担当:小林駿平
参加者:6名
【議論点】
tRNAの遺伝子数がアンチコドンに対して多いことによるメリットは何か
1.ヒトとバクテリアのtRNA遺伝子数とアンチコドン数
ヒト
・アンチコドン : 48種類
・tRNA : およそ500個
→10倍近い差が存在する
→同じアンチコドンを持つが、配列の異なるtRNA遺伝子が複数存在する。
バクテリア
・tRNA : 31種類
→ヒトに比べて少ない
→複数のtRNA遺伝子を持つだけの能力がないのかもしれない
2. tRNAの役割
tRNA分子はmRNAのコドンとアミノ酸を結びつける。分子の片側ではアンチコドンによりコドンと相補的な塩基対を形成する。もう一方の側ではアミノアシル合成酵素によりアミノ酸と共有結合を形成する。
3.結論
以下のようなメリット、デメリットがあげられる
【メリット】
・tRNA数には限界があるので、tRNA遺伝子数が多いほどより多くのアミノ酸を結合させることができる
・1部tRNA遺伝子に不具合が生じても同じアンチコドンを持つ他の遺伝子で維持できる
【デメリット】
・tRNAの構造が多様になるため、tRNA合成酵素がtRNAが正しく識別するのが難しくなる
2020年6月30日火曜日
2020年6月23日火曜日
細胞の分子生物学 6章(前半) DNAゲノム情報の読み取りーDNAからタンパク質へ
担当:近藤輝
参加者:6名
[議論点]
なぜ真核生物のRNAポリメタ➖ゼは3種類あるのか?
原核細胞と真核細胞のRNAの生存時間の違い
・原核生物のmRNAの生存時間は5分程度
もし転写にミスが有ったとしても間違ったタンパク質の合成は5分程度で影響は小さい.
・真核細胞のmRNAの生存時間は原核細胞に比べ長い
転写ミスのmRNAは長い間、間違ったタンパク質を合成する
➢ 原核生物に比べて転写ミスのmRNAの影響は大きい
もし転写にミスが有ったとしても間違ったタンパク質の合成は5分程度で影響は小さい.
・真核細胞のmRNAの生存時間は原核細胞に比べ長い
転写ミスのmRNAは長い間、間違ったタンパク質を合成する
➢ 原核生物に比べて転写ミスのmRNAの影響は大きい
転写ミスを減らす手段
RNAの品質管理を行うため,RNAの種類ごとにRNAポリメタ➖ゼができたのでは?
真核生物ではRNAの種類により,核外に出るまでのプロセスが異なる場合がある.
異なるRNAポリメタ➖ゼがあれば,RNAの修飾のミスを防ぐことができるのでは?
RNAの種類により合成法が異なる
RNAの種類により合成方法は異なる.
原核生物のように1つのRNAポリメタ➖ゼですべてのRNAを合成することは難しいのでは?
結論
真核生物ではスプライシングなどのRNA合成後もRNAを加工する必要があるため,RNAの分類をする必要がある.更にRNAの寿命が原核生物に比べて長いため,転写ミスの影響が大きい.そのため,RNAの転写ミスを減らす手段の一つとして複数のRNAポリメタ➖ゼが存在すると考えられる.
2020年6月16日火曜日
細胞の分子生物学 5章(後半) DNAの複製、修復、組換え
担当:髙橋宏
参加者:6名
[議論点]
生物によって主要なトランスポゾンが異なるのには理由があるのか
1.なぜヒトは非レトロウイルス型がアクティブなのか
・ウイルスの機構が他2つのタイプと似ている
→ヒトは密集することが多くウイルスに対する防衛機構を備えたい
→非レトロウイルス型のみをアクティブに
→ウイルスが活性しにくくなる
・トランスポターゼが使えなくなっても他のトランスポターゼが使えるから
2.なぜヒトは他2つのタイプがアクティブではないのか
・DNA型は切り貼り式転移機構
→変異の危険性up
・DNA型は2500~3500万年前まではアクティブ
→変異する必要がなくなったため非活性化
3.なぜマウスではいまだに非レトロウイルス型以外の2つもアクティブなのか
・変異しても問題がないから
ヒトと比べると...
・寿命が短い
→変異の蓄積が少なくいため、それによる死亡率が低い
・子供の数が多い
→何匹かが変異しても種が絶滅するリスクが低い
・テロメア―ゼが活性しつづける
→変異による病気(がんなど)にかからない
結論:
各種のトランスポゾンを調整することで変異の確率を操作しているため、主要なトランスポゾンが種によって異なるのではないかと考えられる。
2020年6月9日火曜日
細胞の分子生物学 5章(前半) DNAの複製、修復、組換え
担当: 高橋和
参加者: 6名
[議論点]
健常な細胞にのみに働くテロメラーゼがあれば、不老を実現できるのか
1. 老化とはどのような状態なのか
・細胞増殖の制御をしている: 加齢の原因と考えられている
・テロメアの長さが短いこと,役に立たない細胞が増える: 腫瘍,変異の可能性
2. テロメアの長さが維持できた場合どうなるのか
・過剰に生成される危険性
→増えたものがマジョリティになり,危険
すべての細胞にテロメラーゼが働く場合
・悪性の細胞が排除されずに増殖する
健常な細胞にのみテロメラーゼが働く場合
・健康維持がしやすい,身体的な加齢を抑えられる
・健常な細胞が大半をしめることでうまく機能させられるのか
→限界がある(健常なものを阻害する恐れ)
3. 細胞増殖の制御
・老化防止のメカニズムだが,うまくいかないと老化を促進してしまう
4. 複製による問題
・分裂によってがんになる可能性
→がんは自身で増殖するため避けられない
5. 再生できない細胞
・脳の神経細胞など,再生できない細胞については老化を避けられない
結論:
健常な細胞にのみ働くテロメラーゼがあっても,老化を制御することは困難.
他に老化を制御できる機構がないと不老の実現は難しい.
2020年6月2日火曜日
細胞の分子生物学 4章 DNA,染色体,ゲノム
担当:高沢
参加者:6名
[議論点]
快適な生活環境はヒトの進化を抑制するか促進するか
1. 進化の定義
進化は変化と捉えることができる。
・適応的な変化
ex)居住地によるメラニン色素の量の変化
・適応的でない変化
ex)血液型の偏り
適応的な変化を進化として議論した。
2. 適応的な変化を抑制する
・技術の発展により生活環境の自由度が向上
→自ら調整するような機能が発展しない
・適応度によらず子孫を残しやすい
・グローバル化によって、必要な機能が曖昧になる
3. 適応的な変化を促進する
・技術で補える必要のない機能が消える
→機能、エネルギーの効率化
単純になり繁殖の効率が上がる
・寿命が延びることに伴い、機能が長持ちするように変化するかも
・寿命を延ばすことが種の繁栄にメリットになるとは限らない
(食糧の不足など)
・高齢な個体が存在することによって知識が継承される
4. バリエーションの増加
現在の生活環境によってバリエーションは増加すると考えられる。
・医療等の発展によって不利な遺伝子が維持される
・グローバル化による離れた地域のグループどうしの交配
5. 快適な生活環境について
現在は地域や経済レベルによって快適度が大きく異なる
→多様性につながる可能性がある
結論:
快適な生活環境は、抑制と促進をどちらも生じさせる可能性があり、地域や状況によって抑制と促進のバランスは異なると考えられる。
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