担当:天満
参加者:7名
概要:
[4節. ホメオティック遺伝子と前後軸のパターン形成]
ホメオティック遺伝子:組織の前後軸や体節制を決定づける遺伝子。脚や目、触覚などの適切な数と配置について決定的役割を持つ。
・複雑な動物の成体も幾つかの基本構造単位の反復でできている。
・どの体節も遺伝子発現様式の繰り返しだが、ホメオティック遺伝子の発現が異なっているため、異なる性質が現れる。
・Hoxコードは前後の違いを特定し、Hox複合体は位置情報の永続的な記録を持つ。
・ショウジョウバエのゲノムでは1つの始原Hox複合体から別れた2つの遺伝子群があり、哺乳類では4つのHox複合体がある。
[5節. 器官形成と付属器官のパターン形成]
昆虫の幼虫などの体節は、反復構造単位によってでき、ホメオティック遺伝子によって各体節の特徴が与えられる。下位構造は少数の基本設計の変形で与えられる。
・条件変異と誘導体細胞変異により、発生後期の遺伝子の機能が解析できる。
・成虫のハエの体の部分は、成虫原基(幼虫の各体節に存在する明らかに分化していない細胞群)から発生する。
・成虫原基細胞の位置情報の記憶にホメオティック遺伝子が必須である
・特定の調節遺伝子が付属器官を作る細胞を決める
・脊椎動物の肢も似た機構で形成される
[6節. 細胞移動と脊椎動物の体形成]
動物の細胞には運動性があり、発生時に胚の中で動きまわる。
いろいろな状態で規則的に配置された細胞は、移動し、正しい場所へ再配置される。
・両生類の胚の極性は卵の極性によって決まる。
・卵割により多数の細胞になる
・細胞接着分子のパターンの変化で細胞の位置が変わる
・脊索の伸長と神経板の丸まりによる神経管の形成
・脊椎動物の体の左右非対称性は初期胚の分子の非対称性に由来する
議題:
現在ある発生のメカニズムの誕生は必然的か偶然的か?
■そもそも発生メカニズムとは?
卵に精子が結合し胚ができ、胚内に濃度勾配ができ分化していく
次いで分化した細胞が移動し再構成をし体ができていく
■可能な"動き"
・人間なら目で見て進路方向を決められる
・目を使わない場合、手で触れながら進むなど
→DNAなどを辿りながら移動?
・"拡散"という手段を使えば"動く"ことができるが、バラバラになってしまう
→"側方抑制"によって方向を制御
考察:
発生メカニズムのどの段階を取り出すなど、切り口はいろいろあるかもしれないが、卵と精子(あるいはそれに準じるもの)によって胚ができるということを前提とし、そこからの発生を考えるのであれば濃度勾配や、側方抑制などを用いて動きを与えるという手段はおそらく外すことができない。したがって、現在の多くの生命の発生メカニズムは必然的な産物と言えるのではないだろうか。
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