2019年12月17日火曜日

細胞の分子生物学 10章 膜の構造


担当:近藤
参加者:6名

[概要]
   生物における反応は化学反応が主である。この化学反応は溶液中で起こるが、溶液と器官を隔てるものが細胞膜である。細胞膜は主にリン脂質分子が親水部分を外側に向け結合した脂質二重層と、物質の出入りや細胞の形を維持するために用いられる膜タンパクから構成される。


[議論点]
膜があるかないかで生物か非生物かを分けることは妥当と言えるのか。

議論のポイントとしては、
  1. 現在の生物と定義されているものとされていないものについてどのような違いがあるか
  2. そのほかに生物であることを定義するために用いられている指標はあるか
といったことが挙げられた。

1. 生物と非生物について
まずは、生物と非生物について、あげた。
非生物としてはウイルスやプラスミド、ロボットが挙げられた。
膜という定義だけでは、ロボットが膜をまとったら生物になり得るという意見もあった。


2. 生物の定義生物の定義は簡単に決めることができるものではないが、遺伝子数や自己修復・代謝経路を持つか・自己複製 といった視点が挙げられた。
このほかにも、チューリングテストでの問題や同一機能を持つロボットは生物かといった、”機能”に着目し生物と定義することへの懸念事項が挙げられた。

この中で、自己複製 self-reproduction については深掘りをした。
その結果、生物とは、同じ種で self-reproduction が可能であるものと言えるのではないかとの意見がでた。(一方で、キメラやハイブリッドなど判例があるので、この定義も難しいものではある。)

また、”機能”という側面で見ると、膜は中のものが勝手にそとに出ないようにするものであると言える。
この観点から、膜を持つということは特徴についての定義ではなく、機能についての定義とも言えるだろう。

[まとめ]
まず、膜があるかないかだけで生物か非生物かを分けることは妥当でない。
一方で、非生物と生物の間に中のものが勝手に出ていかないという機能的な差があることは明らかである。
そして、膜以外の機能的な差としては、自己複製と自己修復が挙げられ、特に自己複製については大きな差が見られるのではないかという考察をした。