2014年11月25日火曜日

[MBC2014] 22-1,2,3,4,5 動物の発生の基本,線虫,ショウジョウバエ,ホメオティック遺伝子,器官形成(B4 池野)

担当:池野
参加者:9名

節の概要:
基本的な動物の発生の仕組みについて詳しく書かれており、線虫やショウジョウバエの発生についても解説が行われている。

議論点:
線虫の既知のデータから、線虫やその他の動物についてわかることはないか。また、他の生物モデルをヒトにどこまで適用できるか。



線虫についてわかっていること
・全ゲノム
・発生段階の詳細
・発生の段階はどの個体でも同一である
  ⇒再現性がある。分化の仕組みなど調べやすい
   全トランスクリプトームの解析はできないだろうか?
・1000個程度の細胞の集合でも多細胞生物として機能できる


できそうなこと
・生物の基本的なルールはどの生物でも同一
 ⇒線虫やショウジョウバエでの研究成果をヒトに応用できる部分もある
  最近では、線虫の研究により嫌いな刺激に慣れる仕組みが解明された
 ⇒非対称分裂の仕組みなどの究明
・線虫の全細胞モデリングが、ヒトの全細胞モデリングに向けての第一歩となるのでは


できなさそうなこと
・当たり前ではあるがヒトと線虫やショウジョウバエでは遺伝子はかなり異なる(基本機構は一緒だとしても)
・ヒト固有のものに起因する病気や、行動など細胞単体ではない現象はヒトを研究することでしか解明できない
 ⇒逆に、細胞内で完結している現象については応用可能ではないだろうか

[MBC2014] NPC2014-06-19 "Zooming in"

from http://www.nature.com/nature/podcast/index-2014-06-19.html

担当:小澤
参加者;9名

概要:
グリーンランド人集団への量的形質マッピングにより,高ORのリスクアレルを発見

議論:
ゲノム解析が行われている集団の現状と今後

・背景
日本国内でもゲノム解析が進みつつある  例:ToMMo
今後,どの程度,集団への解析がカバーされるか

・今回のトピックに関して
*従来のGWAS
大規模 (数万~)
多数の集団が混合しており,遺伝プールが大きい
得られるORが非常に低い

*グリーンランド人集団
中規模  2,500人 (国民の約5%)
地理的・歴史的に孤立しているため,遺伝プールが小さい
今回の研究では,OR=10.3と非常に高い結果が得られた

・過去に行われているGWAS
 [概算] 1000人*1000件 → のべ1000万人程度?  uniqueを見ると,更に低い
   また,欧米集団への偏りが大きい (欧米諸国の健康への取り組みによる先行)

・ 費用の問題
  コホート研究には費用が非常にかかる
  低価格でゲノム解析 + ヘルスデータの集積,利用するビジネスモデルが重要

・同質集団への解析
 今回のように,メカニズム理解への大きな助けとなる
 しかし,創薬標的としてのインパクトに繋がるとは限らない
 (今回の場合,グリーンランド特有の変異で,グローバルには非常にレアな可能性がある)


2014年11月18日火曜日

[MBC2014] 21 有性生殖:減数分裂, 生殖細胞, 受精

担当:小舘
参加者:6名

節の概要:
有性生殖の機構とその利点について述べられている。

議論点:
ヒトクローン作製への技術的課題

倫理的問題もあるが、技術的にはどんな課題があるのか。


●今までやられたこと
・ドリー(羊) 1996
 →2003年、6歳で亡くなる
・イヌ、ネコ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ブラ、ラット、ラクダなど
体細胞由来のクローン作成に成功
 →成体に達するのは5%程度


●ヒトのクローンに向けて
上記の例でも成功率が低すぎる、失敗は許されない
作製できても寿命を全うできなければダメ。

テロメアが最初から短い?
・老化が早い?
・疾患に弱い?
→ひとつのkeyになりそうなこととして
 ★テロメア、テロメアーゼの機構解明

体細胞由来クローン:エピゲノムのリセットがされていない 難しい。
制御する要因を知りたい。
メチル化、ヒストン修飾状態のコピーなど
 ★エピゲノムのリセット機構の解明

テロメアとエピゲノムの親玉は同じ?
 作用物質 or ホルモン、タンパク質

できそうなこと
・iPS細胞:もともとある細胞由来
・未受精卵をもってくる→ここから個体にする
 リセットされている、発生に必要なタンパクや栄養がある
 ★未受精卵→受精卵の作製
 ただし、ゲノムインプリンティングの問題(オスのエピゲノム情報)はある。


●まとめ
★テロメア、テロメアーゼの機構解明
★エピゲノムのリセット機構の解明
★未受精卵→受精卵の作製
という3つの課題が今回は挙げられた。
そもそもの機構としてまだ判明していないことが多いように感じた。

2014年11月13日木曜日

2014ラボ合宿@銀山温泉、舟形

11/8, 9に合宿が行われました!
今年の行き先は銀山温泉方面。約3時間の電車・バス旅です。

が!
いきなりアクシデント発生。なんと乗り換えの駅で信号機故障のため立ち往生。
バスは待ってくれない、銀山温泉断念の危機!
空がキレイダナー

しかし見事レンタカーを 借りることに成功、なんとかなりました。

温泉街到着!

散策



おそば!

カレーパン!

きのこ。


足湯など愉しみつつ、鉱山の方も探索してきました。


このダンジョン感!

