2017年4月18日火曜日

大学生物学の教科書 4章 化学エネルギーを獲得する経路

担当:甲斐
参加者:7名

概要
4.1 細胞は化学燃料であるグルコースを代謝する間にエネルギーを獲得する。
4.2 酸素が電子受容体として利用可能であるとき、解糖系、ピルピン酸酸化、クエン酸回路という3つの経路が代謝過程を開始する。
4.3 酸素がない場合においてピルピン酸を処理する代謝回路として(特にアルコール発酵や乳酸発酵といった)発酵があげられる。
4.4 酸素が電子の受容体として存在する場合、電子伝達鎖・化学浸透の2段階からなる酸化的リン酸化によって大量のATPを合成することができる。
4.5 解糖系や発酵はグルコースの部分的酸化に過ぎないのに対し、細胞呼吸では電子伝達体がピルピン酸酸化とクエン酸回路で還元され、電子伝達鎖で参加され、化学浸透が起こる事によりはるかに多くのエネルギーを生み出す。
4.6 解糖系及び細胞呼吸の経路と他の経路の間には生化学的な物質の流れがあり、解糖系及び細胞呼吸の経路は生命の構成要素の合成・分解の経路と密接に結びついている。

議論点
エネルギー消費のスピードを抑える

・エネルギー消費を抑える → ATP消費を抑える
 生命維持に適した環境を整えて何もしなければ良いのでは?
 エネルギー消費が少なくなるよう体質を改善
 取得エネルギーに対して消費の割合をどれだけ減らせるか

・例として、息を止める事を考える
 息を吐きながら止める事で長く止められる
 →二酸化炭素を排出する事による効果?
  エネルギー消費とは関係がないのではないか
  
まとめ
 今回の議論において、エネルギー消費を抑えるといっても、ただ生命を維持できていればいいのか、日常生活を問題なく送れるレベルかといった前提が定まっていなかった事で意見がうまく出なかった。
 議論点に対する回答としては体質を改善するというのがエネルギー消費を抑える上で妥当であると考える。

大学生物の教科書 第三章エネルギーと酵素

 章のまとめ
 生き物は、ATP(アデノシン三リン酸)の分解合成に依ってエネルギーを生成貯蓄している。そして、エネルギーを用いているので、熱力学のふたつの法則にしばられる。エネルギー保存の法則とエントロピー増大の法則である。
又、体には酵素が在って、ATPの分解合成の早さを調整している。詳細には、化学変化に関わる物質を取り込み、之を不安定な状態にすることで、反応に用いるエネルギーを減らすのである。

議題「なぜATPはエネルギーの共通通貨となりえたのか」

・加水分解すると大きなエネルギーを放ち、又リン酸化するからではないか

・タンパク質でもできるはず→生成分解が易く其の量が人体に影響を与えにくいものは、筋肉くらいしかない。そして、筋肉を維持するのには多量のエネルギーが必要である。拠って、タンパク質はATPの代わりとはなれない(効率にて劣る)

・エネルギーをつくるのならば糖や脂質でもできるはず
→糖や脂質は大きいので生体膜を行き来できないのでは→ATPも生体膜を行き来できない(親水性なので)
→筋肉の運動など瞬発的にエネルギーを必要とする場合に、安定従って分解に時間のかかる糖や脂質は不適だ

・ATPの代わりに、TTPやCTP、GTPではどうか→A、Gはプリン管を持ち、その大きさが酵素に適切なのでは

議論のまとめ
筋肉は有るとよいが、保つのにエネルギーが掛かる。脂肪は有用ではないが、 保つのにエネルギーが掛からない。人間はこのふたつをうまく織り交ぜて適切な形でエネルギーを蓄えている。例えば、痩せるときは筋肉が落ちる。それが面白かった。

大学生物学の教科書 1章 細胞:生命の機能単位


担当:大林
参加者:7名

概要
1.1 細胞の大きさは表面積(輸送速度)と体積(代謝速度)の制限を受ける。
1.2 原核生物は単一の袋である。
1.3 真核生物は入れ子になった袋である。
1.4 細胞外構造は、植物では細胞壁、動物では細胞外マトリックスである。
1.5 真核生物は細胞内共生によって誕生した。

議論点
野菜の色の意味

果物の色は鳥が食べるのに役に立っている。野菜の色は何に役に立っているのか。

例:ニンジン
○ 野生型のニンジンは現在のものよりも苦く、色は白っぽかったらしい。
○ 品種改良のポイント
・収量:多くする
・味:苦味(アルデヒドなど)を抑える。ニンジン臭を抑える。甘み(糖分)を増す。
・色(カロチン)?

○ カロチンの多い植物
・ニンジン (根)
・カボチャ (実) → 外側は緑 → 連作できる一年草なので、動物に食べられなくても、また生えることができる?
・小松菜 (葉)
・ブロッコリー (蕾)

まとめ
 ニンジンの色は品種改良としては不必要に見えるが、収量や味とリンクしてるとも考えにくい。Iorizzo+ (Nat Genet 2016)によると、pibmentationの遺伝子 (Y locus) は選択の対象であったことが示唆されている。

2017年4月12日水曜日

大学生物学の教科書 2章 ダイナミックな細胞膜


担当:栗本
参加者:7名

概要
2.1 生体膜には脂質、タンパク質、糖質が使われており、膜はこれらに依存して独自の機能に適した構造を持っている。
2.2 細胞は同一の機能を果たす組織を形成するが、これは細胞認識と細胞接着という細胞膜の作用によって実現される。
2.3 生体膜には選択的透過性という機能があり、小分子は単純拡散で、アミノ酸や糖質などは膜タンパク質による促進拡散で膜を通過する。これらは受動輸送である。
2.4 能動輸送には単輸送体、共輸送体、対向輸送体という3つの膜タンパク質によって行われる。
2.5 大きい分子を細胞に取り込む過程をエンドサイトーシス、細胞外に移動させる過程をエキソサイトーシスと呼ぶ。
2.6 膜にはこの他にエネルギー変換に重要な役割を果たしたり、情報を処理する機能などがある。


議論点
リン脂質が膜の基盤になった理由

他に膜になり得そうなもの
○ 糖脂質
  → あり得るけどリンが豊富にある環境ならばリンの方が簡単
   (糖を作らなくていいため)
○ アルコール
  → 古細菌のエーテル脂質に近いため、あり得る
    初期の環境にアルコールが少なかった?
○ 疎水性・親水性の両方を持ったタンパク質
  → 合成が大変そう
    大きすぎる(形がダメそう)
○ 糖鎖
  → OHが多そう
    親水部と疎水部が細胞膜の表面方向に広がる形になりそうなので
    大きい分子を通しそう and 膜が薄くなってしまう

まとめ
 リン脂質でないもので、膜に使えそうなものは糖脂質やアルコールなどがあったが、どちらも生成するのが大変だったりするなど、リンがあるのならばわざわざ使うまでもないようなものであった。あとは、生体膜ができた時のその生物のまわりの環境によるのではないだろうか。