2013年12月10日火曜日

駅伝2013

2013年12月1日。
毎年恒例の駅伝大会が開催されました。

去年同様目標は「10位以内入賞」

1号館の建て直しによる、例年よりも短いコース。

それに伴う未知の新キャンパス内部の走行路。
走るには寒い12月始め。
しかも、次の日が辛い日曜日。
こんなイレギュラー要素満載での開催となりました。

それでは、スタートからの様子をお送りします(敬称略)


<第1区:水谷 卓朗


混戦が予想された新キャンパス内部のスタート地点。
第1区走者は、水谷君(※画面中央右)でした。


<第2区:南谷 和毅


水谷君のたすきを受けて、2区の南谷君が折り返します。


<第3区:平野 幸子>




今回の駅伝での紅一点、3区の平野さんです。

<第4区:中村 篤大>

新キャンパス内部を離れ、上り坂の多い4区は中村さん。


<第5区:伊藤 聡史

折り返しの5区は、今年が最後の駅伝となる伊藤さんです。

<第6区:大林 武>

新キャンパス内部にまた戻ってきた6区は、大林さん。

<第7区:岡村 容伸 → 第8区:城田 松之

駅伝らしい一枚。
お二人とも(画面左:城田さん、画面右:岡村さん)良い笑顔だと思います。

<第9区:南 博>

9区は長距離ランナー、南さん。

<第10区:齊藤 俊幸>

アンカーは、今年の駅伝監督、齊藤さんでした。

順位が気になるところですが、例年よりもコースが短く余裕があったのでここで集合写真をぱちり。


大林さんの奥様がネコゲノムの旗を作ってくださってました。
さて、気になる結果発表は…










……


















『9位』!!!


去年とコースが全く違うので比較は難しいですが、確実に来年のハードルは上がりました来年も頑張りましょう。
因みに、来年は視認性を上げるためにチームTシャツを作ろうという案が出ています。




駅伝後は恒例のおでんです。


前々日からの仕込みでしたが、膨大な量が余る事もなく、無事美味しく頂けました。
ご協力くださった皆様、本当にありがとうございました。


・写真提供:木下先生,大林さん,幸平さん
・文責:寺嶋

Nature Podcast 11/19(前半):Blow to the head

担 当:寺嶋
教科書:Nature Podcast(11月14日分)参加者:7名
「血液から脳の損傷はどのようにしてわかるのか」


要旨:
戦闘やスポーツの最中の事故によるTBI(Traumatic Brain Injury外傷性脳損傷)について。血液のメタボローム解析による検査や、モデル生物を用いた実験により、脳の分子的なメカニズムの調査が進んでいる。

議論点:

-血液の成分
 -血球
  -骨髄で作られる
 -タンパク質
  -肝臓で作られる
 -ホルモン
  -脳の影響?
 -脂質
  -何かが増える or 減る?

-ホルモンによる制御を調べればいいのではないか
 -量が少ない
  -アルブミン(浸透圧により水を引きつけている血漿タンパク質)が30mg/mℓ(3.5~4.5g/dℓ)なのに対し、nとかμのオーダーでしか存在しない
  -100以上のタンパク質を同時に解析するようなメタボローム解析には不向き
   -ホルモンは抗体により検出するのが一般的なので検出しづらい
    →プロテオミクスで、質量分析機による検出も可能
 -脳のバランスが崩れる?

-血液による検査の利点
 -取りやすい
 -簡単
 -損傷があっても良い
  -脳波は大量発火の時間変化を見るので、損傷には不向き?
  -損傷の時間的な変化
   -損傷した部分は食べられたり、応急処置をされてそう
 -神経細胞の脂質組成は普通と違う
  -壊れた事は分かりそうだが、どこが壊れたかは難しいかもしれない

-具体的なタンパク質の例
 -アポリポタンパク:E4
  -アルツハイマーの有名な原因
  -アポタンパク:何かと結合するタンパクの結合していない状態
  -リポ:脂質
 -個人差のあまりないものを探す

-アメリカの兵士のTBIについて
 -wikipediaでは7%、今回のpodcastでは20%(いくつかの段階)
 -診断が曖昧
  -損傷部位によっても症状は違いそう
   -原因は何が多いのだろうか
 -物理的に分かる
  -定量化しやすい
   -症例はまとめにくいけど、けがの程度とか
   -MRI

