2015年7月23日木曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/1/8) Resistance-resistant

担当:池野
参加者:9名

音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2015-01-08.html

元論文:
A new antibiotic kills pathogens without detectable resistance
http://www.nature.com/nature/journal/v517/n7535/full/nature14098.html

概要:
 微生物は新たな抗生物質の供給源となりうるが、現状では全てのバクテリアの種のうち99%は培養が困難である。今回、未培養細菌を土壌中で増殖させることで新たに抗生物質を発見し、その1つをテイクソバクチンと名づけた。この抗生物質は高度に保存されたモチーフに結合するため、耐性を獲得した菌は確認されなかった。本研究は、病原菌が耐性変異を獲得するのは時間の問題であるという定説を覆すものとなりうる。

議題:
培養可能な微生物が増えることで可能になる抗生物質以外の微生物の利用法

■現在の微生物の利用方法
・発酵食品
・抗生物質の発見
・環境の浄化/資源の収集

■培養可能な微生物が増えると何が起こるか?
・発酵食品の種類が増える
・新たに抗生物質を発見できる
培養可能=ゲノムの同定が可能
メタボローム解析ができる

■微生物に関する研究の現状
・土壌中のメタゲノムは読むことができる
 ⇒微生物の全ゲノムの復元はできないが、遺伝子くらいなら特定可能
 ⇒未知の機能を持つ遺伝子は発見できるかもしれない
・微生物のメタボローム解析
 ⇒増やせる微生物に関しては可能、増やせないと出来ない

⇒未培養微生物の培養が可能になれば、メタボローム解析で有用物質を発見できるかもしれない
・単体を培養しメタボロームを見る
⇒その微生物単体では働かない・生きられない可能性もある
⇒ならば、土壌中の微生物集合全体を培養しメタボロームを見る(メタ・メタボローム?)

まとめ:
 現時点で微生物を用いて何ができているのかという話から広がって、微生物に関してはメタボロームの解析はまだまだ研究途上という話になり、微生物の培養が進めばメタボローム解析によって有用な物質を発見できるのではないか、という結論に至った。






2015年7月10日金曜日

[火曜討論会2015]大学生物の教科書 26章 生態学的群落(コミュニティ)

担当:平田
参加者:9名

概要:
・ある限られた地理的領域の中で共存関係にあり、互いに相互作用をする一群の生物種のことを"群落"という。
・群落は時間や場所によって変化していくものである。
・群落を理解し、人類が生態系から得られる恩恵を損なわないようにするのは大切である。

議題:
擾乱に強い群落の特徴



○擾乱とは?
 大きくは環境変化のこと(例:火山噴火、森の地滑り)

 擾乱の規模はそれぞれ
 ・火山噴火
  広範囲 長い周期で定期的
 ・隕石落下
  広範囲 急に訪れる
 ・川の氾濫
  狭範囲 定期的

擾乱により生物の住む場所・食べるものが変化するだろう



○擾乱に”強い”とは?
 大きく二つのことが考えられるだろう。

 1 変化の起きた環境を元に戻す強さ
 2 変化した環境に適応する強さ


○"植物"は1の強さの代表格ではないか?
・必要とするエネルギーが普遍的である
・場所を移動しても生きていくことができる
・植物がなければ他の動物が住むことができない
 →群落が擾乱に強い条件として”基盤となる植物が存在”することが必要?



まとめ

○ 以上を踏まえて擾乱に強い群落の特徴にはどのようなものが考えられるか?

・フィードバックができる
・群落中の生物が生きるための選択肢が多い方がよい(例:雑食)
 ー人間にもベジタリアンや肉だけを食べる人もいる。
  生きるための選択肢が多い方が群落中の生物種の変化に耐えることができる。
・群落中の全ての生物の生き方が最適化されていない方が強い
 ー完全に最適化される前に定期的に変化が起きている状態の方がよい

2015年7月9日木曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2014/12/11) Recipe for reprogramming

担当:小舘
参加者:9名

音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2014-12-11.html

記事:
Stem cells: The black box of reprogramming
David Cyranoski
10 December 2014
http://www.nature.com/news/stem-cells-the-black-box-of-reprogramming-1.16525


概要:
 多能性細胞はレシピに従えば作成できるが、どうしてできるかはよく分かっていない。初期化過程のデータを収集・解析しての研究が進んでいる。

議題:
誰もが(生物の)実験を行えるような環境が整った時に何が起きるか
→3Dプリンタの感覚 ご家庭レベルで!


●現在できないこと(難しいこと)
- サンプルの入手
・個体
・細胞(特定条件)
・試薬
・酵素(値段はピンキリ)

- 実験機器の整備
・大規模なもの
・高価なもの
・無菌環境

→お金の問題は大きい
 →売る企業が出てくるかも。


●できるためには
- 劇薬の取り扱い
- 配列から全合成

- 外注機関
・実験をプログラム化 機器、ノウハウいらず


●できるようになったら
- 金もうけの手段
- テロへの転用
・もうある

- 倫理の問題
・自分のクローンつくってみました! ←いいのか? 法の整備
 今でもゲノム勝手に読んで解析はできる。
 全合成が可能になったら任意の人のクローンができるかも。
 ↓
・作ってしまったらどうしようもない
 →規制は必要だろう
  国レベル、国際法が必要? 干渉は難しいのでは?


●まとめ
 配列からの全合成が可能になったら、他人(アイドルとか)のサンプルを入手してクローンを作れてしまうのでは、という話題が特に盛り上がった。今は不可能だろうが、全くの夢物語でもなさそうだ。