2015年12月31日木曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/7/9) Banishing HIV

担当:安澤
参加者:10人

概要

HIVのような(少なくとも小スケールでは)対策が確立された病気が、未だに猛威をふるっているのは何故だろうか。一つ言えるのは、実験環境で仮定する理想的な環境は、現実には当てはまらないということである。科学者は実地での適応についてより考えるべきではなかろうか。

議論点

人類にとって最も脅威となりうるウイルスの特徴

○脅威度は何で決まるか
  • 感染力
    • 強ければ空気感染で広がる
  • 致死率
    • 高すぎると逆に広まらない(エボラ出血熱等)
  • 治療の難度
    • ウィルスの多様性(変異しやすさ)
  • 潜伏(検出の難しさ)
 ○間接的に影響を与える
  • ウィルスの媒介生物
  • ヒトの生活に関わる生物に感染するウィルス
    • 栽培植物など多様性が低いと単一の疾患にやられる可能性も

○対策
  • 検出→隔離→治療・予防
    • ゲノムを読む→検出・感染経路の特定
  • 接触をできるだけ避ける
    • 非接触型の医療技術
      • 在宅治療
      • 遠隔手術
  • 完治したか(感染の恐れがないか)の検出法の確立

まとめ

家にいながら検査や治療ができれば、接触を減らすことができ感染症対策にもかなり有利なのではないだろうか。今後の発展に期待。

2015年12月8日火曜日

Nature podcast(2015/6/11) Antarctic biodiversity

担当:池野
参加者:10名

元論文:

The changing form of Antarctic biodiversity
Steven L. Chown , Andrew Clarke, Ceridwen I. Fraser , S. Craig Cary , Katherine L. Moon1 & Melodie A. McGeoch1

概要:
南極や南大洋の生態系は考えられていたよりずっと多様である。多様性に大きく影響する要因として、エネルギー獲得や長期間にわたるレフュジアが考えられている。人間の活動や全球的な気候の変化は南極の生態系の理解を妨げてしまっているため、国際的な協定によって南極の一部地域を保護する動きも進んでいる。

論題:
多様性を保てる環境保護の基準

■多様性とは?
・生物種の多さ
 ・どれくらい離れた種が共生しているか
・種間のバランスが取れている
・生き方の違いの多さ

■多様性の違う環境の例
多様性大きい:熱帯林
多様性小さい:極地、砂漠

■人間の利益と保護のトレードオフ
・人間の利益>保護の例
 ・森林破壊、温暖化、埋立地、乱獲、外来種

■環境保護の案
・絶滅しそうな生物種の保護
 ・生態系のバランス崩壊の可能性は残ったまま
・現状維持するよう手を加える
 ・人間の与えた影響に対して
 ・それ以外の与えた影響に対して
  ・そもそも、人間が影響を把握しきれていない
・人間が全く関与しない
 ・人間の利益は無し


まとめ:
一概に基準を定めることは難しく、個々の環境にあわせた基準が必要とされる
影響を人間が把握しきれておらず、影響ベースでの基準の策定が難しい。


2015年12月3日木曜日

2015 ラボ合宿 @山形県東根温泉

11/21、22にかけて行われたラボ合宿です。
今年は、御茶ノ水女子大学の由良研究室と合同で行いました。
行き先は山形県のさくらんぼ東根温泉です!!


今回はレンタカーでの移動としました。
途中で48号線沿いにある、ニッカ宮城峡蒸留所に寄り道〜♪
大きな蒸留釜

ニッカのウイスキーがずらり

その後、天童市内の水車そばに移動してお昼ごはん。

名物の鳥中華

そして旅館に移動。
旅館は、「よし田川別館」です。

最初に木下先生のお話から始まり、発表会をしました。
時間が限られていましたが、楽しい発表会になったと思います。

豪華な晩御飯(この後まだまだお料理が…)

晩御飯の後は、部屋に集まってボードゲームをしたり雑談をしたりと、遊んでおりました。


二日目は、朝ごはんをいただいたのち、ホテルを後にして、山形県の様々な場所に観光に出かけました。
あさごはん

霞城公園では、石垣の修復をしていました

春には桜がきれいだそうです

高畠ワイナリー

様々なところを観光して、とても楽しい二日目でした。
高畠ワイナリーで由良研のみなさんとはお別れして、寄り道をしながらゆっくりと仙台に帰りました。

合宿を合同でやるのは、研究室始まって以来初めてのことでしたが、なんとか無事に終えることができてよかったです。

来年はどこに行くのかな?