その他の議論点:
・特定の記憶の消去は可能だろうか
・ヒトの脳は何故再生しないのか
・記憶の共有は出来るのか
・脳損傷の治療はどこまで可能なのか

まとめ:
音声中のTBIを血液から検査するという議論点から、他の手法との違いや、そもそも血液からは何が分かるのか、仮にタンパク質に焦点を当てるのであればどんなタンパク質がいいだろうか、といった方向へ発展していき、血液での検査に関する知識が深まりました。

2013年12月5日木曜日

情報系野球大会

今年も情報系野球大会がありまして、木下研は中尾研と合同チームとして参加してきました。(木下研からは伊藤さん、中村篤さん、南谷、水谷が参加)

まず先に結果を報告します。



我々、木下・中尾研チームは見事優勝することができました!拍手!




これが初優勝になります。いや〜うれしいですね〜。


では各試合を簡単に振り返ります。

1回戦(という名の準々決勝)6/25
相手:鈴木・塩入研合同チーム
結果:22-0

この試合はチームの皆が打ちに打ち、守りも安定していたので22-0という大勝をおさめることができました。






続いて準決勝 7/21
相手:青木研チーム
結果:5-3

相手は前回準優勝の強豪青木研。非常に緊迫した試合でしたが、伊藤さんによる決勝タイムリー&見事なピッチングにより無事勝利をおさめました。




そして決勝 11/5
相手:亀山研チーム
結果:6x-5

相手は前回優勝の亀山研、そして前回の試合からなんと3ヶ月以上も空くという条件の中でした。しかし一回戦から先発で投げ続けていた南谷や伊藤さんの好投が光り、最後は南谷が押し出し四球を選び、ゲームセット!見事優勝することができました!(この試合、中村さんが来れなかったのが心残りですが...)





そして優勝賞品として、トロフィーとビール券(人数分)をいただきました。
今年幹事をされた青木研の皆様、ありがとうございました。
来年幹事をされる亀山研の皆様、来年もよろしくお願いします。


そして木下・中尾研合同チームは来年は連覇を狙います!
新しく入ってくるB4にも期待ですね。

ではこの辺りで失礼します。




文責:水谷

2013年11月29日金曜日

Nature Podcast 11/19(後半):Brain decoding

担 当:寺嶋
教科書:Nature Podcast(10月24日分)
参加者:7名

要旨:
映像を見ている時の脳の活動パターンを収集し、脳のパターンから見ているものがなんであるかタグ付けをする試みについて。将来的には、思想や夢なども復元出来るようになるかもしれないが、そのことには社会的または倫理的問題が存在する。

議論点:
「他の生物の感覚を体験することは可能だろうか」

-ヒト以外の生物の感覚
 -チンパンジーとか
 -エラ呼吸
  -魚類よりは両生類?
 -イルカ
  -超音波等をどう処理するか
  -例:イヌの嗅覚等
 →高度にコミニュケーションする動物じゃないと無理そう
 -イヌは飼い主の声にしか反応しない
  -言葉を切り離して考えていない?
   -例:靴を見分ける
  →食物のようなイヌにとって身近なものなら、エサという概念はありそう

-ヒトとヒト間の体験の共有
 -需要はありそう
  -例:芸術作品を作った人の気持ちがわかる等
 -磁気で刺激を与えて指を動かす事は出来る
  -それは指を動かす部位がわかっているから
   -では、人により神経のつながり方が違う記憶についてはどうのなるのか
 -個人差の生じる原因
  -認識の差
   -感じている事の差
   -後天的
   -神経回路の構成
    -例:腫瘍の手術により脳の一部を失った人が他の部分の機能を使う
  -活動パターンの差
   -感じている事の差以外の情報による差
   -ノイズ
   -先天的
   -処理の場所
    -例:耳の聞こえない人が音を知覚する部分がなくなって音が分からない
 -記憶のデータベース化
  -万人が理解できる
  -他の人でも呼び起こせそうな部分のみ

-この技術の必要性
 -本では駄目なのだろうか
 →多分同じようなものになる
 -言葉に落とす努力を代行
 -言葉にする事で抜け落ちる情報を拾う

その他の議論点:
・商業利用にはどんなものが考えられるだろうか
・細胞だけで体の制御をする場合どこまで出来るのだろうか
・同じ活動パターンを再現する事により、実際に体験する事が可能になるだろうか
・ヒトは視覚情報を理解する時に見た目だけでなく、動き等も考慮に入れているが、その脳のパターンをどのように理解するか
・お互いのデータを収集できるようになった時のプライバシーの問題はどうなるのか

