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2018年1月30日火曜日

Nature Podcast (2016/05/05) Hungry minds

担当:栗本
参加者:7名

[概要]
 ヒトは他の類人猿と比較して、比較的大きな脳と珍しい生活史を持っている。今回、ヒト系統は長寿や脳の大きさを犠牲にすることなく、代謝の促進という進化をしているのではないかと仮定し、ヒト、チンパンジー、ボノボ、ゴリラ、オランウータンにおけるエネルギー消費(TEE)の値を計測した。結果として、ヒトは他の哺乳類に比べてTEEが多く、エネルギー配分と代謝率の増加はヒトにおいて極めて重要な進化であったと考えられる。

[議論点]
 脳は今の状態が最適か?
  →そうでない場合、どこが変化するのか?

脳の大きさとエネルギー消費の関係
ヒト      大きさ:中、エネルギー:大
チンパンジー  大きさ:中、エネルギー:中
オランウータン 大きさ:中、エネルギー:小
ゴリラ     大きさ:大、エネルギー:中
→ ヒト系統の中ではヒトがエネルギー消費率最大


エネルギー消費率が上がると、頭をもっと使えるのでは?
(普段から使っていれば、エネルギー消費率と関係なく使えるのでは?)
その変わり早く死ぬ可能性があるかも?

[まとめ]
 現状が最適かどうかは、今回のように現状を他の霊長類などと比べることも重要だと考えられるが、長い年月でヒトの進化の歴史を見たときに、今でもどんどんエネルギー消費率が上がっているのか、もう一定となっているのか、逆にエネルギー消費率が下がっているのかを調べた結果があるとはっきりするのではないかと考えられる。

2017年11月14日火曜日

Nature Podcast(2016/3/31) Rising tides


担当:栗本
参加者:7名

[概要]
 ここ数百年、南極・北極の大気温はわずかに上昇しているだけであるが、世界の海の平均海面は6~9m高くなっている。主な原因は南極の氷床である。今回、氷床と気候変動を組み合わせたモデルを作成し、このまま温室効果ガスを排出し続けた場合にどれだけ海面が上昇するのか計算した。


[議論点]
 モデルとは何か

<モデルと似た単語>
 ・仮説(hypothesis) --- 定性的、定量的
 ・予測(predict) --- 定性的
 ・定理(theorem) --- 定性的
 ・予測器(predictor) --- 定量的
 ・関数(function) --- 定量的
 ・可視化(visualization) --- 定量的
 ・法則(law) --- 定性的

モデルとは...
「分かりにくい(人間が理解できていない)現象を分かりやすくする。
 それによって、分からないことが分かるようになる。」

分からないこと:未来、現象の要因など。


[まとめ]
 モデルと似た意味の単語は思っていたよりも多くあったが、どれも少しずつニュアンスが違うと感じた。普段、機械学習という単語をよく聞いていると、モデルという単語に予測器という側面を感じがちな気がした。


2017年10月11日水曜日

Nature Podcast(2016/02/25) Lab today, clinic tomorrow?

担当:栗本
参加者:8人

[概要]
 昨今、ゲノム編集技術の進歩が著しいが、技術的な進歩に比べて、法的・倫理的な問題や科学者以外の意見が反映されていない現状がある。これからのゲノム編集技術の可否について議論が行われている中、その影響を1番最初に受ける障害のある人の意見が反映されていない現状がある。

[議論点]
(ヒトにおける)遺伝子操作のメリット・デメリット

<メリット>
・欲しい能力(外見)が手に入る可能性があがる
・障害を治療できる
・障害を持って生まれる子が減る
・治療費の軽減
・生物(生命)の理論が深まる

<デメリット>
・遺伝子操作をしていない子の環境が悪化する
・宗教的に受け入れられない人たちもいる
・多様性がなくなる
・お金がかかる(貧富の差、国の差が出る)
・安全性(ゲノムデータの保管・手術のリスク・与える影響が不明)
・遺伝子操作を行うこと自体へのリスク
・法制度、社会全体の理解を得られるか
・未来を予測して操作することはそもそも不可能なのではないか