加賀谷



2015年12月2日水曜日

Nature Podcast(2015/6/11) Bronze Age genomes

担当:小舘
参加者:10名

音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2015-06-11.html

元論文:
Population genomics of Bronze Age Eurasia
Morten E. Allentoft et al.
Nature 522, 167–172 (11 June 2015) doi:10.1038/nature14507
Received 14 February 2015 Accepted 01 May 2015 Published online 10 June 2015
http://dx.doi.org/10.1038/nature14507

概要:
ユーラシア各地の古代人101人のゲノム解析。青銅器時代には、現在のアジア及びヨーロッパの人口構造形成の原因となる大規模な集団移動があった。印欧語族拡散の仮説と一致。また淡色皮膚は既に高頻度で存在したが、ラクトース耐性は稀だった。


議題:
民族間で違いがでるもの、他の哺乳類と違うもの

●乳糖耐性
大人では本来必要なくなるため、耐性を持たない(5歳ころまで)
しかし:ヨーロッパ人は大人でも耐性を持ち続ける

・SNP頻度:日本0%, アフリカ0%
→ヨーロッパ起源でそこでのみ広まった?

・[牛, ヤギ]乳と生存 ←進化圧?
 ↓
・乳製品の起源:
 - 飲料としての乳:B.C. 9000頃 中東
 - 最古のチーズ:B.C. 5500頃 ポーランド
 (脂質のみで乳糖は関係ナシ、ただし酪農文化は重要かも)
 - 乳を飲む文化:エジプトから

・これまでの研究:B.C. 5500頃耐性獲得
 今回の研究:青銅器時代(B.C. 3000-1000)でも稀
→急速に拡散?

・飲めなくなるのは容易(どこかが壊れれば良い)
 飲めるようになる変異はレア?


●まとめ
 乳糖耐性ひとつ取っても分からないことが多く、謎が深まった。


駅伝2015

2015年度の第51回電気・情報系駅伝大会が11/28(土)に行われました!

一昨年の9位、去年の8位と毎年順位を上げている木下大林研ですが、情報系教員陣の中でもずば抜けた走力を持つ大林先生不在の中、果たして今年も順位を上げることができるのか・・・!?


 当日は天気にも恵まれ絶好の駅伝日和となりました!
開会式は選手宣誓や中尾先生の挨拶と、何気に本格的でした


 開会式後は各自スタート地点に向かい、10:30にいよいよスタート!
スタート合図において少々混乱が見られたようですが、気にせず上位を狙っていきます



 
 今年も学生はこのTシャツで走りました!

残念ながら走者の写真があんまりありません・・・
来年は全員の走っている姿を写したいですね




駅伝終了!閉会式は屋内にて行われました
 気になる順位は・・・





13位!


オープン参加チームを除いた最終順位は12位と、入賞をあとちょっとのところで逃してしまいました・・・
残念ですが、練習タイムから換算した予想タイムを本番で大幅に上回ったので健闘したと思います!
お疲れさまでした!

そして駅伝が終わった後は恒例のおでん会です!

被写体深度の浅いおでん・・・ 美味しそう!


 
 コルクが抜きづらい...

 一般区間を教員が走った場合に送られる特別賞を山下さんが受賞し、景品(ワイン)を頂いてしまいました!
ありがとうございます!


歩いて帰る人(orラボに残る人)はお酒も飲みます!


そして毎年の練習タイムが一番良かった人に送られる最速賞と、MVP賞を決める時間ですが・・・
 両方頂いてしまいました!
嬉しい!
そして来年度の駅伝隊長にも選出されました!
来年こそは入賞したいですね


 最後に集合写真を
皆さんお疲れさまでした!


