担当:寺嶋
参加者:14名
教科書:ヒトの分子遺伝学
節の概要:
<10.1節>単細胞生物からヒトまでの様々なモデル生物について
<10.2節>コード配列の純化選択による保存や正の選択による進化と、比較ゲノム解析の仕組みやブラウザ、利用方法
議論点:
「非コードRNA(ncRNA)は生存するためにはどの程度必要なのか」
タンパク質の領域は少ない
-ゲノムの殆どはガラクタ?
→ゲノムは広範囲に転写されており必要なncRNAもある
-全部必要なものかもしれない?
-無闇に転写される?
-何かあったときのため
ncRNAはどのように機能するか
-調節が多い
-転写は急速にできる
「生存できる」の定義
-最低限必要なRNA
-何らかの働きがあるRNAということではない
-使用の有無を問わず、勝手に転写されるRNAは含まない
染色体の数%が無くても生存は可能
-まだまだRNAの数は削る事が出来る?
恒温動物⇔変温動物
-恒温動物の方がエネルギー消費は大きい
未知の環境に適応する事を考える
-環境の厳しさをレベルで表す
-例:レベル2で必要なRNA△△
余計なコピーも害がなければ問題が無い
-ゲノム的には無駄
-飢餓状態なら影響があるかも?
→むしろ飢餓状態の対応を忘れた方が長生きできる
-例:食料が豊富な実験室のマウス
-環境に適応できない事は悪いことではない
短期と長期の適応
-短期に対する過学習はよくない
その他の議論点:
<人工合成学>
・人工のモデル生物はどの程度実際のモデル生物に似ているのか
・人工生命体は作れるのか
・合成生物学の特徴とは何か
<モデル生物としてのヒト>
・ヒトをモデル生物とする研究は今後どのようになるのか
・2020年までに個人のゲノム配列決定は日常的になるのか
<ヒト以外のモデル生物の解析>
・酵母で人類が知るに値する事柄とは何か
・人以外のゲノムも簡単に読める時代が来るのか
・人間の脳に近い脳を持つマウスを作ることは可能だろうか
<正の選択>
・正の選択が起こる理由とは何か
<比較ゲノム解析>
・比較ゲノム学で現在残されている問題とは何か
・保存される非コード配列で偽陽性と判断されるものを減らす方法はあるのか
<非コード配列の探索>
・SNP頻度からヒトの遺伝子調節配列を見つけられないか?
まとめ:
今回はモデル生物とゲノムの進化と保存、比較ゲノム解析についての節で話題が多かったので、色々な内容の議論点が集まりました。議題となった生存に必要な非コードRNAについては、様々な条件を中心に環境への適応へと議論が発展していきました。
2013年6月26日水曜日
2013年6月25日火曜日
HMGセミナー 第10章: モデル生物、比較ゲノム学、進化 (2)
担当: 田高
参加者: 14名
教科書: ヒトの分子遺伝学
節の概要:
<8.3節> 哺乳類(脊椎動物)のゲノム進化
議論点:
教科書中では性決定要因として環境的要因・遺伝的要因の2つが挙げられていたが、それぞれの特徴にはどのようなものがあるか。
・高等生物: 遺伝的要因、下等生物: 環境的要因の様なイメージ
・種による性決定要因の一例
・は虫類: 温度 (←ほ乳類には無理では?)
・魚類: 群れの中での相対的大きさなどいろいろ
・ミジンコ・アブラムシ: 饑餓など環境の悪化の直前に雄をつくる(生み分け)
→補食される側は環境的要因?
・下等生物だと雄・雌の違いがあまり無いから状況により変化するのでは?
・ほ乳類では性転換が起こるとするなら乳腺を作るetc等は無理?
・定性的には?
・性転換にかかる時間はどうか?
・セブラフィッシュでは半年くらい
・高等・下等というより集団の大きさ・個体の安定性が効くのでは?
・進化的な制約は無いのか? (倍数性etc.)
・雄へテロ・雌ヘテロではどちらが有利か?