[まとめ]
最後に大林先生が仰っていた、種全体と個人の利益の相反が、ゲノム編集が広まると問題になってくるのではないかと感じた。自分の子供にゲノム編集をした胚を使いたいと言っている人も少なからずいたが、全員がゲノム編集をする世界になったら、どのような個性が求められるのだろうか。

2016年7月5日火曜日

[火曜討論会2016] Nature Podcast(2015/10/01) 25 years of human genomes

担当:佐藤(広)
参加者:8名


音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2015-10-01.html


元論文:
A global reference for human genetic variation
http://www.nature.com/nature/journal/v526/n7571/full/nature15393.html


概要:
ヒトゲノム計画が発足してからのゲノム解読の25年間を振り返った.
1000人ゲノム計画が最終段階を迎えた今, 次のステップとして, 更なる大規模な計画やゲノムと臨床をリンクさせた個別化医療などが期待される.


議題:
ゲノム利用による個別化医療や病気の予防が進むと人間の寿命や主な死因に変化は現れるか
■ ゲノム利用の定義
ゲノムを読むだけに限定 (ゲノム編集等は考えない)

■ ゲノムを読むタイミング
① 出生前 → 出生前診断等
② 出生後
③ 病気になった後 → スティーブ・ジョブズ

■ 寿命の変化について
・ 最大寿命 → 変化無し?
・ 平均寿命 → ①, ②のケースでは伸びそう

■ 死因の変化について
・ (避けられない病気に悲観して) 自殺が増えるかも
・ 死因ランキングの上位 → ガン, 心疾患, 脳血管疾患

■ ゲノムを知ると何ができるのか
・ ゲノムで病気のリスクとなりそうな行動を知る
・ ゲノムを頻繁に読む → ガン対策 → 家庭用シーケンサー?
・ 副作用予測
・ 原因をはっきりさせる (ゲノム or 生活習慣)

まとめ:
 ゲノムを知るだけでは人間の寿命や主な死因に影響を与えるのは思ったより難しそうだ

2016年5月27日金曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/9/3) The weather revolution

担当:佐藤(広)

参加者:10名


音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2015-09-03.html


元論文:
The quiet revolution of numerical weather prediction
http://www.nature.com/nature/journal/v525/n7567/full/nature14956.html


概要:
数値予報はデータ同化, アンサンブル予報などの技術的・科学的進歩により精度を向上させた. しかし, ムーアの法則の終焉などにより, 現在と同等の向上速度を維持するにはかなりの難問が生じることが予測される.


議題:
脳のシミュレーションに必要なもの

■知能をどう再現するか
・ 自己学習とは?
 → 自身を再コードする仕組みは不可欠
 → 身体の再現性も学習に寄与
・ 能動性, 汎用性の確保
・ (シミュレーションされた)脳における報酬とは?
 → 一個人に似せることを目標にする

■計算リソースがあればいい?
 → ハードウェア側の革新
  → メモリスタ等

■脳に対する入力とは?
 → 五感 
  → ニューロンの発火

まとめ:
 脳のシミュレーションに必要な道具は揃ってきているような気がする. ただし, 一番重要である脳の仕組みについてはまだ分からないことが多い.