写真提供: 安澤さん、水谷さん、平田くん
文章:田河







2015年12月1日火曜日

[火曜討論会2015]Nature Podcast(2015/64) CRISPR’s next targets (B4 平田)

担当:平田
参加者:9名
概要:
遺伝子操作の技術として新たにCRISPRが現れてから2,3年、それはすでに急激に広まってきている。バクテリアのシステムを元に開発されたCRISPRは従来の遺伝子操作技術よりも容易で安価なため、科学者のみならず様々な人が遺伝子操作の実験をすることが可能になった。そのためこの技術の適切な使用と安全な応用を保証するような規制も徹底して考えられるべきだとされている。

議論点:
人間への利用は進む可能性があるか

*議論の具体的な焦点
 治療目的で受精卵の遺伝子操作を行うこと

◯人間への技術の応用がダメな理由はなにか
 ・技術が追いついておらず安全性に問題あり
 ・倫理的な問題あり

◯現状
 着床前診断(イギリス等)
 ー受精卵の遺伝子を解析し、遺伝的疾患のリスクを回避

◯人間への応用について考えられること
 ・確率されきっていない技術の応用はどうしても慎重に
 ・遺伝子を編集すること自体に問題意識がある
 ・人為的に遺伝の時間短縮を行うことが問題
 ・治療目的であれば倫理的問題が少なくなるのでは
 
まとめ
 ・受精卵を対象とした治療目的の応用はすでになされている
 ・遺伝子操作技術はどこまでがよくてどこからがよくないのかという
  線引きが問題である
 ・幹細胞・人工iPS細胞への応用や、機能強化目的での遺伝子操作をするには
  まだまだ越えなければならない技術的・倫理的問題が多く、
  線引きの程度が厳しいのが現状か

2015年11月26日木曜日

[火曜討論会2015] ​Nature Podcast(2015/5/28) Talking temperature (M1 佐藤)

担当:佐藤(壮)
参加者:9名

概要:
2018年に承認される予定の”新しいSIの定義”について、その中でもK(ケルビン)の話題である。改訂の理由には常に一定である基礎物理定数に基づく定義という目標が挙げられる。これによりケルビンは水の三重点による定義から、ボルツマン定数に関連し、秒、メートル、キログラムの定義に依存するものに変更される。

議論点: 人間の感覚に近い単位について

○具体例
 ・古代エジプト
   ある人物の体の部位の長さ
 ・イギリス
   1ヤード(初期)=人の1歩の長さ
 ・セルシウス度
   (初期)水の融点と沸点
 ・その他の具体例
   東京ドーム○○個分の〜
   成人男性何人分の〜
   レモン◯◯個分のビタミンC

◯人間が理解できる限度(大きさ)とは?
 ・東京ドームはわかりにくい → なぜわかりにくい?なぜよく使われる?
 ・塩ひとつまみとかはわかりやすい → 身近、経験があるとわかる?
    → 見た目でわかるもの 容積はわかるけど、重さは理解し難い

 基準となるもの × 1桁 くらいが認識の限度
  例 駅まで1往復の距離   ◯
    駅まで100往復の距離   ✕ 
 基準となるものから離れすぎるとだめ → 大きさに適当な基準となるものが必要
 大きさを理解するのは難しくなるが、非常に大きいことを表すには的確
  例 東京ドーム1000個分の広さ
    レモン1000個分のビタミンC
    しじみ100個分のオルチニン

◯より万人にわかる単位
 ・みんなが知っている = 具体的に想像できる
 ・不変なもの

 そういった意味では時間という単位は優れている?

2015年11月25日水曜日

[火曜討論会2015] ​Nature Podcast(2015/5/21) A sexy choice(B4 田河)

担当田河
参加者9名

音源: 

元論文:
Sexual selection protects against extinction
http://www.nature.com/nature/journal/v522/n7557/full/nature14419.html

概要:
なぜ生殖するうえで性別は必要なのか?
有性生殖ではオスが必要だが、生殖という役割でオスが担う部分はすくない
メスのみで生殖したほうが子孫は多く残せるはずである
→ではなぜ性別は存在するのか
検証
コクヌストモドキ(保存食に潜む害虫)を用いた調査
性淘汰が起きやすいグループとそうでないグループで何が起こったか10年間検証
性淘汰が強いグループのほうが適応度が高く、絶滅しにくかった
そうでないグループは適応度がすぐに悪化し、絶滅しやすかった
→性淘汰が強いと絶滅しにくい