まとめ:
今回は脳の活動パターンを収集してコンピューターに処理させる事で、将来的には思想や感覚を共有できるようになるかもしれないという話でした。議論では、他の生物の話題からそもそもヒトとヒトとの間での共有も一部でしかできなさそうである、というところに落ち着き、体験を丸ごと共有するというよりは、コミュニケーションの補助ツールとなりそうであるという結論になりました。

2013年11月26日火曜日

Nature Podcast 1


Human Molecular Biologyを読み終え,今週(11/12)からNature Podcastを聞いて内容について話し合うセミナーを開始します.

今回のトピックはがんのゲノム解析と古生物学です.(担当:城田)

トピック1 がんの比較

 

内容

がんを種類によって別の種と考えて比較することはがんのより深い理解につながる.ここでは,The Cancer Genome Atlasプロジェクトによるの成果について紹介されている.彼らは12の異なるがんのゲノムを解析することで,130の有意に変異が生じる遺伝子を同定した.また,クロマチンによる調節,全ゲノム重複,変異シグネチャなどの切り口からの他のグループの研究も盛んであり,
これらの基礎研究への応用も期待される

議論点(人数)


・変異はいろいろな原因でできるが,戻すことはできないか?
・がんのシークエンシングの限界はどこにあるのか?
・ドライバー変異の特徴は?
・がんの予防には何をやるのか?
・がんのゲノムは外科治療にどのような影響があるのか?(1)
・テイラーメード医療にはどんな情報が役立つか(3)

「テイラーメード医療にはどんな情報が役立つか」


まだ罹患していない人を対象としたゲノム情報を用いたがんのリスク診断(がんになりやすいかどうか)はゲノム情報から可能である
今のリスク診断はGWASなどがんと正常を比較しているが、このような基礎研究を通じてがんの発生メカニズムから探せるのではないかという意見が出た.

がんの治療について遺伝子変異、クロマチン構造の変化などどの段階で変化が起こったかで治療が決まるのか、遺伝子ごとに治療が決まるのか?という疑問については,変異の種類よりも遺伝子の方が影響は大きそうだという意見が出た.

がんの診断については,組織を手術などでとってくるのは侵襲が大きいので,血液・尿・唾液などのサンプルからがんが分かれば有用である

まとめ

がんの診断や治療におけるテイラーメード医療のために,個人ゲノム解析やがん組織のゲノム解析は有用な情報となりそうである.しかし,具体的な治療にどのように役立つか,という点については理解があいまいであることが分かった.

トピック2 古代の神経


内容


中国南西部から見つかった化石から保存状態のよい神経組織が発見された.X線によるスキャンでほとんど完全な中枢神経系を復元でき,これによりFuxianhuiaがMandiblulaに位置付けられることが分かった.

議論点(人数)

・見た目似ているだけで進化上同じと結論づけてよいのか?
・鋏角亜門と大顎亜門はなぜ分岐したのか?
・カンブリア紀に生物の種が見られた原因(1)
・昔の生物を復元できないか?(2)
・体の形があまり変わらない生き物絵神経の形が変わらないのはなぜ?
・化石からゲノムが分かる日は来るか?(3)

「化石からゲノムが分かる日が来るか?」


神経・骨格から子孫が分かるのでそこからゲノムを復元できないか?化石からゲノムを読めるか?
今の状況では壊れて読めない.680万年前でDNA消失するらしい(ソースは?)
化石の骨の中に核があってPCRできれば可能かもしれない。南極の中では長く保存されるかもしれない?

絶滅しそうな生物(トキなど)のゲノムは読んでいるのか?
資料は保存していると思われる.

深海などに大昔の生物が生きていればゲノムを補完するのに使えないか?

まとめ

 

古生物学はあまり当研究室になじみがないので,結果として議論は古代の生物のゲノム解析という方向に向かっていった.
化石の中にDNAサンプルが含まれているかどうかが分かれ目となりそうである.

