2015年9月29日火曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/2/19) Winds of change

担当:小舘
参加者:9名

音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2015-02-19.html

元論文:
Intensification and spatial homogenization of coastal upwelling under climate change

Daiwei Wang, Tarik C. Gouhier, Bruce A. Menge & Auroop R. Ganguly
Nature 518, 390–394 (19 February 2015)
http://www.nature.com/nature/journal/v518/n7539/full/nature14235.html

概要:
 温暖化によって海岸沿いの風が強まり沿岸湧昇(深層→表層への海水上昇)が強くなる、という仮説については見解が一致していないが、シミュレーションによりこれを示した。


議題:
風の強さや風向きの変化は、陸上のエコシステムにどのような影響を与えるか


●風が無かったら
(その要因は無視することとする)

・植物の繁殖域が狭くなる
・鳥が飛べる範囲が狭くなる
・匂いが飛ばなくなる
・バクテリア, カビの胞子が飛ばなくなる
・植物の丈が伸びる
・暑くなる?

 → ニッチが局所化し、多様性は増える可能性
   境界に生きるやつもでてきそう


●風がものすごく強かったら

・地形が変わる
・飛ばされるだけで生きられる(光合成微生物)
・待っているだけで餌が飛んでくる
・強いところと弱いところはできそう

 → 完全に一様化するわけではなさそう


●風向きが変ったら

・日本:偏西風→偏東風
 場所が変わるだけ? それはそれで適応
・湧昇流で海岸砂漠形成 → 致命的
・ランダム変化 → 撹拌される
・移動できるかできないかは大きそう


●まとめ
 現在の環境に対する影響としては、良い具合に撹拌している、ということになるだろう。ただし風の状況が大きく変わっても、それなりに繁栄する道はありそうだ。

2015年9月15日火曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/1/29) Middle Eastern origins

担当田河
参加者8名

音源:

元論文:
Levantine cranium from Manot Cave (Israel) foreshadows the first European modern human
http://www.nature.com/nature/journal/v520/n7546/full/nature14134.html

概要:
 
北イスラエルである工事中ブルドーザーが地面を削っていると鍾乳洞への小さな入口を見つけた
この鍾乳洞を調査したところある頭蓋骨を見つけた
この頭蓋骨の発見は、55000年前に人類が東アフリカからヨーロッパに移動してきたことの証拠に成り得る
さらにこの頭蓋骨は後期石器時代の人間の頭蓋骨に似ている
発見された頭蓋骨の人はヨーロッパ人の祖先である可能性が高い
さらにこの洞窟の近くにはネアンデルタール人の住んでいた場所にも近いので異種交配が行われた可能性もある
この頭蓋骨ももしかするとネアンデルタール人とのハイブリッドの可能性もあるかもしれないが、詳しくはDNAがてにはいらない限りわからない
現時点ではDNA抽出は困難だがいずれはできるようになるかも?
イスラエルは地形上同じような鍾乳洞が他にもある可能性が高いのでもっと頭蓋骨が見つかるかも

議題:
化石の効率的な発見方法

■現在はどのようにして予測しているのか
  •  人の化石の場合は人が住みやすそうなところ(川の近くや洞窟)等で比較的発見できる確率が高そう
    →いまでは川ではなくなっている場所もあって発見するのは難しいか
  • たまたま見つかることも多い
  • すでに発見された場所の近くを探す

■どのどうな場所で化石ができやすいか
  •  川の近くは地層が露出しているためみつかりやすい
  • 昔起きた災害(雪崩や噴火、洪水)の痕跡場所には埋もれてしまった当時の動植物の化石があるかも
  • 石油のある場所の近くには化石もあるか?→石油になっているということはそのままの状態で残っているものは少ないか  
  • 嫌気性の粘土の場所で多数化石が見つかった事例あり(オーストラリアのアデレード)→泥が堆積しやすい地形だった


まとめ:
主に水場や災害の起こったところ(生き物が集まったり、死滅しやすい場所)の痕跡などをたどれば比較的化石の発見できる確率が高くなるかもしれないが、当時とは環境が大幅に変わっている可能性も十分考えられるため事前情報(過去の出土事例等)がないとやはり化石の位置を的確に予測することは難しいと考えられる



2015年9月14日月曜日

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/1/22) Safeguarding GMOs

担当:安澤
参加者:7人

概要

従来のGMO封じ込み手法は、封じ込み策を排除する進化圧が生じたり、自然に存在する化合物で回避されうる。本研究では遺伝コードを改変し非標準なアミノ酸に代謝を依存するよう大腸菌を再設計した。自然界から隔離されたGMO作成の基板に。

議論点

遺伝子組み換えに対する一般人と研究者のギャップについて

○GMOに関する話題
○GMOの危険性とは
  • イメージ
    • おいしく食べるには重要
    • 自分で安全性を判断できない 
  • 発がん性?(GMO作物そのものに対する発がん性は実証されていない)
  • 交配による品種改良との違い
    • 基本的には同じことができる
    • 遺伝子組み換えの方がやりやすい 
○GMOの安全性を保証する手段
  • 情報公開
    • 血統書のようなもの
    • ゲノムデータの公開
  • 自分で調べられるようにする
    • 個人でシーケンシング(参:Oxford Nanopore
      • 加工物だと難しそう
    • 二次データベースの作成
  • 有志が安全確認できることによって、安全というイメージをつくれる。
→知識・技術にアクセスできるかどうか、というギャップを無くす。

 

まとめ

GMOに対する認識はイメージによるものが大きそう。
GMOの安全性について、誰もがその情報にアクセスしたり再検証したりできる仕組みが必要。

[火曜討論会2015] Nature Podcast(2015/1/15) Awake refreshed

担当:佐藤(広)

参加者:7名

音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2015-01-15.html

元論文:
RBM3 mediates structural plasticity and protective effects of cooling in   neurodegeneration
http://www.nature.com/nature/journal/v518/n7538/full/nature14142.html

概要:
 冬眠中の哺乳類は体温が低下するとシナプスが消失し、体温が上昇するとシナプスが再形成される。今回の実験では、神経変性疾患のマウスモデルはシナプス再形成能力が低下していることが観察された。また、RBM3の発現レベルを上げるとシナプス再形成能力が回復し、RBM3をノックダウンさせるとシナプスの消失が加速することが観察された。

議題:
人間が冬眠可能になったら何ができるか

■冬眠のメリット
・エネルギーの節約
 →老化防止(延命)
 →資源の節約
  ⇛冬眠しなければならないような状態は節約しても手遅れ?
・人間の保存
・手術の前準備

■冬眠のデメリット
・寿命を消費する?
・ジェネレーションギャップ
・老化は完全には防げない(何らかのエネルギーは消費している)
・腸内細菌への影響
 →熊の場合は?

■実例
・コールドスリープ?(宇宙船?)
・低体温症のおかげで生存

■冬眠手段
・脳のデータ化
 →身体への可逆性は?
・脳だけ保存
 →代謝の方法は?
・身体を冷凍
 →解凍手段があれば


まとめ:
 様々なメリット・デメリットが挙がったが従来の冬眠のメリット(エネルギーの節約)とは違う人間独自の冬眠のメリットが挙げられた。また、その冬眠手段について現在実行可能なものはあまり思いつかなかった。