2013年1月24日木曜日

MBCセミナー8-5: 遺伝子の発現と機能の解析

担当:藤原
参加者:10名

節の概要:
遺伝子の発現とタンパク質の機能の関係を解析するときに、「古典遺伝学」と「逆遺伝学」という2つの考え方がある。
「古典遺伝学」では、ランダムに得られた変異体における機能欠損・機能獲得の様子を観察することで、その原因となる遺伝子を同定する。
「逆遺伝学」では、改変遺伝子を導入することで所望の変異体を作成し、その遺伝子がおよぼす機能を同定する。

議論した点:
ヒトという種は、10万年前のアフリカの種族から3,000〜4,000世代だけ離れた子孫であると考えられているが、この「3,000〜4,000世代」というのはどうやって決めたのか。
 ▷ 各年代におけるヒトの寿命を推定した?
  - 化石から推定
  - 現代のヒトのゲノムから推定
 ▷ そもそも、ヒトという種の起源を10万年前とした根拠は?
  - 地理的要因(アフリカから脱出した)
  - 気候的要因(氷河期が訪れた)
  - 生殖隔離(分化した種間での生殖が不可能であること)
  - 現代では、ゲノム上の相違度をもとに「種」というものを定義している(できる?)らしい
 ▷ ヒトとチンパンジーが分かれたのは600万年前

ほかの議論点:
・細胞集団内での遺伝子発現量のばらつき (Fig. 8-75)
・ヒトに対する遺伝学実験の倫理問題(問題のおよぶ範囲)
・遺伝子導入マウス作成の技術進歩
・ヘリカーゼの働き (Fig. 8-66)
・プロモータにより発現量が決定されている遺伝子
・改変遺伝子の導入時にマイクロピペットなどの道具を使うことで生じる影響
・マイクロアレイの欠点
・ヒトでの遺伝子変異がその行動に影響をおよぼす例 (Fig. 8-54)

2013年1月17日木曜日

MBCセミナー 7-5: 転写後の調節

担当:齊藤
参加者:9名

節の概要:
基本的には遺伝子発現の過程はどの段階でも調節可能であり、
多くの遺伝子は複数の機構で調節されている。
この節では、RNA合成が始められた後に働く転写後調節について述べられている。

議論した点:
・実際に使うRNAの20倍もRNAを作る意味はあるか?
 ・RNAの合成にエネルギーを無駄に使っている
 ・分解等で無駄な労力を使ってしまうのではないか
  ・RNAの分解にはエネルギーは使わない
 ・全体で使うエネルギーに対して、RNA合成に使うエネルギーの占める割合が小さいのではないか
 ・分解されるのはイントロンが多いのではないか
  ・なぜイントロンはこんなに長い?
  ・栄養に富むと、イントロンが長くなるのではないか?
  ・貧栄養状態だとRNAの分解に変化はでるか?

他の議論点:
・転写後の調節はこんなに必要か
・miRNAの塩基対を形成する長さが動物では一般に7塩基対である理由
・RNA干渉の生物学的な意義
・miRNAが調節するmRNAは互いに似ているものか
・RNA干渉で不活性化できないRNAとは?
・3'UTRはなぜ生物種間で保存されていないのか