2013年10月8日火曜日

HMGセミナー 第18章:個人を対象とした遺伝学的検査(前半)


担当:寺嶋
参加者:8名
教科書:ヒトの分子遺伝学

節の概要:
<18.1節>試料として選べるものの候補
<18.2節>遺伝学的検査の方法
<18.3節>既知の塩基配列変化の探索

議論点:
「エピゲノム(ゲノムのメチル化の状態)を個人レベルで検査するのは一般に普及するだろうか」

メチル化の状態が原因となる疾患も存在する
 -教科書の方法は少量しかできなさそうだが、大量に解析する方法は無いのだろうか
  -パックバイオ
   -1分子シークエンサー
   -精度が悪いので何回も読む必要がある
    -短くても良いから正確に読めるシークエンサーの登場が期待される
  -メチル化のアレイ
  -イルミナのDNAメチル化解析
  -測定時間の長さで修飾状態を見る
   -2回読む必要がある
   -修飾状態の種類が増えると大変そう
  -バイサルファイト法
   -メチル化された部分だけ塩基を変える方法
  -水素濃度により塩基を判定する方法を発展させるというのはどうか

一般の人に受け入れられやすい要素とは
 -相(両親のどちらから機能する遺伝子を受け継いだか)が分かる
  -2セットのうちどちらを使っているのかが分かるようになる
 -メチル化情報を変える(スイッチのオンオフのように)
  -トランスクリプトームの代用
  -実用例:ダイエット等
 -全て調べようと思うと体中の細胞が必要
  -1回の検索では厳しい
   -血液で精度を高めればいいのでは
    -メタボロームの方が有力そう
    -細菌とかの場合は分かるほどいる状況だと手遅れ
    -ガンとかなら分かるかも

5年後、10年後には…
 -解析の価格が下がっている可能性もある
 -RNAとDNAを組み合わせた検査方法とか非侵襲性の技術との組み合わせ

その他の議論点:
<遺伝学的検査の検査方法>
・RNAとDNAを組み合わせた検査方法はできないか
・1つの手法で複数の状況へ対応できないだろうか
<遺伝子診断>
・DNA検査が簡便にできるようになった場合、どのような問題が起こりうるだろうか
・現在の遺伝子診断はどの程度の信頼性なのか
<既知の塩基配列変化>
・表18.5に示される配列多様体が少ない疾患は変異の種類以外に共通点はないのだろうか
・ゲノムの変異の影響をどのようにして見積もるのか

まとめ:
メチル化の大量解析技術に始まり、価格さえ安くなれば10年後には他の技術と共に一般的に検査が存在していそうである、という結論に至りました。