2013年11月11日月曜日

2013ラボ合宿@秋保

11/9,10の一泊二日で、秋保の木の家にいってきました。
ラボを出発して40分、もう着きました!!!ちかっ


















今回宿泊するのは、最大24人も宿泊できる2階建てのコテージ!!
2階から下を眺めることも出来ます。

2階から眺めるM1,M2の方々
















到着して落ち着いてから、合宿恒例のプレゼン大会が始まりましたー。プレゼンの順番は指名順です。

中村さんによる、"ビールうまいよ"プレゼン
















こうへいさんによるプレゼン。アナログゲームについて















半分ほど終えてから、夕食タイム。豪華な鉄板焼きです!
途中で木下先生も合流しました!


食べ終わった後..














時々、こんな場面(↓)も。カメムシ退治の最中です。

カメムシはどこだー

















お風呂に入った後は、またプレゼン大会の続き。

岡村さんによるプレゼン














プレゼン終了後は、駅伝大会の監督引き継ぎ式。去年監督の伊藤さんから、斎藤さんへ。














すべての予定終了後は、深夜三時までこんな感じでボードゲームを楽しんでました。
個人的にはBlokusが一番面白かったです。
















二日目  起床 AM 8:00




二日目は秋保大滝を見に行きましたー


無茶する方々



 そのあとは、天守閣自然公園に戻って足湯を楽しんだり、温泉に入ったりして、おそばを食べました。

















個人的には、すごく楽しめました。

来年の幹事へ
宿は早く押さえた方がよろしいですよ

おーわり
文責:南谷
写真提供:大林先生、水谷



2013年10月8日火曜日

HMGセミナー 第18章:個人を対象とした遺伝学的検査(前半)


担当:寺嶋
参加者:8名
教科書:ヒトの分子遺伝学

節の概要:
<18.1節>試料として選べるものの候補
<18.2節>遺伝学的検査の方法
<18.3節>既知の塩基配列変化の探索

議論点:
「エピゲノム(ゲノムのメチル化の状態)を個人レベルで検査するのは一般に普及するだろうか」

メチル化の状態が原因となる疾患も存在する
 -教科書の方法は少量しかできなさそうだが、大量に解析する方法は無いのだろうか
  -パックバイオ
   -1分子シークエンサー
   -精度が悪いので何回も読む必要がある
    -短くても良いから正確に読めるシークエンサーの登場が期待される
  -メチル化のアレイ
  -イルミナのDNAメチル化解析
  -測定時間の長さで修飾状態を見る
   -2回読む必要がある
   -修飾状態の種類が増えると大変そう
  -バイサルファイト法
   -メチル化された部分だけ塩基を変える方法
  -水素濃度により塩基を判定する方法を発展させるというのはどうか

一般の人に受け入れられやすい要素とは
 -相(両親のどちらから機能する遺伝子を受け継いだか)が分かる
  -2セットのうちどちらを使っているのかが分かるようになる
 -メチル化情報を変える(スイッチのオンオフのように)
  -トランスクリプトームの代用
  -実用例:ダイエット等
 -全て調べようと思うと体中の細胞が必要
  -1回の検索では厳しい
   -血液で精度を高めればいいのでは
    -メタボロームの方が有力そう
    -細菌とかの場合は分かるほどいる状況だと手遅れ
    -ガンとかなら分かるかも

5年後、10年後には…
 -解析の価格が下がっている可能性もある
 -RNAとDNAを組み合わせた検査方法とか非侵襲性の技術との組み合わせ

その他の議論点:
<遺伝学的検査の検査方法>
・RNAとDNAを組み合わせた検査方法はできないか
・1つの手法で複数の状況へ対応できないだろうか
<遺伝子診断>
・DNA検査が簡便にできるようになった場合、どのような問題が起こりうるだろうか
・現在の遺伝子診断はどの程度の信頼性なのか
<既知の塩基配列変化>
・表18.5に示される配列多様体が少ない疾患は変異の種類以外に共通点はないのだろうか
・ゲノムの変異の影響をどのようにして見積もるのか

まとめ:
メチル化の大量解析技術に始まり、価格さえ安くなれば10年後には他の技術と共に一般的に検査が存在していそうである、という結論に至りました。

2013年9月27日金曜日

HMGセミナー 第16章: ヒト疾患遺伝子と感受性因子の同定 (後半)

