余地は大いにあると考えられる。

2015年6月4日木曜日

[火曜討論会2015]大学生物の教科書23章 環境における生物

担当:加賀谷
参加者:9名

概要:

太陽や月、地球自身の自転や公転運動によって、地球上の環境は、その場所の緯度や海抜高度に応じて様々に変化する。これらの自然環境や地球上の地理的環境が、生態系の形成に大きな役割を果たしているが、人間の活動もまた、生態系に様々な影響を与えていることが知られている。


議論:

人間以外の生物による環境変化

●簡単に思いつく例
 ウシのげっぷから発生するガスが温暖化につながる
 一気に個体数が増えることによる影響
 外来種によるもの

●そもそも環境とは?
 →地質
   植物やアリなどが変化させる
 →大気組成
   植物、動物の活動
 →捕食関係
   捕食・被捕食関係による食物連鎖

●例えば大気組成
 生物(主に植物)が酸素をつくる
 チッソの比率

●そもそも人間が環境路変化させるのは道具の力を借りている

●ウイルスの蔓延による絶滅
 多様性がない種だとおこりやすい(例:ゴムの木)

●ある種の大量発生は、餌となる生物が一気に減るため難しい

●結局は、非生物的な要因でしか変化しないのか
 例:隕石、気温、地殻変動、火山



●まとめ
ある単一の生物が簡単に変化させられるほど、地球環境は小さいものではないということがわかる。巨視的に見てみれば、人間の活動が環境に対して影響しているのかもはっきりとはわかっていない、ということもあり、生物によって環境を激変させるということは、難しいことだとわかった。

2015年6月3日水曜日

Nature Podcast(2014/11/20) Good for the guts

担当:池野
参加者:9名

Nature Podcast(2014/11/20) Good for the guts
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2014-11-20.html

概要:

腸内に住むウイルスの役割についてはまだあまり知られていない。腸内細菌が少ないマウスにマウスノロウイルスを感染させると腸内環境や免疫機能が回復することから、ウイルスが共生細菌と同じような働きをする能力を有していることがわかった。

論題:
腸内細菌と共生することのメリット・デメリット

●無菌マウスは寿命が長いというデータが存在する
⇒共生は寿命を短くする?

●無菌マウスについて
・盲腸が大きい
・主な死因:腸の寿命(腸は寿命が最も短い)
⇒腸の寿命はその生物の寿命に大きく影響する

・SPFマウス(有益な菌のみ保有)は1年ほどで死ぬ個体が出始める
⇒死因は?

●無菌の場合
・最終的には無菌のほうが寿命が長い
・無菌だと食に制限がかかる
・そもそも、腸は共生に適している
・あまり共生をしていない生物の腸はどうなっているのだろうか?

●ウイルスの少ない地域の人の腸とそのほかの人の腸との対比でわかることはないだろうか?
・いまのところ腸内細菌データベースは存在していない
⇒データ収集が大変だから?
・ヒトは共生前提で生きているため、共生のメリット・デメリットについて考える場合は共生状態と非共生状態どちらの場合も最適化して実験する必要がある

●便移植
・便移植は腸内環境を変えるのにかなり有効である
・そのうち、腸内環境を自在に変更できるようになるかもしれない

まとめ:
非共生のほうが共生よりも勝る点はあるが(腸の寿命など)、現在の地球環境で総合的に見ると結果的に共生しているほうが有利であるといえる。今後対比的な実験が行われることで、共生のメリット・デメリットが明らかになるかもしれない。