2021年1月19日火曜日

細胞の分子生物学 20章 がん 第3章

 担当: 高橋和

参加者: 6名

【議論点】
ガンの環境因子を調べることはなぜ困難なのか

1. どういった環境因子ががんを引き起こすのか

・環境因子: 薬物によるもの,人種,生活習慣

・遺伝因子 < 環境因子

・データの少なさによるものなのか,倫理的な理由なのか

・がん発生率への環境の影響(p1128 fig20-37)

・変異原物質,摂食量,ホルモン,刺激,感染,組織損傷


2.なぜ環境因子の方ががん発生率への影響が大きいのか

・実際にデータとして,クラスタリングできるから

・環境に適応できない遺伝因子(?)

・時間経過による変化ががんを引き起こす


3. 遺伝因子と環境因子
    遺伝因子

・ゲノムは可読,定量化できる

・個人によるもの

・マウスなどで検証可能

    環境因子

・正確にモニターできない,要素が多すぎる

・比較実験しづらい(再現性が低い)

・変化する,不安定


4.環境因子はどうしたらモニターできるのか

・運動量(GPS),睡眠量,摂食量,体重

・気温,湿度

・ヒトとの接触(精神面,感染症)

・腸内細菌,便の解析

・光強度,紫外線


5.結論
環境因子を完全にモニターできた場合,傾向が見えるかもしれない




2021年1月12日火曜日

細胞の分子生物学 20章 がん 第1-2節

 担当:高沢

参加者:6名

【議論点】
複数の異常細胞から癌が発生する場合一個の異常細胞から癌が発生する場合とどのような違いがあるのか

1.がんの特徴
    ・ほとんどのがんは1個の異常細胞から発生する(p1093)
        例外はどんなものか→例えば複数の異常細胞
    ・細胞の成長と分裂に関する制御を無視して増殖
    ・ほかの細胞の領地に侵入して増殖
    ・がんの原因
     機能獲得変異、機能欠損変異
    ・進行するにつれ細胞が不均一になる


2.複数の異常細胞からがんが発生したときに起こりそうなこと
    ・複数に由来するがん細胞が融合する(複数の細胞から新たな1個の細胞が生じる)
     ↑ヒト細胞では受精以外で起こる例が無い
    ・共存する(1個に由来するときは不均一になることから)


3.複数の異常細胞に由来するがんが共存しそうな理由
    ・互いに干渉しない(直接攻撃などができない)
    ・選択圧がかからない(資源が尽きるまで競争に転じない)


4.複数の異常細胞に由来するがんが共存した場合
    バリエーション増加することによって進行が早まる可能性がある


5.複数の異常細胞からがんが発生するには何が必要か
    ・がんの進化には複数の制約を超える必要がある(p1119)
    ・制約を超えるのは基本的に1個の細胞
        各々が別の有利な機能を持ち協力する→複数の細胞が同時に制約を超える
        →複数の異常細胞からがんが生じる
    butそもそもがん細胞は協調できなくなった細胞


6.結論
複数の異常細胞からがんが発生するためには、協力関係などにより複数の細胞が同時に1つの制約を超える必要があると考えられる。しかし、がん細胞は協調できなくなった細胞であるため難しい。仮に複数の異常細胞からがんが生じた場合は共存し、バリエーションの増加につながると考えられる。