2016年2月24日水曜日

[火曜討論会2015] NaturePodcast (2015/8/27) The birth of science

担当:佐藤(M1)
参加者:8名

概要:
仮説を立て予測し実験をして立証するような現代科学の手法はいつ確立されたのか。1570年台の超新星出現に発するより慎重で正確な測定をするという流れや、1600年に出版した本で現代の実験手法の基礎を築いたウィリアム・ギルバートの存在から、この年代こそ現代科学の手法が形作られた時期だと言える。


議論点:
失敗した研究は科学の発展に寄与しないか

◯研究における"失敗"とは?
 ・期待通りの結果出ないこと
 ・手法のミスマッチによるもの
 ・根底的なミスによるもの
 ・”失敗”にも程度(良し悪し)がある
   ⇒ ”成功”、”失敗”の定量的評価
 ↓
たとえ”失敗”でも有益な情報はある
  ex)ある手法がある問題に不敵であるという情報
    ⇒ ということは、”失敗”は無益ではなさそう
    ⇒ ”失敗”は経験として後の役に立つが、経験として蓄積されなければ意味が無い

”失敗”はあまり論文に書かれない傾向がある?
 ↓
◯なぜ”失敗”は公開されにくいのか
 ・”失敗”をまとめるようなサービス/枠組みの不在
 ・”失敗”の仕方は数多ある
   ⇒ まとめるのが面倒、”失敗”の条件記述が難しい
     ”成功”に対して”失敗”の割合が多いほど”失敗”の網羅は困難になる
 ↓
◯”失敗”をどうやったら公開してもらえるか
 ・機械的にまとめてくれるようなサービス/枠組み
 ・条件を減らす 
   ⇒ 実験系などの機械化 より差異の出にくい環境作り
 

2016年2月19日金曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/8/6) Ancient reproduction

担当:安澤
参加者:10人

概要

後期エディアカラ紀に生息していたRangeomorpha分岐群は自己相似的な分枝と固着底生性を特徴とする。RangeomorphのFractofususは走根状の無性生殖と繁殖体による分散という2種類の繁殖モードを備えていた事が判った。

議論点

生物が増えることに特化するとどうなるか

○特化の方向性
  • 早く増えるようになる
    • シンプルな生き物になる
      • 省エネ化
      • 体を小さくする
    • 一世代を短くする
    • 子供の数を増やす
  • 多様な環境で増えられるようになる
    • 他の強い生き物に媚びる
◯ウィルスが最強?
シンプルかつ細胞に寄生できる
ウィルス > 微生物 > 植物 > 動物
イメージ
○どうなるか
他の生き物がいなくなる?(でも実際はウィルス一強ではない)

まとめ

環境に対する影響まで話が進まなかったが、増殖速度と環境適応度という尺度評価は面白いかもしれない。

2016年2月16日火曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/8/20) Sideways genes

担当:小舘
参加者:9名

音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2015-08-20.html

元論文:
Ku, Chuan, et al.
"Endosymbiotic origin and differential loss of eukaryotic genes."
Nature 524.7566 (2015): 427-432.
http://dx.doi.org/10.1038/nature14963

概要:
 真核生物遺伝子のクラスタリングと系統発生解析で、細胞内共生説と遺伝子水平伝播説を検討。
バクテリアからの遺伝子伝播は偶発的であること、その後の継承は垂直であること、水平伝播は起こることもあるが長期的な進化には寄与しないことを示す。

議題:
データベースの情報を使うことのメリットとデメリット

→ 今回の論文は実験は行わず、DB解析によって知見を得ている。
 自ら実験を行わないということの影響は?


●肯定的見解
・(今のところ)データが増えるほど解析精度が上がる、という状況もある
・メタ解析によって手法の可否などを問題解決
・実験は実績を求めてしまうので、DBを使えば公平性?

●否定的見解
・データの信用度はどうか
・[データ→解析]という1つの論文の、[データ]から更に解析
 →条件が不明なときは不都合(GWASは構造が大事)

↓
●よいDBとは
・実験の条件を網羅しておく
 - フレーム問題は?
 - 個人情報の問題(ヒトの場合)
 - → 将来、自動実験が実現したら網羅はできるかも


●その他の話題
・「データとったよ」論文 / 「データ解析したよ」論文
 - 一本ならばストーリーはシンプル。インパクトも?
 - 別々に論文化することで査読をラクに
・データに価値か、知見に価値か
 → アトラス的なものならばデータ自体に価値


