担当:藤原
参加者:11名
節の概要:
クロマチンはヒストン修飾と変種ヒストンの存在により多様な構造・機能をもつ。ヌクレオソーム内でのヒストン修飾の伝搬、クロマチンとセントロメアの関係、DNA複製・染色体複製におけるクロマチン構造の継承に関する説明を通して、真核生物におけるエピジェネティックな情報の重要性を示す。
議論した点:
1. 障壁配列がない場合、ヘテロクロマチンからユークロマチンへの広がりはどのようにして止まるのか
・ランダムではないか
- ランダムだとしたら、ヒストン間で広がりが停止する確率・分布は?
・ヒストン修飾の読み取り・書き込みを行うタンパク質複合体がトリガーとなっているのではないか
- このトリガーは通常のタンパク質複合体と同じ?
- このトリガーはDNAの長さ・核の大きさに左右される?
- (ジュラシックパークの例え話など…)
2. DNA情報とエピジェネティックな情報ではどちらの情報の割合が多いのか
・そもそもDNA情報とエピジェネティックな情報はどうやって比較するか
- 遺伝子発現量 or 遺伝子突然変異?
・そもそもエピジェネティックな情報とはどんなものか
- DNAにおけるATGCのようにパターンは決まっている?
- ヒストン修飾の違いを利用した間接的なパターン推定?
- (エピジェネティックマイクロアレイがあれば…)
他の議論点:
・DNA情報とエピジェネティックな情報それぞれが及ぼす影響の度合い
・DNA情報とエピジェネティックな情報それぞれがもつ各機能との相関
・ヒストン修飾の種類や機能はどこまでわかっているのか
・変種ヒストンの保存度が低くても大丈夫な理由
・変種ヒストンの種間でのバリエーションはどのくらいか
・iPS細胞ではエピジェネティックな情報はリセットされるのか
・ヒストンH4に変異があったら何が起こるか
・ヘテロクロマチンがどう必要なのか
感想:
議論では疑問点が多く残りましたが、どれも重要な話題だと思います。
特に、エピジェネティックな情報に関しては、その性質やDAN情報との関係について、さらなる理解が必要なのではないでしょうか。
また、エピジェネティックな情報のデータベースが実現したら面白そうだと感じました。