その他の議論点:
<全ゲノム重複・ゲノム再編成>
・全ゲノム重複のあいだ、生物はどうやって生きていたか
・全ゲノム重複と表現型の変化について
・全ゲノム重複においてどんな遺伝子が消滅を免れるのか。それはなぜか
・植物では全ゲノム重複が盛んに起きているがそれはなぜか
・哺乳類のなかで多倍体は存在しないのか
・哺乳類などでゲノム再編成が起こるきっかけにはどのようなものがあるか
<染色体>
・「Y染色体の遺伝子欠失に呼応してX染色体の不活性化が促進された」とあるがそれはなぜか
・表現型とゲノムの違いが生物分類に与える影響について
参加者: 14名
教科書: ヒトの分子遺伝学
節の概要:
<8.3節> 哺乳類(脊椎動物)のゲノム進化
議論点:
教科書中では性決定要因として環境的要因・遺伝的要因の2つが挙げられていたが、それぞれの特徴にはどのようなものがあるか。
・高等生物: 遺伝的要因、下等生物: 環境的要因の様なイメージ
・種による性決定要因の一例
・は虫類: 温度 (←ほ乳類には無理では?)
・魚類: 群れの中での相対的大きさなどいろいろ
・ミジンコ・アブラムシ: 饑餓など環境の悪化の直前に雄をつくる(生み分け)
→補食される側は環境的要因?
・下等生物だと雄・雌の違いがあまり無いから状況により変化するのでは?
・ほ乳類では性転換が起こるとするなら乳腺を作るetc等は無理?
・定性的には?
・性転換にかかる時間はどうか?
・セブラフィッシュでは半年くらい
・高等・下等というより集団の大きさ・個体の安定性が効くのでは?
・進化的な制約は無いのか? (倍数性etc.)
・雄へテロ・雌ヘテロではどちらが有利か?
その他の議論点:
<全ゲノム重複・ゲノム再編成>
・全ゲノム重複のあいだ、生物はどうやって生きていたか
・全ゲノム重複と表現型の変化について
・全ゲノム重複においてどんな遺伝子が消滅を免れるのか。それはなぜか
・植物では全ゲノム重複が盛んに起きているがそれはなぜか
・哺乳類のなかで多倍体は存在しないのか
・哺乳類などでゲノム再編成が起こるきっかけにはどのようなものがあるか
<染色体>
・「Y染色体の遺伝子欠失に呼応してX染色体の不活性化が促進された」とあるがそれはなぜか
・表現型とゲノムの違いが生物分類に与える影響について
・インドキョンはなぜ染色体融合が起きたのか
・染色体が消えることによる種の絶滅の可能性について(中国種のインドキョン)
・PAR1領域は雄性減数分裂時に必ず交差が起こる部位であるが、その必然性について
<性決定機構>
・メダカ等同じ種類の生物の中でも異なる性決定機構をもつような生物がいるがそのメリットについて
2013年6月11日火曜日
HMGセミナー 第8章:遺伝子とゲノムの構造および発現を解析する (2)
担当: 小澤
参加者: 13名
教科書: ヒトの分子遺伝学
節の概要:
<8.4節> ハイブリダイゼーションや抗体などを利用した遺伝子発現の基本的解析について
<8.5節> トランスクリプトミクスやプロテオミクスといった遺伝子の大量解析について
議論点:
タンパク質検知のための技術について
・塩基発現解析にはシーケンサー技術があるのに対して、タンパク質解析には存在しない
・アミノ酸は相補鎖を作らない上、数が多い
・タンパク質を変性剤により鎖状にして解析すればできそう
- 翻訳後修飾がバラバラになりそう
・X線やNMRといったタンパク質の構造解析
- 計算機による演算の後、人による予測を行っている
- 遺伝子密度から自動で構造予測をする技術があれば、
・X線は遺伝子密度を調べる
- His-tagによる結晶生成がうまくいけば精度が上がる
・結晶解析は等方性に比べ、異方性が難しい
- タンパク質は等方性が珍しく、異方性に対する技術が進められている
・アミノ酸20種分の標識を利用する
- 単一のタンパク質にしか扱えない
- 抗体を利用した技術が開発されている
その他の議論点:
<全般>
・発現マップング法の解像度と解析量を共に高める方法
・トランスクリプトームとプロテオミクスの結果の違い
<トランスクリプトーム>
・マイクロアレイを用いた発現データの解析手法の使い分けについて
・ハイブリダイゼーションのプローブの設計指針
<プロテオミクス>
・タンパク質発現解析手法の使い分けについて
・抗体を不死化することによって生じる問題点
・抗体を安価で利用する方法
・GAP以外の蛍光標識について
