元論文(http://www.nature.com/nature/journal/v525/n7568/full/nature14986.html)
担当:田河
参加者:10名
概要:
氷雲の形成のメカニズム(主に氷雲の核について)についての研究
氷の結晶ができるには、単に周りの気温が氷点下になればいいというわけではない
→-38まで氷にならずに存在することもある
どうやって結晶になるか?
→結晶になる時、空気中の微粒子を核として必要とする場合がある
どのように核が運ばれてきて、それを利用するのだろうかを研究している
→核をINP(Ice-Nucleating Particlesと呼ぶ
一番のINPは砂漠の砂が上空に運ばてINPとなる
→海上では?
海上の有機物を調べた結果、波の動きによって空気中に放出され、それが風に巻き上げられて大気中に上がることが判明した
メカニズムとしては波が白くなって崩れるときたくさんの泡が割れ、有機物の混ざった膜水滴が生まれる。それが大気中に上がっていく
遠隔操作の車両を使って海の一番上の層をサンプリングした結果、有機物に富んでいた
その中でもプランクトンの排泄物(0.2μm未満)が核になっていそうだというのがこの論文のキモ
有機物サンプルを調べた結果植物性プランクトン(Thalassiosira pseudonana)のexudate(にじみ出るもの、浸出液)を発見し、さらにそれをプランクトンと分離して実験した結果exudateのみでも氷の核になることを発見した
→陸から離れた場所で氷が発生するのはこれが原因か
議題:生物を用いた人工降雨の可能性
- 有機物
- ヨウ化銀→弱い毒性
- 砂→大きさ様々
- 塩の結晶 →塩害
- 無機物
- プランクトンの浸出液(0.3μm未満)
- 必要な条件
- 上空まで上がれる大きさ、重さ
- 構造が氷と似ている→これを作れる生物を作る?寄生させてもいいかも
- 候補
- DNA折り紙(水の構造に似せて作る)
- コストはかかるがニーズはありそう
- DNA汚染の可能性
- タンパク質やRNAでもいいのかも
生物とは離れるが、DNA折り紙のような応用性のある物質を用いて氷と同じような構造のものを作り、それを上空に送ることで氷雲を作れるのではないかという結論に達した。やはり生物そのものをもちいて雨を降らすということは難しいそうということがわかった。
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