担当:石塚慶太
参加者:7名
[概要]
近ごろのパソコンは、文書を書いていてフリーズしても、
再び開くと続きから書ける。また、昔は水に落ちても壊れない防水ケータイなどがあった。これらのように、機械の、その働きを妨げるものごとに抗う性質のことをrobustnessといい、工学ではrobustnessを有する機械を作るのが当たり前である。このrobustnessをネズミの脳も有することが見つかった。
左右に一対の物を置いた箱のなかにネズミを住まわせ、左のものを舐めたときのみ水を飲ませるようにした。これをしばらく続けてネズミに左のものを舐めるくせがついたら、ネズミの左の脳の短期記憶を司る所にブルーライトをあてて短期記憶を消した。このネズミを再び箱の中にいれたところ、相変わらず左の物を舐めた。右の脳の短期記憶を消しても同様だった。然し、両脳の短期記憶を同時に消した場合は右の物を舐めることもあった。
よって、脳の少なくとも短期記憶を司る所は、 両脳が互いを補い合って脳の損傷に対してのrobustnessを得ていることが分かった。
[議論点]
議題:記憶の書き換えを行う未来はくるか
記憶の書き換えは今ある技術を基にどのように行われ得るだろうか、又記憶を書き換えられるようになったら世はどうなるかの二点を話し合った。
記憶の書き換えは今ある技術を基にどのように行われ得るだろうか
記憶を書き換えるには、いまのコンピュータより類推すれば、①記憶のformatを識ること②脳の長期記憶を司る所をいじり記憶を消したり書いたりすること。が要る。
①いまconnectomeの仕組みを調べているらしい、それと海馬をスライスしてデータにする研究が行われているらしい
②ブルーライトで消せるのではないか。しかし狙って消すのは難しいのでは。書く方法はわからない。
記憶を書き換えられるようになったら世はどうなるか
暗記が楽になる。しかし、記憶容量に限りがあるのではないか。でも、書き換えができるならば容量は問題にならない。
人の記憶が書き換えうるならば、証言を信頼できなくなって、捜査と裁判が難しくなる。
望まぬ記憶を消してトラウマを治療。消さなくても弱めるのもいい。
秘密保持に役立てる。消去しなくても、コンピュータのようにアクセス制限をかけられるのではないか。
[まとめ]
記憶の書き換えは難しいようだけれども、実現できないとは断言できないようだ。