大変楽しかったです。

その後は宿泊施設のある舟形町へ。
舟形若あゆ温泉・あゆっこ村のコテージに泊まりました。

調理班奮闘中


カレー完成!

きのこ鍋もあるよ!


おいしく頂いた後は、恒例のプレゼン大会。


安澤くん。ねこかわいいです

大林さん。アプリの使用頻度・推移からの考察

池野くん。このインパクト


プレゼン大会終了後はゲームの時間。

今年は1,000ピースのジグソーパズルに挑戦!



この時はまだ誰も気が付いていなかった……
闇のゲームの火蓋が切って落とされたことに……



2時間半経過

主要部はできた。
が、お分かりいただけるだろうか。
机下部を埋め尽くす圧倒的な緑。


それでもなんとか完成。所要時間はヒミツ。
この女は魔女です。


満身創痍になりながらも二日目。
健康的な朝食

道の駅などに寄りつつ、ゆったりと帰ってきました。

一時はどうなることやらと思いましたが、みなさまのご協力で 全行程を終えることができました。
来年も何が起こるか楽しみですね!


おしまい。
文責:小舘

2014年11月11日火曜日

[MBC2014] 12-4, 12-5 がん細胞の挙動とその分子レベルでの解明, がん治療の現状と将来

担当:佐藤
参加者:9名

節の概要
4節:癌化に重要な遺伝子変異からどのようにがん細胞特有の性質が生じるのか、がんと
    関連する遺伝子の機能の特定、結腸がんをモデルにしたがん進行の例について
5節:現状のがん治療方法と今後の発展について

議論点
がんデータベースの有効利用

がんデータベース
○全国がん登録データベース
 国主導の既存の地域がん登録・院内がん登録データベースを統一した包括的DB
  がんについて:がんの種類、進行度、治療内容、発覚日、発見経緯
  個人について:姓名、性別、生年月日、居住地、医療機関名、生存確認情報
 といった情報をデータベース化する
 全ての情報が登録されるため、バイアスがないデータが得られる。
 フォーマットが統一されデータが扱いやすくなる。

○オープンながんデータベース
 ex)がん診断画像レファレンスデータベース(国立がん研究センター、データ数百件)
 アクセスが容易である。

○コミュニティサイドのデータベース
 ex)Patients like me:患者によるヘルスコミュニティー
 国を超えたデータベースフォーマットの統一ができる。
 アクセスが容易である。


データベースからわかりそうなこと
◇発見経緯からあるがんに有効な発見方法がわかるかもしれない
◇地域と特定のがんとの相関性が見えてくるかもしれない(環境要因の特定につながる)
◇がん細胞の変異情報からがんの状態を記述できる
◇がんに対する有効な治療法の判別(治療法別の生存率、有効度判定など)
  →無駄な治療や医療費の削減につながる
◇新規治療法の発見(偶然から治療法が確立される可能性)
◇医療機関や医師ごとの生存率がわかる
  →講習会や誤った治療が行われてないかなどのチェックの基準になる


まとめ
フォーマットの統一されたデータベースができることで、今まで見落とされていた事実が明らかになったり、がん研究での利便性が増すことが考えられる。
具体的にデータベースが出来てみないとどんなことが可能か詳しくは分からない。

2014年11月4日火曜日

[MBC2014] Nature Podcast(2014/05/22) Reservoirs of resistance?

担当:朴
参加者 :9名

概要:
土壌バクテリアの抗生物質耐性遺伝子はヒト病原体に滅多に伝播しないことが明らかになった。

議論:
 微生物の進化を予測することはできるようになるのか

・活用
 -ウイルス
 インフルエンザのワクチン開発は進化予測ではなく、昨年に流行ったウイルス株の確率的データによりに開発する。
 -ヒトの病原体バクテリア
 -農業での活用
・バクテリアの進化速度
 -ウイルスよりは比較的遅いが、個体数や分裂速度から見ると臨床的大きい課題となる
 複製失敗率、個体数、分裂速度
・バクテリアの進化方向
 -選択圧により明らかに薬剤に耐える方向である
・コンピュータでバクテリアの進化をシミュレーション出来る可能性
 抗生物質、環境要素
・将来は抗生物質開発より、ヒトの免疫力を強くさせることが中心課題となる

[MBC2014] 20-1,2,3 がんに見る微視的進化過程、予防できる発がんの原因、がん化に重要な遺伝子の探索

担当:安澤
参加者 :9名

節の概要

20-1:がんの定義、発生の過程と特徴について
20-2:発がん因子とその同定について
20-3:がん化にかかわる遺伝子とその探索方法について

議論点

 

遺伝子検査が社会に与える影響について

  • 遺伝子検査
    • 遺伝子からリスクが分かる(例えば健康な人と比べた場合のオッズ比として)
      •  がんに関わる遺伝子検査の例:BRCA1
    • ゲノムは変化しない
      • 実際に罹患するかどうかは確率論
      • 対策した後の評価はできない
        →環境要因を含めた評価が必要
      • 特定の組織や未発見のがんそのものを検査するのは難しい
  • サービスとして
    • 遺伝子検査からアドバイスまで行う企業の出現
      • データを持っていたり、収集できる基板を持つ企業が強そう
    • 人工知能によるデータの評価・医療の補佐

まとめ
遺伝子検査に関してその評価尺度から話が始まり、やはり環境要因の考慮も必要ということでデータの収集方法や、今後これらを総合的にサービスとして提供する企業が現れるだろうという議論になりました。