●まとめ
 DBをいじりまわす側としては念頭に置いておくべき話題かもしれない。


2016年1月27日水曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/7/30) Muscle cell mechanics

担当者:池野
参加者:10名

元論文:

Mitochondrial reticulum for cellular energy distribution in muscle
Brian Glancy, Lisa M. Hartnell, Daniela Malide, Zu-Xi Yu, Christian A. Combs, Patricia S. Connelly, Sriram Subramaniam & Robert S. Balaban
Published online 29 July 2015

要約:
細胞内でのエネルギーの配給は多くの関心を集めている。今回、骨格筋において、ミトコンドリアの網状質がプロトン駆動力という形でエネルギー配給の伝導路としての役割を果たしていることを証明、これがエネルギー配給の主経路であると提案する。

議論点:ミトコンドリアが進化に与えてきた影響

・ミトコンドリアが細胞に取り込まれた時期は?
予想:30億年ほど前。酸素が地球上に増えた時期?

・ミトコンドリアの祖先:αプロテオバクテリア
 ・光合成する
 ・好気性
 ・自らは酸素を生み出さない

・ミトコンドリアを取り込むことで何が変わったか?
 ・酸素呼吸が可能になった
 ・筋細胞内でのエネルギー拡散が可能になった
 ・脂質の合成が可能になった?

 ・(恐らく)真核細胞はミトコンドリアを必ず持っていて、原核で持っている生物はいない
  ・ミトコンドリアは真核細胞への進化を促進したか、または真核細胞に必須な機能を提供した可能性がある
 
 ・酸素を扱うのであれば、活性酸素の処理機構が必須
  ・ミトコンドリアを取り込むことによって活性酸素の処理機構の発達が強制された可能性
  ・活性酸素の影響を抑えるために細胞内での区画化が促進された可能性


まとめ:
議論を通じて、細胞はミトコンドリアを取り込むことによって酸素を扱えるようになり、現在の真核細胞の機構を決定づける要因となったのではないかという仮説が立てられた。


2016年1月19日火曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/7/23) RNArchitecture

担当:小舘
参加者:10名

音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2015-07-23.html

元記事:
http://www.nature.com/news/a-cellular-puzzle-the-weird-and-wonderful-architecture-of-rna-1.18014

概要:
 RNAはDNAとタンパク質との間で情報を伝達するためのものとされるが、それだけではない。生細胞内のRNA構造は多様であり、それが疾患に結び付く例もある。

議題:
RNAとタンパク質の住み分け・使い分け

→RNAもタンパク質も構造をとり機能を果たすようである。その違いは?


●RNAの必要性
→転写量の調節
 DNAから直接タンパク質をつくるのではなく、RNAを介することで
 生成の効率や調節に融通がきく。

●[DNA→RNA→タンパク質] という流れで…
ここでのRNAはmRNA。
これ以外に、mRNAの分解を促進するなどのncRNAがある。

●RNA/タンパク質でできること
・RNA:4文字 塩基、リン酸、糖 ←おおよそ親水性
・タンパク質:20文字 アミノ酸 ←疎水性・親水性

→RNAでどこまでできる?
・親水性だけでは厳しそう
・結合や構造の多様性はあまりない?
・リボザイム(酵素として働くRNA)の例もある


●まとめ
 RNAワールドなどの話題には立ち入れなかったが、RNAの構造/機能という観点は今後の研究も含めて面白そう。

2016年1月13日水曜日

[火曜討論会2016] Nature Podcast(2015/7/16) Brain drain

担当:佐藤
参加者:8名

論文要約:
外傷性脳損傷(IBT)は慢性外傷性脳症やアルツハイマー病の環境リスク要因として最もよく知られ、疾患の特徴はリン酸化タウタンパク質の蓄積を主病変とするタウオパチーである。今回我々はTBI後の疾患の早期ドライバーとなるシス型リン酸化タウを発見し、対応する治療法を提案する。
http://www.nature.com/nature/journal/v523/n7561/full/nature14658.html