議題:
動物の性選択基準は不変か

まずヒトはどうか
  •  昔の女優と今の女優の顔の変化
    • 体型(昔はふっくら)が違うの部分は今も昔も同じ? 
  • 男は力強さや頭の良さ→あまり変わっていなさそう
  •  空気を読めるかどうか→遺伝的要因か環境的要因か
    • 化粧は流行、空気を読めるという意味での性選択判断基準になっているのか?
他の動物はどうか
  •  そもそも外見で良し悪しを判別できているのか?→孔雀やフラミンゴ
    • 外見のみで強い個体か判断しているのか、それとも外見が変わる要因まで認識してその上で強い個体か判断しているのか謎
  • 鯨の求愛歌
    • 流行があるらしい(西から東に伝わる) 
    • 群れで生活している動物は流行が発しやすくそれによって基準も変わりやすそうではある 
まとめ:
ヒト以外の動物においても、求愛行動における流行のようなものは存在することがわかった。よって性選択基準は変わる可能性も孕んでいるが、そのような基準の変化の発生は血筋や親の影響によるものなのか、はたまた環境によるものなのかは区別がつきづらい。

個人的にヒトにおける化粧の存在意義についての議論は興味深かった。
自分としては化粧という行為は単純に、外見を整っているように異性に思わせることで今までよりも上のレベルの異性の注意を引かせることだと考えている。







2015年11月19日木曜日

[火曜討論会2015] ​Nature Podcast(2015/5/7) Building an artificial brain

担当:佐藤(広)

参加者:10名

音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2015-05-07.html

元論文:
Training and operation of an integrated neuromorphic network based on metal-oxide memristors
http://www.nature.com/nature/journal/v521/n7550/full/nature14441.html

概要:
メモリスタは電気的ストレスを印加することにより薄膜の導電率を変えることができる。この性質を利用して人工シナプスを実現できる。 今回、メモリスタを用いたニューラルネットワークで3×3画素の白黒画像を文字列を表す3つのクラスに分類することに成功した。

議題:
ニューラルネットワークの出力について

■人を超える知能とは
・汎用な人工知能
 →評価基準を自分で設定できる
・身体感覚を理解
⇛まずは人に近づくという方向

■現在の分類問題の限界
・入力と出力は事前に設定、想定していない入力に対する対応
・数値化できない情報
・新しい概念
(・全ての人工知能は分類問題に帰結する?)

■新しい概念を生み出すことについて
・芸術、笑い
→自己の表現

■ニューラルネットワークの自我とは
・足りないと思われる機能として出力からのフィードバック
(→リカレントニューラルネットワーク?)
・人間の行動は2値かできる?(やるかやらないか)
→新しい概念とはその中間に相当

まとめ:
 ニューラルネットワークの出力について議論する前に、人工知能の方向性を議論し、まずは人に近づくという結論に至った。その点で現在の分類問題の限界について議論し、その中で新しい概念を生み出すということについて詳しく議論した。

2015年11月18日水曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/5/14) Collision course

担当:安澤
参加者:10人

概要

Bs0、B0中間子のμ粒子への崩壊頻度の測定は、標準モデル拡張の手がかりになる。LHCでの実験データを解析した結果、この崩壊を示す統計的有意な証拠を初めて観測し、その結果は標準モデルと矛盾しなかった。LHCの更なる成果に期待。

議論点

生物学における大規模実験
  • 生物学の分野で(LHCのような)大規模実験をするとしたら何ができるだろうか
○LHCの規模について
  • CERNおよび国際的な実験グループによる運用
  • スイス・フランスの国境地下に建設
  • 全周約28km (参:山手線…34.5km)
  • 建設費…約1兆円
  • 維持費…約1200億円 / 年
 (参考として京の場合)
  • 構築費…1120億円
  • 維持費…80億
○生物学で大規模実験をやるとしたら
  • 土地的・施設的な規模
    • 外界と(長時間)隔離できる環境
    • 環境を操作できる空間
  • 計算機
    • MD用などに特化したスパコン
    • 脳シミュレータ
  • その他
    • テラフォーミング 
      • 失敗した場合のリスクはあるだろうか
    • 成長の速い細胞(生物)
    • 深海探査
    •  海底・宇宙での生物実験
    • ヒトゲノムをいっぱい読む
      • 全ゲノムの場合1人あたり30万円として1兆円だと約330万人
        • 中途半端な感じが
        • 仙台市で約100万人
    • 原子生命を再現する実験