・質量分析の結果が生体内とどの程度一致するか
<その他>
・PCRを利用した転写産物検出よりもハイブリダイゼーションが多く用いられている理由
・個人のゲノム解析の展望
まとめ:
タンパク質解析に対する議論となりました。
アイデアは幾つか挙げられましたが、現時点では技術的に難しそうです。
大量解析に必要不可欠な技術なので、今後の展望が気になるところです。
2013年6月10日月曜日
HMGセミナー 第8章:遺伝子とゲノムの構造および発現を解析する(1)
担当:寺嶋友美
参加者:16名
教科書:ヒトの分子遺伝学
節の概要:
<8.1節> DNAライブラリーやcDNAライブラリーの作製法、スクリーニング法、増幅の際の問題点について
<8.2節>酵素法から第三世代シークエンサーに至るまでの DNA塩基配列決定の様々な方法とDNAキャプチャーによる再配列決定について
参加者:16名
教科書:ヒトの分子遺伝学
節の概要:
<8.1節> DNAライブラリーやcDNAライブラリーの作製法、スクリーニング法、増幅の際の問題点について
<8.2節>酵素法から第三世代シークエンサーに至るまでの DNA塩基配列決定の様々な方法とDNAキャプチャーによる再配列決定について
語句:
かけ…ゲノムを読む回数。
SD…ある集団(ここではPCRにより増幅されたゲノム)の濃淡の分布。対数正規分布の標準偏差。
議論点:
「DNAのシークエンシングのエラーを検出する方法について」
・シークエンサーの問題点
ー正確な部分と怪しい部分がある
ー原因:体細胞変異、シークエンシングの時の誤り
・2つのシークエンサーで結果が違う場合
ーメーカーによって正確性は違う
ー何らかの方法で正確性を比べたい
ー信頼度はある?
ー蛍光を使う方法なら各塩基を検出した時の光の強度
ーQスコア
ー間違える確率
ーQスコアの信頼度は手法毎に違う?
ー初代と次世代だと初代の方がQスコアの信頼度は高い
ー足切りに使う
・パックバイオ
ー1分子毎、大量に配列を読む、エラーが多い
ー20%くらい間違う
ーSMRTと同じ技術を使用
・SNPの場合
ー30かけくらいでも正確
ーSDが大きいと正確な部分と怪しい部分のばらつきが大きくなる
ーSDを小さくできる?
ー技術的には可能性がある
・PCRによる問題
ー次世代シークエンサー
ーブリッジRCR
ー基盤上で増幅して画像から読む
ー第三世代のシークエンサー
ーPCRをしないPCRフリー
ーPCRによる問題がなくなる
→1分子の大量並列DNA塩基配列決定法が出てくればいい
ー1分子はエラーが多い
ー今のところ何度も読むか、他のシークエンサーで補うしかない
→PCRで複製がうまくいかなかった部分だけをもう一度PCRで増幅するプログラムがあればいい
その他の議論点:
<DNAライブラリー>
・大きなDNAを複製する場合には、PCRよりも細胞の方が優れているが、それはなぜか
・DNAライブラリーを増幅する際に起きうる、オリジナルな構成の破壊への対策について
・分与されたDNAライブラリーは同じ物だろうか
・DNAライブラリーに寿命はあるのか
<塩基配列決定法>
・蛍光による塩基配列決定法はどの程度正確なのか
・初代のシークエンサーの方法(酵素法)では大量に配列を決定する事は出来ないのか
・ジデオキシ法では、伸長を確率により制御するため配列の偏りがありそうだが、それをどう解決しているのか
・大量並列DNA塩基配列決定において、リード長と総配列情報量ではどちらがより重要なのだろうか
・1分子による大量並列DNA塩基配列決定において、反復配列等を読む事で異常なデータがとれるといった不具合は生じないのか
・シークエンシングはどこまで省略可能なのだろうか
<シークエンサー>
・SMRTとナノポアではどちらが主流となるだろうか
・現在研究されている他のシークエンサーについて
・表8.1でまだ出来ていないシークエンサー(Pacific Biosciences)が普及したらどうなるのか
・メイド・イン・ジャパンの世界一のシークエンサーは作れないのか
まとめ:
塩基配列決定法、その中でもシークエンサーに関する議論点が多く出ました。今までのシークエンサーの問題点をはっきりとさせた事で、第三世代での正確性を実現するための具体的な案が集まったように思います。
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