議論点:脳への衝撃に関して定量的な基準を定めることはできるか

知りたいこと「Aの量の衝撃でBの量のシス型リン酸化タウが増える」
これがわかれば定量化できそう。

Aの量の測り方:
 ・TBIを発症するのに必要な衝撃を基準にする
 ・外部で原因となったエネルギー量を用いる
 ・経験歴の長さを用いる
 ・頭の加速度を測定する
   ⇒ヘルメットやヘッドバンドに加速度計を取り付ける
   ⇒頭の内部にだけ影響のあるような衝撃を測れない?
 ・脳内部の血流を測る
   ⇒侵襲型で大変そう
 ・頭蓋骨の骨伝導とかから図る方法
 Aについてはなんとか図れそう

Bの量の測り方:
 ・PET
   ⇒大掛かりな機械が必要で気軽には測れない
 どのタイミングで測るかなど、大変

まとめ:
脳への衝撃はなんとかして図れそうであるので、問題なのはシス型リン酸化タウの測定
スポーツ選手など、TBIのリスクがある人などを対象に研究が行われたりしないだろうか
命に関わる疾患なので「あなたの脳への衝撃は危険域にありますよ」というような診断が出せるような枠組みができたら良さそう

2015年12月31日木曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/7/9) Banishing HIV

担当:安澤
参加者:10人

概要

HIVのような(少なくとも小スケールでは)対策が確立された病気が、未だに猛威をふるっているのは何故だろうか。一つ言えるのは、実験環境で仮定する理想的な環境は、現実には当てはまらないということである。科学者は実地での適応についてより考えるべきではなかろうか。

議論点

人類にとって最も脅威となりうるウイルスの特徴

○脅威度は何で決まるか
  • 感染力
    • 強ければ空気感染で広がる
  • 致死率
    • 高すぎると逆に広まらない(エボラ出血熱等)
  • 治療の難度
    • ウィルスの多様性(変異しやすさ)
  • 潜伏(検出の難しさ)
 ○間接的に影響を与える
  • ウィルスの媒介生物
  • ヒトの生活に関わる生物に感染するウィルス
    • 栽培植物など多様性が低いと単一の疾患にやられる可能性も

○対策
  • 検出→隔離→治療・予防
    • ゲノムを読む→検出・感染経路の特定
  • 接触をできるだけ避ける
    • 非接触型の医療技術
      • 在宅治療
      • 遠隔手術
  • 完治したか(感染の恐れがないか)の検出法の確立

まとめ

家にいながら検査や治療ができれば、接触を減らすことができ感染症対策にもかなり有利なのではないだろうか。今後の発展に期待。

2015年12月8日火曜日

Nature podcast(2015/6/11) Antarctic biodiversity

担当:池野
参加者:10名

元論文:

The changing form of Antarctic biodiversity
Steven L. Chown , Andrew Clarke, Ceridwen I. Fraser , S. Craig Cary , Katherine L. Moon1 & Melodie A. McGeoch1

概要:
南極や南大洋の生態系は考えられていたよりずっと多様である。多様性に大きく影響する要因として、エネルギー獲得や長期間にわたるレフュジアが考えられている。人間の活動や全球的な気候の変化は南極の生態系の理解を妨げてしまっているため、国際的な協定によって南極の一部地域を保護する動きも進んでいる。

論題:
多様性を保てる環境保護の基準

■多様性とは?
・生物種の多さ
 ・どれくらい離れた種が共生しているか
・種間のバランスが取れている
・生き方の違いの多さ

■多様性の違う環境の例
多様性大きい:熱帯林
多様性小さい:極地、砂漠

■人間の利益と保護のトレードオフ
・人間の利益>保護の例
 ・森林破壊、温暖化、埋立地、乱獲、外来種

■環境保護の案
・絶滅しそうな生物種の保護
 ・生態系のバランス崩壊の可能性は残ったまま
・現状維持するよう手を加える
 ・人間の与えた影響に対して
 ・それ以外の与えた影響に対して
  ・そもそも、人間が影響を把握しきれていない
・人間が全く関与しない
 ・人間の利益は無し