まとめ

領域としての規模、対象としての規模があるがやはり予算としての規模が効く。
1兆円という規模は感覚として掴みにくい。

2015年11月13日金曜日

[火曜討論会2015]Nature Podcast(2015/4/23) Bees hooked on pesticides

担当 : 加賀谷
参加者 : 11名

音源 :
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2015-04-23.html

元論文 :
Seed coating with a neonicotinoid insecticide negatively affects wild bees
http://www.nature.com/nature/journal/v521/n7550/full/nature14420.html
Bees prefer foods containing neonicotinoid pesticides
http://www.nature.com/nature/journal/v521/n7550/full/nature14414.html


概要 :
近年では、ハチの数の減少が大きな問題となっている。EUでは、ハチに対して悪影響があるとしてネオニコチノイド系の殺虫剤を使用することを制限した。これに対して、検証が充分でないとして反論する動きがあったが、この農薬が実際に悪影響を与えているということを確かめた論文が紹介された。


議題 :
農薬を用いないで虫害を減らすには
 ここでは農薬を、人工的に作られた薬剤で虫を殺すものとした。

 ・食べられてもいい部分を作る
 ・虫を食べる生物を一緒に飼う
 ・遺伝子組み換え
 ・ハーブを一緒に植える

 ■ ハーブの香りがするように組み替える
   ・ハーブを一緒に植えると虫がよってこないと言われている
   ・植物そのものにその機能を加えてしまえばどうだろうか
      ・益虫までもが全滅してしまう
      ・そもそもハーブの香りがする作物ができてしまったら売れない

 ■ 遺伝子組み換え
  ・食べた虫が死ぬようなトウモロコシがすでにある


  ■ そのほか
    ・農薬を減らすことは農家の健康を保つことに繋がる
    ・室内で水耕栽培してみる(コストが高いので採算が合うものが限られる)

    ・人工的な農業は環境負荷が大きい
    ・科学的に栽培方法を考えてみる


まとめ :
農薬を用いると、環境にどのような影響があるのかあまりよくわかっていなかったが、今回の論文はその一端を見せてくれたように思う。一つの生態系として成り立っている環境から、人間にとって都合の悪いような虫だけを的確に除外しようとするのは、すごく大変な行為で、コストや環境負荷が大きくその折り合いをつけるのは難しいと感じた。

2015年11月11日水曜日

​Nature Podcast(2015/4/30) New dino soars

担当:池野
参加者:10名

音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2015-04-30.html

元論文:
A bizarre Jurassic maniraptoran theropod with preserved evidence of membranous wings
Received 11 February 2015 Accepted 20 March 2015 Published online 29 April 2015http://www.nature.com/nature/journal/v521/n7550/full/nature14423.html

概要:
中国で新たに見つかった獣脚類Yi qiの化石は、手首から長い骨が伸びており、その骨と指の間に膜上の組織が確認された。このことからYi qiが既知の獣脚類や鳥類とは全く異なる構造の翼を持っていたことがわかり、Yi qiは鳥類出現時期の獣脚類の進化の多様性を示唆しているといえる。

議題:
今後劇的な形態・生息域の変化が起きる可能性


現時点での生存限界
・海底
・地中
・高熱(溶岩など)
・砂漠
・火山(硫黄などの影響)
・高山地帯
・宇宙
・高高度の空

なぜ陸空海は生物が反映した?
・水や湿度
・空気
・空気圧
・エネルギー源・食べ物
・移動のしやすさ
・温度
・他の環境へのコネクション
 海⇒陸のように、徐々に新たな環境へ進出するためには中間的な環境が必要

・安全地帯として、地中(セミなど)や木の上(カエルなど)を一時的に利用する例はある

なぜ高山地帯にてきおうするせいぶつが
・利点がなかった
・水ない(地盤が固くすぐ流れる)
・植物いない(水ない・根を張れない)
・生態系に多様性がない
・資源が少ない(環境収容力がない)

