担当:大林武
参加者: 9名
節の概要: 生命共通の仕組み.特に,自己複製を実現するための物理的実体としてのDNA,ならびにDNA→RNA→タンパク質の情報の流れを示す.
議論1 DNA→RNA→タンパク質の情報伝達系の始まり
・(RNA説)RNAウイルスの存在はRNAから始まったことを示唆する.
・(タンパク質説)ヌクレオチドよりもアミノ酸の方が構造が単純.
・初期の地球環境を模した研究では,いくつかのアミノ酸が自然合成されていた.
・(RNA説)ヌクレオチドを構成する,プリン,ピリミジン,リボースは環構造を持つ.環構造は自由度が小さくなり,また分解されにくいので,他の物質との相互作用が起きやすい.
・(RNA説)炭化水素鎖は膜脂質にも使われており,利用しやすいものかもしれない.そうであれば,リボースは直ぐに作成できそう.
議論2 アミノ酸はなぜ20種類か?
・もし一種類しかなければ,長さでしか情報を表現できない.最低限2種類は必要.
・疎水性アミノ酸は性質の違いが小さく,無くても大丈夫そう.
・最低限なくては困るアミノ酸は数種類しかない
・疎水性アミノ酸の何か
・親水性アミノ酸
・架橋するためのシステイン
・酸性アミノ酸,塩基性アミノ酸:荷電性物質の選択に必要(イオンやリガンド).
・コドンとの関連
・アミノ酸が16種類ならば2塩基コドンで良く,ゲノム配列の節約になる.
・3塩基コドンならば,最大64種類使うことも可能だが,生合成コストによる制約によって20種類になっている.
議論3 アミノ酸の供給源
・動物はタンパク質を経口摂取
・アミノ酸は何回でも再利用が可能(劣化しない)
・細菌や植物は外部タンパク質を大量摂取できないので,自前で合成.
議論4 DNAの塩基はなぜ4種類か
・2文字ならば,長いゲノムが必要
・偶数文字でないと,相補対を作れない
・自分同士で相補対が作れると,奇数文字でも大丈夫.
・AT(2)とGC(3)と異なる2重結合数ペアになっている.
・塩基の構造を考慮すると,2重結合の数が異なる方がミスが少ない.
・2種類の結合強度が存在することで,ゲノムの大局的な強度変化を作ることができる.
他の議論点
・mRNAの構造(tRNA, rRNAとの比較)
・DNAは何故2本鎖
・チミンとウラシルを使い分ける理由
・遺伝子と発現調節部位の位置関係
感想
現存する生命体のシステムがどの程度必然であったのかが面白いと思っています.全く同じ原始地球環境を用意したら,全く同じシステムができるのか.重力・光・水などの条件が異なるとどうなるのか.
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