まとめ:
一概に基準を定めることは難しく、個々の環境にあわせた基準が必要とされる
影響を人間が把握しきれておらず、影響ベースでの基準の策定が難しい。


2015年12月2日水曜日

Nature Podcast(2015/6/11) Bronze Age genomes

担当:小舘
参加者:10名

音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2015-06-11.html

元論文:
Population genomics of Bronze Age Eurasia
Morten E. Allentoft et al.
Nature 522, 167–172 (11 June 2015) doi:10.1038/nature14507
Received 14 February 2015 Accepted 01 May 2015 Published online 10 June 2015
http://dx.doi.org/10.1038/nature14507

概要:
ユーラシア各地の古代人101人のゲノム解析。青銅器時代には、現在のアジア及びヨーロッパの人口構造形成の原因となる大規模な集団移動があった。印欧語族拡散の仮説と一致。また淡色皮膚は既に高頻度で存在したが、ラクトース耐性は稀だった。


議題:
民族間で違いがでるもの、他の哺乳類と違うもの

●乳糖耐性
大人では本来必要なくなるため、耐性を持たない(5歳ころまで)
しかし:ヨーロッパ人は大人でも耐性を持ち続ける

・SNP頻度:日本0%, アフリカ0%
→ヨーロッパ起源でそこでのみ広まった?

・[牛, ヤギ]乳と生存 ←進化圧?
 ↓
・乳製品の起源:
 - 飲料としての乳:B.C. 9000頃 中東
 - 最古のチーズ:B.C. 5500頃 ポーランド
 (脂質のみで乳糖は関係ナシ、ただし酪農文化は重要かも)
 - 乳を飲む文化:エジプトから

・これまでの研究:B.C. 5500頃耐性獲得
 今回の研究:青銅器時代(B.C. 3000-1000)でも稀
→急速に拡散?

・飲めなくなるのは容易(どこかが壊れれば良い)
 飲めるようになる変異はレア?


●まとめ
 乳糖耐性ひとつ取っても分からないことが多く、謎が深まった。


2015年11月26日木曜日

[火曜討論会2015] ​Nature Podcast(2015/5/28) Talking temperature (M1 佐藤)

担当:佐藤(壮)
参加者:9名

概要:
2018年に承認される予定の”新しいSIの定義”について、その中でもK(ケルビン)の話題である。改訂の理由には常に一定である基礎物理定数に基づく定義という目標が挙げられる。これによりケルビンは水の三重点による定義から、ボルツマン定数に関連し、秒、メートル、キログラムの定義に依存するものに変更される。

議論点: 人間の感覚に近い単位について

○具体例
 ・古代エジプト
   ある人物の体の部位の長さ
 ・イギリス
   1ヤード(初期)=人の1歩の長さ
 ・セルシウス度
   (初期)水の融点と沸点
 ・その他の具体例
   東京ドーム○○個分の〜
   成人男性何人分の〜
   レモン◯◯個分のビタミンC

◯人間が理解できる限度(大きさ)とは?
 ・東京ドームはわかりにくい → なぜわかりにくい?なぜよく使われる?
 ・塩ひとつまみとかはわかりやすい → 身近、経験があるとわかる?
    → 見た目でわかるもの 容積はわかるけど、重さは理解し難い

 基準となるもの × 1桁 くらいが認識の限度
  例 駅まで1往復の距離   ◯
    駅まで100往復の距離   ✕ 
 基準となるものから離れすぎるとだめ → 大きさに適当な基準となるものが必要
 大きさを理解するのは難しくなるが、非常に大きいことを表すには的確
  例 東京ドーム1000個分の広さ
    レモン1000個分のビタミンC
    しじみ100個分のオルチニン

◯より万人にわかる単位
 ・みんなが知っている = 具体的に想像できる
 ・不変なもの

 そういった意味では時間という単位は優れている?

