担当者:池野
参加者:10名
元論文:
Mitochondrial reticulum for cellular energy distribution in muscle
Brian Glancy, Lisa M. Hartnell, Daniela Malide, Zu-Xi Yu, Christian A. Combs, Patricia S. Connelly, Sriram Subramaniam & Robert S. Balaban
Published online 29 July 2015
要約:
細胞内でのエネルギーの配給は多くの関心を集めている。今回、骨格筋において、ミトコンドリアの網状質がプロトン駆動力という形でエネルギー配給の伝導路としての役割を果たしていることを証明、これがエネルギー配給の主経路であると提案する。
議論点:ミトコンドリアが進化に与えてきた影響
・ミトコンドリアが細胞に取り込まれた時期は?
予想:30億年ほど前。酸素が地球上に増えた時期?
・ミトコンドリアの祖先:αプロテオバクテリア
・光合成する
・好気性
・自らは酸素を生み出さない
・ミトコンドリアを取り込むことで何が変わったか?
・酸素呼吸が可能になった
・筋細胞内でのエネルギー拡散が可能になった
・脂質の合成が可能になった?
・(恐らく)真核細胞はミトコンドリアを必ず持っていて、原核で持っている生物はいない
・ミトコンドリアは真核細胞への進化を促進したか、または真核細胞に必須な機能を提供した可能性がある
・酸素を扱うのであれば、活性酸素の処理機構が必須
・ミトコンドリアを取り込むことによって活性酸素の処理機構の発達が強制された可能性
・活性酸素の影響を抑えるために細胞内での区画化が促進された可能性
まとめ:
議論を通じて、細胞はミトコンドリアを取り込むことによって酸素を扱えるようになり、現在の真核細胞の機構を決定づける要因となったのではないかという仮説が立てられた。