2020年10月27日火曜日

細胞の分子生物学 10章 膜の構造

 担当:髙橋宏

参加者:6名


[議論点]

膜に対するタンパク質の比重が大きいほど機能的に充実しているといえるのか


1.機能的に充実しているとはどういうことなのか

・機能の種類

・機能の効率

・機能の複雑さ



2.タンパク質があまり含まれていない膜の機能

・細胞内と外を分ける

・細胞内を区画化する

・様々な流動性の膜を使い分けられる

・脂肪滴を蓄えられる

・構成によっては悪条件にも耐えうる

・細胞同士の識別過程にも働いている

・細菌毒素やウイルスを受容してしまうこともある

・リン脂質...普通

 糖脂質...+αの機能を持つ



3.タンパク質が含まれる膜の機能

・脂肪滴の切り離しができるようになる

・栄養の受け渡し

・老廃物を出す

・細胞外からの情報の伝達

・強度が増す



4.タンパク質の比重が大きくなる要素

・タンパク質の数の増加

・タンパク質の種類の増加

・重い(大きい)タンパク質の増加

・脂質など(タンパク質以外)の減少

・脂質の密度の減少(表面積が増えたところに結合する)


5.比重が大きくなるとどうなるか
・タンパク質の数の増加→機能効率の上昇
・タンパク質の種類の増加→機能の種類の増加
・大きいタンパク質の増加→複雑なことができるようになる
・脂質の減少→脂質と結合しづらくなる→タンパク質も減ってしまう→機能効率が下がる
・脂質の密度の減少→タンパク質の結合箇所の数は増加しないため変わらない

結論:

タンパク質の数と種類の増加、重いタンパク質の増加はタンパク質の比重が大きくなる主な要素であり、それらは機能充実に繋がっている。

2020年10月20日火曜日

細胞の分子生物学 9章 細胞の可視化

 担当: 高橋和

参加者: 6名

【議論点】
GFPタンパク質のDNA配列を別タンパク質の遺伝子の最初か最後に挿入することで、そのタンパク質が蛍光タンパク質になることは自明なのか

1.考えられる事象,教科書に基づく事実
・緑色蛍光タンパク(GFP): 別タンパク質の遺伝子の最初か最後に挿入することで,発光する(多くの場合,元のタンパク質と同じふるまいをする)
・元のタンパク質とは畳まれ方が異なる可能性→違うものになることが考慮される
・GFPはβストランドが11本(200残基くらいのサイズ)
・GFPは外来であるため,翻訳が遅い→その間に元のタンパク質が構造的に安定する可能性がある

2.元のタンパク質側の問題として考えられること
・似た配列は似た構造をとる
    →同じような構造になるはず
・GFPは小さくはないので,構造的に大きく異なるかも
    →元のタンパク質が大きければ影響は小さい
・GFPがくっつくことによってリガンドが結合できなくなるかもしれない
    (タンパク質間相互作用部位の場合,より影響される)
・N末端,C末端の部位によってGFPが構造の内側に入り込んでしまうと両方機能しなくなる

3.GFP側の問題として考えられること
・GFPが光らなくなる原因
    →変異することによって起こる
    →自己触媒による翻訳後修飾が正常に行われない
・結合する相手によって発光の強さは変わるのか
    →発色団は樽形の内側なので,安定して発光可能

4.結論
タンパク質にGFPを挿入するに際し,構造的な問題が蛍光タンパク質として機能するかと決定していると考えられた.GFPは決して小さくはないタンパク質であるため,元のタンパク質が大きければ安定,そうでなければ不安定な構造をとり,場合によっては本来の機能を失うと考えられる.





2020年10月13日火曜日

細胞の分子生物学 8章 細胞,分子,生体システムを解析する 6節,9章 細胞の可視化(一部)

 担当:高沢

参加者:6名

【議論点】
確率的な要素をシミュレーションに加える必要はあるのか(細胞ごとのばらつきをモデリングする意味は何か)

1.細胞ごとのばらつき
    細胞分裂の際にタンパク質含量などにばらつきが出る(教科書p523)

2.ばらつきが応答や表現型にどの程度影響するのか
    要素や生物種によって異なる
    (and回路やor回路など回路特性によって変わる可能性もある)
    ex) mRNAの量が倍になると…
    ・人(哺乳類)→細胞システムが壊れる
    ・植物→倍数体になっても生き残る


3.
確率を考慮しなければならない状況
    ・対象のタンパク質の量が少ない
    ・細胞の形状が特殊(神経細胞)→位置に関する仮定が必要
    ・短時間の事象→平均化が難しい
    ・現実で分散が大きい事象

4.現実の細胞におけるばらつきのメリット
    単細胞生物同じ要因で多数の細胞が死滅する可能性を小さくする
    多細胞生物:発生の際などに構造を作り始める目印になる

5.結論
現実の生物には分散の大きい事象が含まれており、正確なシミュレーションのためには、確率的な要素を考慮しなければならないケースが多いと考えられる。

2020年10月6日火曜日

細胞の分子生物学 8章 細胞の研究法 第4-5節

担当:小林駿平
参加者:6名

【議論点】
変位の優性・劣性は生物内でどのようにして決定されているのか

1.優性劣性はなぜ存在するのか
 発現のしやすさなどが原因で、偶然優劣が存在しているのではないか

2.機能獲得変位がほとんど優性なのはなぜか
 重要な機能を喪失すると生死に関わり、遺伝子が残りにくいため、
 機能喪失が劣勢になっているのではないか

3. 優性劣性が存在しないとどうなってしまうのか

50:50の場合
・多様性が大きくなる
・生命にかかわるようなミューテーションが50%
 →半分しか生き残ることができない(エリートのみ生き残る)

100:0の場合
・種の多様性がなくなる

4.優性劣性が決定されるタイミング
・親から子に遺伝子を受け継ぐとき
 →2つのうち一つが渡される

・遺伝子発現するとき
例:遺伝子型AO(血液型A)の人
(1)Aしか発現しない場合
片方だけ発現させる方法は?
   →Oの発現を阻害する機能をAが持っているのではないか
(2)A,Oともに発現するが、表現型はA
片方だけ表現する方法は?
 →発現スピードを速くし、片方のみ大量に生産する

5.結論
変位の優性・劣性には遺伝子の発現量が関わっており、発現量が多いと優性、少ないと劣性になるとかんがえられる