空も結局は陸に依存しているのではないか
・水がない、植物もいない
⇒拠点・エサがない
⇒陸に拠点を持ち、陸上生物からエサを補給する
・共生環境が無い

まとめ
議論の結果、現時点では空の生物も結局は陸に依存しているため、空も完全な生息域であるとは言いがたいのではないかという結論に至った。
また、とある環境が生息域として機能する際に水や植物が重要な役割を果たしていることがわかった。




2015年10月28日水曜日

[火曜討論会2015]Nature Podcast(2015/4/9) Moon-making mystery

担当:平田
参加者:10名

音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2015-04-09.html

元論文:

    • Alessandra Mastrobuono-Battisti,
    • Hagai B. Perets
    • Sean N. Raymond
    Nature 520212–215 (09 April 2015)
http://www.nature.com/nature/journal/v520/n7546/full/nature14333.html

概要:
月が生成された背景の仮説として有力なのが初期の地球に火星大の惑星が衝突して飛び出した欠片が月になったというジャイアント・インパクト説であるが、衝突天体と衝突された天体の元素比率の組成を調べるシミュレーションによりこの説をより強固なものにした。

議題:
衛星の有無は惑星にどのような影響を与えるか


地球の場合 - 衛星は「月」
 現状ではどのような影響があるか
 ・万有引力による潮の満ち引きを発生
  →海岸の生物に影響(潮の満ち引きを利用して産卵を行う生物等)
 ・月明かりを発生
 ・時間や季節を知る手段
 ・自転軸の傾きを安定化
 ・自転速度に影響
  →自転速度が速くなると風が強くなる
  →台風が強力化する


衛星があることによる惑星の生物への影響を考える 
・惑星により生体リズムに利用できる新たな周期が増える
 →環境がより複雑になる
・風の強弱や潮の満ち引きにより環境が攪拌される


(過度な攪拌力はよくない?)
例えば風が強すぎると生物が一様化してしまう(2015/9/29の討論会参照)
生体リズムに影響を及ぼす潮の満ち引きや日周期だが、周期が短くなりすぎると生物は対応できない可能性がある
→適切な周期のレンジがあると考えられる

まとめ
地球には月の存在により支えられている環境が多く存在するようだ。
もし 月が複数存在していたり今よりも大きかったりするとさらに環境は複雑化していたかもしれないが、逆に月の影響が大きすぎて環境が一様化していたことも考えられる。
衛星が惑星に与える影響は決して少なくはないことが予想されたが、地球と月の関係はその影響が生物にとって適当な範囲内であったから現在の地球環境が存在する、と考えられるかもしれない。

2015年10月27日火曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/4/16) Unpicking the love hormone

担当:小舘
参加者:10名

音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2015-04-16.html

元論文:
Oxytocin enables maternal behaviour by balancing cortical inhibition
Bianca J. Marlin, Mariela Mitre, James A. D’amour, Moses V. Chao & Robert C. Froemke
Nature 520, 499–504 (23 April 2015)
http://www.nature.com/nature/journal/v520/n7548/full/nature14402.html

概要:
 オキシトシンの神経回路調節についてマウスで実験を行ったところ、雌の聴覚野の応答を仔の鳴き声に対して高めることで、回収行動を可能にしていることが分かった。


議題:
薬で感情を制御することはどこまで許されるのか


(まず健康面から考えてみる)
[健康面]
普段の生活で…

酒・タバコ:OK | 麻薬:ダメ
 ↓
やっていいこと | 悪いこと
 どう分けるか?

・(長期の)健康被害 →元に戻らなくなる?
・死に至る
・異常行動
・依存性
・脳へ直接影響?

→酒でも麻薬でも当てはまりそう。
 しきい値の問題?

症状に対して処方するのは良いだろう。
個人での取り扱いは?


[倫理面]
・自分で制御すべき? ←できない人もいる
・社会の発展が止まる?(一日中こもって薬づけ)
・画一化? アイデンティティの喪失?
・仕事のやる気を起こす? →洗脳に繋がる?