担当: 田高
参加者: 9人
教科書: ヒトの分子遺伝学

節の概要:
<16.5節> 疾患の原因となる配列多様体の同定方法について
<16.6節> 疾患遺伝子同定の事例紹介
<16.7節> 疾患遺伝子同定はどの程度うまくいっているのか
<16.8節> まとめ

議論点:
NGSを用いて疾患のあるヒト・ないヒトの比較研究をしたときに見えるものはどんなものか
  • 疑問点をより詳しく
    • NGS: 個人の持っている少ない変異を見ることに特化
    • GWAS: ある程度多い変異を対象にして統計検定等をする
    • ギャップがある。解決策は?
  • NGSでの解析
    • 知られていないもの(新しい変異の発見)を対象
    • 例) 親子でゲノムを読んで比較
      • 例) 自閉症の研究
        • 3つほど論文が出ているがそれぞれで発見されている変異は異なる
          • 実験ごとの一致・再現性?
  • 弱い関連因子の長いリストを得ることに意味はあるのか?
    • それより因子同士の関連を見ることが重要
    • データの見方の問題?

その他の議論点:
・統計学的解析で支持されているが機能解析で支持されていない様な配列多様体は、疾患原因と言ってもよいか。その信頼性は?
・複雑疾患の感受性因子を同定するのにどれくらい(時間が)かかるか
・(16.5.3, p.614, 事例研究5: ラクターゼ活性持続症) 生存に有利に働くようなSNPが消える理由
・精神疾患と中間表現型の解析方法
・(16.5.3) 遺伝子領域以外にあるSNPが疾患原因となるメカニズム
・(16.7) 複雑疾患予測の信頼性
・オッズ比と予測の信頼性の関係・その意味

2013年9月24日火曜日

HMGセミナー 第15章:複雑疾患の感受性に関するマッピング(前半)


担当:小澤
参加者:9名
教科書:ヒトの分子遺伝学

節の概要:
<15.1節>複雑疾患の流れと、遺伝・環境要因を示す双生児研究や養子研究について
<15.2節>主要な感受性座位を明らかにする分離解析について
<15.3節>複雑な性質の連鎖解析の疾患のタイプによる手法とその特徴について
<15.4節>特定の疾患と感受性アレルの関連解析について

議論点:
診断基準がはっきりしない病気で遺伝子の研究を行うには?
表現型にラベリングせずゲノム関連快適できるか?

診断基準、今の時代はコンピューラにクラスタリングor階層クラスタリング
  -より詳細化の方向へ 表現型を数値化
  -一方、詳細化で失われたものも

血液型で、精神疾患がどれだけ分かるか

ラベリングの社会的and治療への影響が出てくると予想される
・テーラーメイドな病気や治療

その他の議論点:
・(重症度なども含め)遺伝要因に関係しない病気は?
・それぞれの要因が主となる病気の例・カテゴリーについて
・病気の研究に限れば、遺伝要因・環境要因は分けない方が楽と言えるか?

・GWASを導入した時に解決できる(できない)領域は?

・精神疾患の遺伝的要因
・妻子研究の精神医学への貢献度


まとめ:
診断基準やラベリングについての議論となりました。
将来的に、ヒト一人一人に対するテーラーメイドな治療が用意できる日も来るかもしれません。

2013年9月10日火曜日

HMGセミナー 第14章:メンデル遺伝形質の遺伝的マッピング(前半)


担当:寺嶋
参加者:9名
教科書:ヒトの分子遺伝学

節の概要:
<14.1節>組換えの種類と遺伝距離や遺伝地図との関係
<14.2節>遺伝的マーカーと連鎖解析について

議論点:
組換え価に男女の差が出来るのは何故なのか
組換えの数が女性の方が多い生物学的意義とは

なぜ男女差が生まれるのか
 -組換えにより男女差が生まれるメカニズム(仮説)
  -交差をサポートするタンパク質 or RNAが存在
   -量の問題か、分布の問題か
    -分布なら時期毎のタンパク質の分布を調べれば分かるかも
  -性染色体上の遺伝子が操作
   -X:男女ともにある
   -Y:男性しかない
    -Y染色体に交差をサポートするタンパク質またはRNAを阻害する要素
    -X染色体が2倍あるので交差をサポートするタンパク質も2倍
     →X染色体のほうがよりシンプル
      -不活性化は体細胞と分裂の段階では条件が違う可能性
      -ただし、交差をサポートするタンパク質が全てX染色体上にあるかは疑問

