2020年10月13日火曜日

細胞の分子生物学 8章 細胞,分子,生体システムを解析する 6節,9章 細胞の可視化(一部)

 担当:高沢

参加者:6名

【議論点】
確率的な要素をシミュレーションに加える必要はあるのか(細胞ごとのばらつきをモデリングする意味は何か)

1.細胞ごとのばらつき
    細胞分裂の際にタンパク質含量などにばらつきが出る(教科書p523)

2.ばらつきが応答や表現型にどの程度影響するのか
    要素や生物種によって異なる
    (and回路やor回路など回路特性によって変わる可能性もある)
    ex) mRNAの量が倍になると…
    ・人(哺乳類)→細胞システムが壊れる
    ・植物→倍数体になっても生き残る


3.
確率を考慮しなければならない状況
    ・対象のタンパク質の量が少ない
    ・細胞の形状が特殊(神経細胞)→位置に関する仮定が必要
    ・短時間の事象→平均化が難しい
    ・現実で分散が大きい事象

4.現実の細胞におけるばらつきのメリット
    単細胞生物:同じ要因で多数の細胞が死滅する可能性を小さくする
    多細胞生物:発生の際などに構造を作り始める目印になる

5.結論
現実の生物には分散の大きい事象が含まれており、正確なシミュレーションのためには、確率的な要素を考慮しなければならないケースが多いと考えられる。

2020年10月6日火曜日

細胞の分子生物学 8章 細胞の研究法 第4-5節

担当:小林駿平
参加者:6名

【議論点】
変位の優性・劣性は生物内でどのようにして決定されているのか

1.優性劣性はなぜ存在するのか
 発現のしやすさなどが原因で、偶然優劣が存在しているのではないか

2.機能獲得変位がほとんど優性なのはなぜか
 重要な機能を喪失すると生死に関わり、遺伝子が残りにくいため、
 機能喪失が劣勢になっているのではないか

3. 優性劣性が存在しないとどうなってしまうのか

50:50の場合
・多様性が大きくなる
・生命にかかわるようなミューテーションが50%
 →半分しか生き残ることができない(エリートのみ生き残る)

100:0の場合
・種の多様性がなくなる

4.優性劣性が決定されるタイミング
・親から子に遺伝子を受け継ぐとき
 →2つのうち一つが渡される

・遺伝子発現するとき
例:遺伝子型AO(血液型A)の人
(1)Aしか発現しない場合
片方だけ発現させる方法は?
   →Oの発現を阻害する機能をAが持っているのではないか
(2)A,Oともに発現するが、表現型はA
片方だけ表現する方法は?
 →発現スピードを速くし、片方のみ大量に生産する

5.結論
変位の優性・劣性には遺伝子の発現量が関わっており、発現量が多いと優性、少ないと劣性になるとかんがえられる

2020年9月8日火曜日

細胞の分子生物学 8章 細胞の研究法 第1-3節 h.kondo

 担当:近藤輝

参加者:5名

議論点

培養した細胞が変異した際の環境を再現すれば、元となった生物も同様の変異を起こすのか

論点

培養細胞で起きた変異と全く同じ変異は生体内で起きるのか?

またその変異は保存されるのか?

➢ 培養する環境と生体内の環境はどのように異なるのか?

培養細胞とは、組織から単離をした細胞と定義した。

教科書に基づく事実

培養細胞のほうが生体内の環境に比べて均一性が高い。また、齧歯類細胞は、培養中に遺伝的な変異が起こり不死化細胞ができることがある。

培養細胞と生体細胞の環境の違い

それぞれの細胞がおかれている環境の違いについて3つの点から考察した。1つ目は、様々な細胞との相互作用の有無である。生体内の細胞では、周りに様々な種類の細胞が存在するため、他の細胞と相互作用がある。一方で、培養細胞では周りに同じ種類の細胞しかないため相互作用はないと考えた。細胞同士の相互作用によって校正機能が働くため、培養細胞と生体細胞では変異が同じように保存されないと考えた。

2つ目は免疫機関についてである。生体内では免疫機関は存在するが、培養環境では存在しない。そのため、培養環境では増殖ができた細胞でも、免疫機関により保存されない可能性があると考えた。

3つ目はエネルギーの供給についてである。培養環境ではエネルギーは無尽蔵にあると考えるとができるが、生体内では無尽蔵にエネルギーは供給されない。そのため、培養細胞と同様に変異した細胞は増殖しないと考えた。

結論

生体内では、培養細胞と同様の変異が起きても、保存されない。

2020年7月28日火曜日

細胞の分子生物学 7章 遺伝子発現の調節 第6-7節

担当:髙橋宏

参加者:6名

[議論点]
RNA干渉を行う非翻訳低分子RNAは1種類でも同様の機能を実現できるか

1.3種類の非翻訳低分子RNAの特徴
・マイクロRNA(miRNA)...標的RNAを切断して分解
・低分子干渉RNA(siRNA)...一本鎖のRNAを作って結合することで阻害
・piwi相互作用RNA(piRNA)...生殖系列で特異的に作られる
    転移因子の移動を阻止する
    他2つより長く、Piwiと複合体を形成する(他はArgonaute)
    本来、正常なmRNAを破壊してしまうが、そうはならない
   →piRNAの構造や製造場所が関係しているかも