2015年11月18日水曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/5/14) Collision course

担当:安澤
参加者:10人

概要

Bs0、B0中間子のμ粒子への崩壊頻度の測定は、標準モデル拡張の手がかりになる。LHCでの実験データを解析した結果、この崩壊を示す統計的有意な証拠を初めて観測し、その結果は標準モデルと矛盾しなかった。LHCの更なる成果に期待。

議論点

生物学における大規模実験
  • 生物学の分野で(LHCのような)大規模実験をするとしたら何ができるだろうか
○LHCの規模について
  • CERNおよび国際的な実験グループによる運用
  • スイス・フランスの国境地下に建設
  • 全周約28km (参:山手線…34.5km)
  • 建設費…約1兆円
  • 維持費…約1200億円 / 年
 (参考として京の場合)
  • 構築費…1120億円
  • 維持費…80億
○生物学で大規模実験をやるとしたら
  • 土地的・施設的な規模
    • 外界と(長時間)隔離できる環境
    • 環境を操作できる空間
  • 計算機
    • MD用などに特化したスパコン
    • 脳シミュレータ
  • その他
    • テラフォーミング 
      • 失敗した場合のリスクはあるだろうか
    • 成長の速い細胞(生物)
    • 深海探査
    •  海底・宇宙での生物実験
    • ヒトゲノムをいっぱい読む
      • 全ゲノムの場合1人あたり30万円として1兆円だと約330万人
        • 中途半端な感じが
        • 仙台市で約100万人
    • 原子生命を再現する実験

まとめ

領域としての規模、対象としての規模があるがやはり予算としての規模が効く。
1兆円という規模は感覚として掴みにくい。

2015年10月27日火曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/4/16) Unpicking the love hormone

担当:小舘
参加者:10名

音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2015-04-16.html

元論文:
Oxytocin enables maternal behaviour by balancing cortical inhibition
Bianca J. Marlin, Mariela Mitre, James A. D’amour, Moses V. Chao & Robert C. Froemke
Nature 520, 499–504 (23 April 2015)
http://www.nature.com/nature/journal/v520/n7548/full/nature14402.html

概要:
 オキシトシンの神経回路調節についてマウスで実験を行ったところ、雌の聴覚野の応答を仔の鳴き声に対して高めることで、回収行動を可能にしていることが分かった。


議題:
薬で感情を制御することはどこまで許されるのか


(まず健康面から考えてみる)
[健康面]
普段の生活で…

酒・タバコ:OK | 麻薬:ダメ
 ↓
やっていいこと | 悪いこと
 どう分けるか?

・(長期の)健康被害 →元に戻らなくなる?
・死に至る
・異常行動
・依存性
・脳へ直接影響?

→酒でも麻薬でも当てはまりそう。
 しきい値の問題?

症状に対して処方するのは良いだろう。
個人での取り扱いは?


[倫理面]
・自分で制御すべき? ←できない人もいる
・社会の発展が止まる?(一日中こもって薬づけ)
・画一化? アイデンティティの喪失?
・仕事のやる気を起こす? →洗脳に繋がる?

戦場での使用例

どこまで規制すべきか:
1.個人に委ねる(集団使用はダメ)
2.国レベルで規制する
3.個人でもダメ(2番の規制は実質無理だろう)


●まとめ
 社会レベルで影響が出そうな技術が出現したときの取り扱いは難しい。倫理面からも更に議論を深めることは有益だと思う。


2015年10月26日月曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/4/2) Exolegs

担当:佐藤(壮)
参加者:8名

概要:
進化・成長・学習により人の運動は高度に効率化されている。我々は外部動力を必要としない外骨格を開発し、歩行運動の代謝コストの低減に成功した。一見単純で、完成された様に思える歩行運動でも改善は可能で、学ぶべきことも残されている。
http://www.nature.com/nature/journal/v522/n7555/abs/nature14288.html?lang=en SS