この差に何の意味があるのか
 -組換えの男女差の生物学的意義
  →偶然?
  -交差の利点とは
   -大まかにバリエーションを確保するため
    -微調整は点変異により行っている
   -バリエーションを作る方法の内ではがんになりにくい方
    -点変異タンパク質が変わるので有害
    -交差は交差が起こる相手による
   -交差が大変なら別の方法だったかもしれない
   -回数は生物によって違いそう
    -環境が激変するほど多くなる
  -精母細胞と卵母細胞はゲノム以外にも違いがあるのだろうか
   -外界からのシグナルにより組換えが起きるのかもしれない
  -男性の場合、端の方に変異が入るように見える
   -テロメア等ではないか
    -変異が入りにくい仕組みになっているのかもしれない
   -全体ではどうなっているのだろう
   -その方がバリエーションが増えるのかもしれない
  -染色体の位置に性差はあるのだろうか

個人内でも個人間でも交差数にはばらつきが見られるが、交差数を決定する要因とは何かという議論点とも関連が深そう

その他の議論点:

<遺伝的マーカー>
・遺伝的マーカーは血液型から始まり、現在SNPが主に使われているが、新たな手法としては何が考えられるか

<ホットスポット>
・ヒトのホットスポットはチンパンジーではホットスポットではないが、他の生物についてはどうか
・ホットスポットとなる配列はどのようなものなのか

<遺伝地図作製の方法>
・組換え価を用いた遺伝地図作製よりも良い方法は存在するのか

<用語の定義>
・cMという概念の必要性とは

<交差の数の違い>
・個人内でも個人間でも交差数にはばらつきが見られるが、交差数を決定する要因とは何か

まとめ:
遺伝的マッピングにおける組換えや遺伝的マーカーを用いた連鎖解析に関する節でした。議論点となった組換えの男女差については、多方面に話が広がっていき勉強になりました。

2013年7月16日火曜日

HMGセミナー 第12章:ポストゲノム時代の遺伝子機能の研究(前半)

担当:寺嶋
参加者:9名
教科書:ヒトの分子遺伝学


節の概要:
<12.1節>現在の遺伝子機能の研究の概要
<12.2節>配列相同性検索、データベース検索、モチーフやドメインによる検索といったバイオインフォマティクスからのアプローチ

議論点:
これからどの総合的な解析(オミクス)の研究が面白くなっていくのだろうか


バイオインフォマティクス
 -オミクスのどの分野でも出来る

過去十年間はゲノムが主流だった
 →今の主流、他のに移行するのだろうか
 →ゲノムのイメージが変化している
-遺伝子は、昔はタンパク質をコードするものであったが、今はRNAも重要であることが分かっている
   →生存上重要性の低い部分が分かってきただけかも
    →ある生物を生物足らしめるという意味での重要性が判明しているのでは
     →シス配列による調節の違いが大きいのではないか

ヒトとチンパンジーはゲノムがあまり違わないので、ゲノムだけを見て個々の生物としての決定的な違いを見つけることは難しい

RNAやタンパク質よりも、元となるゲノムを見てゲノムの意味を考えるのはどうか

無脊椎動物ではトランスクリプトームが主流
 -ゲノムが大き過ぎて大変
  -純系を作るのが大変
   →ゲノムを1つに定めないと他の実験に使えない
    -サンプルを用意するだけでも大変
    →特定の遺伝子だけの大雑把な解析ならゲノムでも出来そう

トランスクリプトーム解析
 -発現量の解析
  -環境が重要になってくる
 -ゲノムの代用品

医学的応用ならタンパク質、進化の研究ならゲノムというように用途が分かれそう

ヒトのトランスクリプトーム解析はよく調べられている
 -プロテオームやメタボロームの段階に進めそう

メタボローム
 -結果を先に見る逆遺伝学的な手法が主流
 -食料は代謝産物が多いので重要かもしれない

アレルギー
 -リピドームとか
 -セルコミュニケーション等が重要そう

ゲノム至上主義
 -全ての生物のゲノムを全て読んだら終わるのだろうか
  -100年くらいあれば可能
   →ハードディスクが足りないかもしれない
    →差分を取ったり、技術の進化で何とかなるのではないか
    -圧縮
    -ツリー番号
     →検索が速い
     →進化という点から見ても重要
 -20年後くらいの未来
  -中国人全員のゲノムを読むとかありそう
   -オリンピック関連とか、国をあげて取り組みやすそうな要素があればあり得るかも
  -アメリカもゲノムを読むのが主流になりそう
  -個人の判別とかも出来るようになりそう

