2020年11月24日火曜日

NATURE PODCAST Recoding the E.coli genome

担当:高沢

参加者:6名

【議論点】
コドンを再利用し、機能を追加できたらどのようなメリットデメリットが生じるか

1.コドン削減によって生物に生じる変化
    使用されるtRNAの種類が減る

2.人工的に追加される機能
    アミノ酸の種類を増やして新たなタンパク質をする
    →アミノ酸の合成に関しては遺伝子導入を行うか外部からの供給で補う

3.工業的な面でのメリットとデメリット
    メリット
        ・機能を追加して新たな物質の合成に利用できる
        ・競争能力を調整できる
            →自然界への流出を防いだり、環境を整えて大量に増やしたりすることが可能
    デメリット
        ・自然選択の圧力に弱い可能性がある
         (コドンを減らせるなら、すでに減っているはずである)
        ・増殖が遅い

4.機能を追加した生物視点でのメリットとデメリット
    メリット
        新たな機能にもよるが、一般的な環境におけるメリットは無いと考えられる
      (ただし、コドンの削減だけであれば、合成が速くなると考えられる)
    デメリット
        ・新たなアミノ酸や構造を持ったタンパク質は分解できないかもしれない
            →タンパク質の蓄積などが成長に悪影響を及ぼす可能性がある

5.結論
削減したコドンを利用した、新たなタンパク質の合成は、工業的に大きなメリットとなると考えられる。しかし、追加された生物にとっては、タンパク質を分解できないことなどによって、成長に悪影響が生じる可能性がある。

2020年11月17日火曜日

NATURE PODCAST The ethics of creating consciousness

 担当:小林駿平

参加者:6名

【議論点】
そもそも意識とは何か、一般的な定義と生物学的な定義に乖離が生じた場合どちらを優先すべきか

1.生物学的(専門的)意識の定義
 脳特有の電気的信号が見られるか
 構造、システム(内部)からの定義
 関連する学説
 ・integrated information theory 
  →どうぶつには意識あるがオルガノイドにはない
  ・global workspace theory 
  →前頭葉がないため意識がない

2.一般的、哲学的(非専門的)意識の定義
 自我や心
 第三者視点で見て行動を選択しているか←外からの見え方が重要

3. 一般的定義と生物学的定義に乖離が生じるか
オルガノイド
 専門的→一定の水準に到達できれば意識ある
 一般的→意識を表現する手段がない→意識なし
・植物人間
 専門的→電気的信号が観測された→意識あり
 一般的→意思決定できない→意識なし
・ロボット(AIBO、ペッパー)
 専門的→意識なし
 一般的→感情あるように見える→意識と解釈


4.優先順位
一般的定義優先→大衆に受け入れられやすく、広まりやすい
専門的定義優先→広めるには法律を変えるくらいしないと難しいが、脳死など専門的定義が定着した例もある

5.結論
専門的定義では意識はあるが、一般的では意識のない場合の方が多いと考えられる。また優先順位に関しては、一般的定義が優先されることが多そうである。

細胞の分子生物学 11章 小分子の膜輸送と, 膜の電気的性質

 担当:近藤

参加者:6名

[議題]

輸送体とチャネルのどちらか一方しか存在しなくても問題は生じないか

チャネルは輸送体カから進化したものがある(p604)。そのため、どちらか一方でも生物として成り立つのではないか?


  1. 考えられる事象、教科書に基づく事実
    ・輸送体には受動輸送と能動輸送がある
    ・チャネルには受動輸送のみ
    ・チャネルの方が受動輸送の場合輸送速度が早い(10万倍)
    ・チャネルは外部シグナルを調節できる
  2. 輸送体のみ(良い面)
    ・構造的にシンプル
    ・細胞外に物質を排出したい場合に有利
  3. 輸送体のみ(悪い面)
    ・受動輸送の際、輸送速度が足りない場合がある。輸送速度が重要な機関は脳や神経細胞があり、輸送体のみでは100倍程度足りない。
    ・植物細胞では常に水を大量に細胞内に入れる必要があり、輸送体のみでは難しい。
  4. チャネルのみ(良い面)
    ・能動輸送ができない
  5. 結論
    脳や神経細胞など大きな機関があり、輸送に速度が求められることがある。そのような場合では輸送体のみでは速度に十分に対応できない。また、チャネルのみでは受動輸送ができないため輸送体は必要である。よって、輸送体、チャネルは両方共必要である。