戦場での使用例

どこまで規制すべきか:
1.個人に委ねる(集団使用はダメ)
2.国レベルで規制する
3.個人でもダメ(2番の規制は実質無理だろう)


●まとめ
 社会レベルで影響が出そうな技術が出現したときの取り扱いは難しい。倫理面からも更に議論を深めることは有益だと思う。


2015年10月26日月曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/4/2) Exolegs

担当:佐藤(壮)
参加者:8名

概要:
進化・成長・学習により人の運動は高度に効率化されている。我々は外部動力を必要としない外骨格を開発し、歩行運動の代謝コストの低減に成功した。一見単純で、完成された様に思える歩行運動でも改善は可能で、学ぶべきことも残されている。
http://www.nature.com/nature/journal/v522/n7555/abs/nature14288.html?lang=en SS

議論点:
エネルギーを必要としないデバイスがもたらす影響

◯このようなデバイスは普及するのだろうか?
 今回の例 ーー 内蔵ブーツとかにしたら売れそう?
         意図としては老人や弱い人を想定した補助器具である

 杖、靴、手押し車の例 ーー 広く普及している補助器具

◯もたらす影響
 今回の例(Exolegs)
  ・ふくらはぎが弱くなる
  ・エネルギー消費が減る
    ー太る
    ー食事量が減る
  
 杖、靴、手押し車の例
  ・靴を履くことで人の歩行方法が変わった(かかとから着地する?)
    靴を履いた歩行方法に最適化が済んでいない?
  ・外反母趾や偏平足といった悪影響
  ・前屈姿勢になりやすくなってしまう
  ・刺激(=エネルギー消費、負荷)が減ることで筋力低下などの影響がありそう
  ・代謝が落ちる

◯良い影響はないのか
 車の例(外部エネルギーを必要としているが)
  ・生活スタイルの変化
 
 衣服の例
  ・より多様な気候への対応
  ・普及することにより違いを求めていく → ファッションなどの文化への影響

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/02/05) Protecting parched plants

担当:佐藤(壮)
参加者:8名

概要
植物のアブシジン酸による防御機構を利用し、受容体を活性化することで水分消費量や乾燥耐性を改善する事ができる。今回我々は受容体の変異が既存農薬に対して感受性を有し、農薬の新しい活用方法を提案する。
http://www.nature.com/nature/journal/v520/n7548/full/nature14123.html

議論点
植物にどこまで遺伝子操作を加えられるのか

◯植物を限界まで品種改良したら
・便利になりそうな形質を導入しまくる
 便利になりそうな形質 → おいしくなる 乾燥耐性 病害虫耐性 収量増加

◯限界はどこなのか
・異なる植物に、異なる植物の実をならせることは無理そう
・味の全く異なる作物を作る(果たして意味はあるのか)
・相反する特性を導入すること
・おいしくなる 美味しさを感じることには個人差がある
・機能が多くなると手間が逆に増えてしまう可能性
・遺伝子操作で得ることのできない形質

→分配できるエネルギー量は決まっているから、物質を作るような機能を備えてしまうと、美味しさに回すエネルギー量が減ってしまうのではないか(そのために農薬が存在する?)
→おいしさなど個人差とか主観に依存する部分をパラメーターとしてあとから自由に調整できるようにしてはどうか(美味しさに限っては料理がそれにあたるのではないか)

2015年10月21日水曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/3/26) Growing galaxies

担当田河
参加者9名

音源:

元論文:
Wind from the black-hole accretion disk driving a molecular outflow in an active galaxy
http://www.nature.com/nature/journal/v519/n7544/full/nature14261.html

概要:
ブラックホールに落ちた塵によって形成されるクエーサーは、摩擦によって高光度の光を発する。
これによって強い風が生じ、星が成長するために必要なガス吹き飛ばしてしまうことによって銀河で星が育たなくなることが、実際にIRAS F11119+3257という銀河を観察することによって確認された

議題:
星が存在する環境によって、その星の生物の特徴はどう変わるか

変化を促す環境因子は何があるか
  •  気温
    • タンパク質で構成されている生き物は高温度では熱変性が起こるため生きられない→タンパク質以外でできていれば生存が可能かも
  • 重力→強いといきものの大きさは小さくなりそう
  • 大気比率・気圧
  •  水の量(陸と海の比率)
  • 地殻比率