1000人プロジェクトは終了している
 -100万人プロジェクトも進行している
 -4かけくらいで読んでいる
  -傾向だけを掴むならそこまで詳細には読まなくてもよい
   →個人であればしっかりと読む必要がある

シークエンサーの未来
 -10年で世代はどの程度進むだろうか
  →2世代くらいは進むかもしれない
 -過去〜現在までで開発されている世代
  -次世代:電気泳動不要
  -第3世代:PCR不要
  -第4世代:合成不要
 -未来の世代に求められる要素
  -抽出しない
  -増幅しなくても読める
   -DNAを伸ばしながら読む
  -生体内で観察
   -ナノテクノロジーでできそう
    -合成されていく様子を観察できないだろうか

その他の議論点:

<遺伝子の機能の分類>
遺伝子オントロジーは曖昧な部分がある分類であるが、どこまで有効なものなのか
遺伝子の機能の分類は3種類で十分なのだろうか

<配列相同性検索>
配列は似ているが構造は似ていないものの機能予測はできるのだろうか
遺伝子相同性検索で分からない遺伝子の機能はあるのか

総合的な解析(オミクス)
各種の総合的な解析(オミクス)の研究結果はどの程度重ね合わせられるものだろうか
プロテオームやトランスクリプトームでは、どこまでの部分が共通なのか

<遺伝子の定義
シス配列のように配列そのものが機能する場合には遺伝子とは呼ばないのはなぜか

まとめ:
今回の章では遺伝子の機能について扱い、前半は遺伝子機能の研究の概要とバイオインフォマティクスのアプローチについてでした。議論では、おそらくこれからもゲノムが主流であり続けるだろうという結論に至りました。

2013年7月2日火曜日

HMGセミナー 第10章 (2)

担当:小澤
参加者:15名
教科書:ヒトの分子遺伝学


節の概要:
<10.4節> 進化系統樹の作成とそこから分かる事実について
<10.5節> 10章のまとめ モデル生物、比較ゲノム学、進化で明らかになった点について

議論点:
「ダックスフンドの将来について」

ダックスフンドは、成熟軟骨細胞の発現により短足となっている
短足は生きるのに不利ではないのか
 - 短足であることで、狩りに有利

ダックスフンドは、自然発生とブリーディングのどちらによって生まれた種か
 - ブリーディング
 - コーギーも同様にブリーディング

短足という表現型は、劣性・優性で決まるか、それとも細胞の発現量で決まるのか
 - 劣性・優性の場合、普通の犬から一遺伝子変化から短足の犬が生じる可能性がある

短足でも、ヒトの環境では生きていけることができるので、表現型が固定された?
 - ヒトの場合でも、小人の一族が存在する


その他の議論点:
<進化全般>
・スプライシングと進化の関係性
・負の選択圧が進化にどの程度機能しているか

<進化系統樹>
・違う祖先で、相同性を持つ配列が存在するか
・新筧藤樹がかけるという仮説はどの程度成り立つのか
・進化速度が一定であるという仮説は正しいと言えるのか
・進化系統樹の形状の偏りの原因

<ヒトの進化>
・将来、ヒトが進化した後の姿について
・ヒトをヒトたらしめているものについて
・ネアンデルタール人とホモサピエンスは、交配していたが、本当に分岐していると言えるのか
・ヒトとチンパンジーが分岐した理由

<その他>
・遺伝子消失の早さの原因
・ハエにヒトの遺伝子を埋め込み、翅を生えさせたときに太った原因
・一部の生物において、ゲノムDNA量に制約を持つことのメリット
・ゾウリムシや単細胞原生動物の上限の遺伝子数が定まる理由


まとめ:
 今回の範囲は、進化系統樹とそこから分かる事実にについて取り扱いました。過去に起きた進化の要因についてやこれから起こりうる進化などの議論点が多く挙がりましたが、短足という一見不利な特徴を持つダックスフンドについて議論しました。