2.それぞれの相違点と共通点
相違点
・miRNAは転写の抑制を行わない
・siRNAはRNA干渉を子孫細胞でも続けられる
・piRNAだけ生殖系列で作られる
・piRNAはターゲットを絞っている
・piRNAは最初一本鎖RNA
・ポリメラーゼ3で転写(piRNA)

共通点
・siRNAとpiRNAは、完全なトランスポゾン遺伝子を転写レベルで抑制し、それが作り出したRNAをすべて破壊
・RNA-RNA塩基対形成によって標的分子を見つけ、遺伝子発現を低減
・ポリメラーゼ2で転写(miRNA、siRNA)

3.なぜ1種類ではいけないのか
・3つの役割が違う
  →1つに統合したら危険
・piRNAのみが1本鎖で始まるため、敵味方の識別が難しい
    ↑
  2本鎖RNAを標的にすればいいわけではないから

4.どうすれば実現できるか
・安全な配列と危険な配列を区別
→危険な配列と安全な配列を識別して固定してしまうと変異が行われなくなったり、危険性が高まる

結論:
piRNAのみが1本鎖で始まるため、敵味方の識別が難しく、1種類での運用は難しい

2020年7月14日火曜日

細胞の分子生物学 7章 遺伝子発現の調節 第4-5節

担当:高橋和
参加者:6名

[議論点]
なぜゲノム刷り込みは染色体全体ではなく遺伝子ごとに目印をつけるのか

1. ゲノム刷り込みについて
    ・ゲノム刷り込みはDNAのメチル化によって起こる(p407)

        今回,以下の2点について考慮した.
        ・遺伝子ごとに印をつける(発現する/しない)
        ・染色体の一部に印をつける(認識するためだけ)

2. 遺伝子ごとに印をつける場合
    メリット
        印をつけたものがわかりやすい
        発現するものがわかりやすい
    デメリット
        コストがかかる

3. 染色体単位で処理する
    メリット
        印のコストがあまりかからない
    デメリット
        印のあるところまで検索するのが面倒
        父方母方由来かどうかはわかるが,それが発現と直結するかはわからない

4. 刷り込みが何ゆえに存在するのか
    刷り込み現象は有胎盤哺乳類に限られる
        →刷り込みがあることによる多様性
    大きな子孫を残したい雄と大きな胎児を宿したくない雌
        →効率と生存確率の対立

結論:
雄と雌の利害関係が一致しないため,遺伝子ごとのゲノム刷り込みとなったと考えられる

2020年7月7日火曜日

細胞の分子生物学 7章 遺伝子発現の調節 第1-3節

担当:高沢
参加者:6名

[議論点]
転写調節因子の単量体が識別する塩基対はなぜ極端に抑えられているのか

1. 転写調節因子について
・6~8塩基対を識別(p375)
・完全一致でなくても結合する(p375)
・二量体になることで偶発的な適合が遥かに少なくなる(p378)

2. 認識配列長が短いことによるメリット
・短いことで参照が速くなる
・短い方が相手の形(DNA構造)の自由度が高く結合しやすい

3. 認識配列長が短いことによるデメリット
・結合の親和性や特異性が低くなる
・複数種類の単量体を作るために遺伝子数が増える
・シス配列の種類を増やすのが大変

4. 単量体の認識配列長を長くすることの問題点
・DNAの構造によっては結合しにくい
・単量体の分子量が大きくなり、合成に必要なエネルギーが増える
・多量体を複数種類作った方が認識の柔軟性が増す
 →シス配列の種類が多く組み合わせの方が効率が良い

結論:
シス配列の種類が多いため、それに適合する大きい単量体を複数用意するよりも、小さい単量体を組み合わせたほうが効率が良いと考えられる。また、シンプルな(短い)認識配列の組み合わせによって環境の変化にも柔軟に対応できる可能性がある。


2020年6月30日火曜日

細胞の分子生物学 6章(後半) DNAゲノム情報の読み取りーDNAからタンパク質へ

担当:小林駿平
参加者:6名

【議論点】
tRNAの遺伝子数がアンチコドンに対して多いことによるメリットは何か

1.ヒトとバクテリアのtRNA遺伝子数とアンチコドン数
ヒト
・アンチコドン : 48種類
・tRNA : およそ500個
 →10倍近い差が存在する
  →同じアンチコドンを持つが、配列の異なるtRNA遺伝子が複数存在する。

バクテリア
・tRNA : 31種類
 →ヒトに比べて少ない 
  →複数のtRNA遺伝子を持つだけの能力がないのかもしれない

2. tRNAの役割
tRNA分子はmRNAのコドンとアミノ酸を結びつける。分子の片側ではアンチコドンによりコドンと相補的な塩基対を形成する。もう一方の側ではアミノアシル合成酵素によりアミノ酸と共有結合を形成する。

3.結論
以下のようなメリット、デメリットがあげられる
【メリット】
・tRNA数には限界があるので、tRNA遺伝子数が多いほどより多くのアミノ酸を結合させることができる
・1部tRNA遺伝子に不具合が生じても同じアンチコドンを持つ他の遺伝子で維持できる
【デメリット】
・tRNAの構造が多様になるため、tRNA合成酵素がtRNAが正しく識別するのが難しくなる