元論文http://www.nature.com/nature/journal/v526/n7571/full/nature15373.html
担当:平田
参加者:10名
概要:
生体内におけるナノ粒子の投与に関する問題は2つ存在1. 人体の免疫システムへの対抗
2. 良い組織と悪い組織の識別精度
ナノ粒子を血小板膜で覆うことで上記の問題を改善
齧歯類モデルにおいて、血小板膜に覆われた薬剤の投与による病気の治療効果の向上が見られた
人間での試験には2つのマイルストーン
1. ラボ内の生産から容易さが保証された生産へ
2. 齧歯類のみではなく多くの動物種での試験をする必要あり
議題:Is there any shortcoming for drugs to totally disguise from immune system?
(免疫システムを完全に回避したナノ粒子による薬剤投与の欠点はなにか)
免疫システムの役割
・自己と非自己の認識による異物排除
完全に回避とは?
・完全に生体内のモノ(自己)と認識される
免疫システムの完全な回避による考えられる欠点および解決案
◯外膜について
- ”模した元”の機能と完全に同じ働きをしてしまい、薬剤を運搬するという本来の機能を果たせない可能性がある
→解決案
- 完全に対象の場所へと移動するものを用いる(例:肝臓表面にしかないタンパク質にのみ付着するもの)
◯中身(薬剤)について
- 粒子の中身が有害なものだった場合に免疫による排除がなされずに体内を運搬されてしまう危険性がある
◯人体の恒常性について
- 本来存在しない場所にその物質が存在してしまう可能性がある
- 外界からの物質の投与によりそれを模している元の物質の体内の量の調節に影響してしまう
→解決案
- 人間のホメオスタシスの限界を知り、それ以上の物質の投与を避ける
- 目的の場所にたどり着いたのちに別の物質へと性質を変化させる外膜の作成
◯開発について
・開発コストのかかる粒子の生産は困難
まとめ:
薬剤投与に関する科学の進歩が感じられる論文であったが、議論の結果、人類への応用のために改善すべき点は様々考えられた。特に薬剤を覆う外膜の性能の向上が望まれるだろう。
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