議論点:
エネルギーを必要としないデバイスがもたらす影響

◯このようなデバイスは普及するのだろうか?
 今回の例 ーー 内蔵ブーツとかにしたら売れそう?
         意図としては老人や弱い人を想定した補助器具である

 杖、靴、手押し車の例 ーー 広く普及している補助器具

◯もたらす影響
 今回の例(Exolegs)
  ・ふくらはぎが弱くなる
  ・エネルギー消費が減る
    ー太る
    ー食事量が減る
  
 杖、靴、手押し車の例
  ・靴を履くことで人の歩行方法が変わった(かかとから着地する?)
    靴を履いた歩行方法に最適化が済んでいない?
  ・外反母趾や偏平足といった悪影響
  ・前屈姿勢になりやすくなってしまう
  ・刺激(=エネルギー消費、負荷)が減ることで筋力低下などの影響がありそう
  ・代謝が落ちる

◯良い影響はないのか
 車の例(外部エネルギーを必要としているが)
  ・生活スタイルの変化
 
 衣服の例
  ・より多様な気候への対応
  ・普及することにより違いを求めていく → ファッションなどの文化への影響

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/02/05) Protecting parched plants

担当:佐藤(壮)
参加者:8名

概要
植物のアブシジン酸による防御機構を利用し、受容体を活性化することで水分消費量や乾燥耐性を改善する事ができる。今回我々は受容体の変異が既存農薬に対して感受性を有し、農薬の新しい活用方法を提案する。
http://www.nature.com/nature/journal/v520/n7548/full/nature14123.html

議論点
植物にどこまで遺伝子操作を加えられるのか

◯植物を限界まで品種改良したら
・便利になりそうな形質を導入しまくる
 便利になりそうな形質 → おいしくなる 乾燥耐性 病害虫耐性 収量増加

◯限界はどこなのか
・異なる植物に、異なる植物の実をならせることは無理そう
・味の全く異なる作物を作る(果たして意味はあるのか)
・相反する特性を導入すること
・おいしくなる 美味しさを感じることには個人差がある
・機能が多くなると手間が逆に増えてしまう可能性
・遺伝子操作で得ることのできない形質

→分配できるエネルギー量は決まっているから、物質を作るような機能を備えてしまうと、美味しさに回すエネルギー量が減ってしまうのではないか(そのために農薬が存在する?)
→おいしさなど個人差とか主観に依存する部分をパラメーターとしてあとから自由に調整できるようにしてはどうか(美味しさに限っては料理がそれにあたるのではないか)

2015年10月19日月曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/3/19) British genetics

担当:安澤
参加者:9人

概要

集団間の微細な遺伝的差異は、歴史上で集団に起きた現象を反映したり疾患研究の障害となる可能性があり興味深い。地理的多様性の観点から注意深く選ばれた英国民2039人のSNPデータから地理特異性や、かつてあった移住の影響を評価する。

議論点

ゲノム解析から分かる歴史的事象
  •  例えば今後、文化的要因によって遺伝的差異が生じることがあれば検出できるようになるのではないか。
○遺伝的差異が生じる要因 
  • 遺伝的差異がある複数の集団が1つになる
    • 移民
    • 文化的合流
  • ある集団で特定の差異が選択される
    •  文化的(?)選択
      • 特定人種の絶滅
        • ヒト属の淘汰
        • ジェノサイド
      • 性選択
        • 容姿など
        • 繁殖様式による差異
      • 食物に関するもの
    • 環境適応
      • 肌の色
      • 目の良さ 
○文化的な遺伝的差異が選択されうるとしていずれ観察できるだろうか?
  • 集団の大きさにもよるが、よほど有利な形質でも固定に1000年はかかる


まとめ


ゲノムが過去の出来事を反映するという視点が新鮮でした。