そもそも生物が生まれる条件、定義は何か
  •  何か物質がある所
    • 代謝をするためには何らかの溶媒も必要→地球では水だがそれ以外でも代用
  •  エネルギー源→何をエネルギー源にするかで特徴は大きく変わりそう
  • 何らかの進化を促すシステム
    • 地球生物は遺伝子だがそれに似た何かがないと滅びるのみ 
まとめ:
変化を促す環境因子は何か考えることから始まり、生物というものはなんであるか、また生物が生まれる最低条件は何かについて考えることもしつつ、それを受けてエネルギー源や進化に必要なシステム、溶媒の種類が変わるだけでも生物の特徴は大きく変わりそうだということが挙げられた。




2015年10月19日月曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/3/19) British genetics

担当:安澤
参加者:9人

概要

集団間の微細な遺伝的差異は、歴史上で集団に起きた現象を反映したり疾患研究の障害となる可能性があり興味深い。地理的多様性の観点から注意深く選ばれた英国民2039人のSNPデータから地理特異性や、かつてあった移住の影響を評価する。

議論点

ゲノム解析から分かる歴史的事象
  •  例えば今後、文化的要因によって遺伝的差異が生じることがあれば検出できるようになるのではないか。
○遺伝的差異が生じる要因 
  • 遺伝的差異がある複数の集団が1つになる
    • 移民
    • 文化的合流
  • ある集団で特定の差異が選択される
    •  文化的(?)選択
      • 特定人種の絶滅
        • ヒト属の淘汰
        • ジェノサイド
      • 性選択
        • 容姿など
        • 繁殖様式による差異
      • 食物に関するもの
    • 環境適応
      • 肌の色
      • 目の良さ 
○文化的な遺伝的差異が選択されうるとしていずれ観察できるだろうか?
  • 集団の大きさにもよるが、よほど有利な形質でも固定に1000年はかかる


まとめ


ゲノムが過去の出来事を反映するという視点が新鮮でした。

芋煮 2015

10月9日に牛越橋にて木下大林研の芋煮会が行われました。
前日に台風が接近していたので心配していましたが、当日は快晴で風が気持ちよかったです。

金曜日ということもあり、多くの集団が見受けられました。
その中でも木下大林研は最大で27人参加と、最も大所帯のように感じました。

例年通り山形風(醤油・牛)と宮城風(味噌・豚)を作成しました。


山形風

宮城風

躍動感。

焼け石に水。


〆のカレーうどん。


皆様お疲れ様でした。

2015年10月13日火曜日

[火曜討論会2015] ​Nature Podcast(2015/3/12) Cooperative capture

担当:佐藤(広)

参加者:9名

音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2015-03-12.html

元論文:
Cooperative insertion of CO2 in diamine-appended metal-organic frameworks
http://www.nature.com/nature/journal/v519/n7543/full/nature14327.html

概要:
 ジアミンを付加した金属有機構造体は金属-アミン結合が連鎖的に生じることで低エネルギーでCO2を吸着できるので排ガス等のCO2を回収する新しいアプローチになりうる。

議題:
ベストなCO2濃度とは何か

■CO2濃度が影響を与えるもの
・地球の気温
・植物の栄養
・植物の成長(収穫量)
・海のPh?

■ベストなCO2を決定するときの判断材料
・バランスをどう取るか
 →今は下げる方向にある
・CO2濃度が上昇する以前(産業革命時)を参考にする
・CO2濃度の寄与率が大きい要素
・今の生物には今のCO2濃度がベスト?(最適化されているから)
 →維持という選択肢

■それぞれのベスト
・環境にとってのベスト→?
・全生物にとってのベスト→維持
・人間にとってのベスト→植物の収穫量を基準にする?
⇛全生物にとってのベストは人間にとってのベストと最終的には等しい?

■その他の考察
・環境安定性という観点→フィードフォワードを意識する
・一から星を作った場合→CO2はO2とのトレードオフ


まとめ:
 遺伝子という観点から見れば全生物は今のCO2濃度に最適化されているので今のCO2濃度を維持するのがベストと言える。しかし、維持した結果何が生じるかについては議論する余地がある。