2016年7月21日木曜日

[火曜討論会2016] Nature Podcast(2015/10/08) Switching sleeps

Nature Podcast(2015/10/08) Switching sleeps
元論文(http://www.nature.com/nature/journal/v526/n7573/full/nature14979.html)
担当:田河
参加者:8名

概要:
REM(rapid eye movement)睡眠中に夢を見る
ネズミの脳幹の特定部位(延髄腹側部)にてREM睡眠とノンレム睡眠を切り替えるトリガーニューロン(GABA作動性(γアミノ酪酸放出)経路)が存在することを示した
それをどのようにして確認したのか?→光遺伝学

光遺伝学とは?
光活性化イオンチャネルを特定ニューロンに強制発現させることでその部位に光を当てるとニューロンをONにできる

覚醒状態からいきなりレム睡眠に入らせるのは無理だった
実際の睡眠下でもまずノンレム睡眠を経由して初めてレム睡眠にいく→なぜなのか興味深い

この技術を基にして、睡眠障害の治療法のきっかけが生じることを期待している


議題:睡眠コントローラーは可能か
コントロールの定義→好きなときに寝られる、起きられる
  • どんなコントローラーが可能か?
    • 睡眠薬等の投与
      • メラトニンというもので自然な眠りに近いものを作り出せる
      • しかし次の日に引きずる→分解酵素を作れば解決か
    •  頭にデバイスつける
    • ベッドが動いたり
    • 寝る時の温度

  • 睡眠がコントロールされることで多様性が減少しないか?

→起きるときは比較的既にいろいろな方法があるが、すぐに寝られるものを作るのが難しそう。慣れによる効果の低下も大きそう

まとめ
睡眠をコントロールする上では、起きることよりも寝ることのほうがハードルが高いことがわかった。さらに現時点のコントロール法では慣れによって効果が薄くなってしまうことが挙げられた。よって今後この慣れの問題を解決する新たなものができれば、睡眠をコントロールすることより用意になるのではないかと考えられる。












 


 

2016年7月6日水曜日

細胞の分子生物学 13章 細胞内における小胞の移動 第1~5節

担当:天満
参加者:8名


概要:
細胞は物質の摂取、外界との連絡、環境の変化に対する迅速な応答を行わなければならない.これらの務めを果たすため、細胞では様々なことが起こっている.例えば、エキソサイトーシスやエンドサイトーシス、生合成ー分泌の経路を使った輸送など.
[1. 膜輸送の分子機構と細胞内区画の多様性維持]
・大きな交換経路があるのに、各区画が特殊化した性質を保てるのはなぜ?
・様々な被覆小胞とその構造について
・輸送小胞の出芽と輸送、融合の機構について
[2. 小胞体からゴルジ体を経由する輸送]
・小胞体の機能と仕組み
・ゴルジ体の機能と仕組み
[3.トランスゴルジ網からリソソームへの輸送]
・リソソームの機能と仕組みや輸送経路
・マンノース6ーリン酸(M6P)受容体
[4.細胞膜から細胞内への輸送ーエンドサイトーシス]
[5.トランスゴルジ網から細胞外部への輸送ーエキソサイトーシス]


議題:
植物は動き回ることができるようにはならないのか

動き回るとは?
→視認で知覚できる速度での能動的な動き
(植物はゆっくりは動いているため)

■「動く」植物たち
例:ハエトリクサ、オジギソウ
・筋肉を持っているわけではなく、水圧の調整などによるバネのような原理で視認できる動きを実現している.
・食虫植物は窒素の供給源として虫を捕食するのであって、土からの養分や光合成によるエネルギーを必要としないわけではない

■動物はなぜ動くのか
・他の生物を食べて栄養を得るため
・中には海綿動物やサンゴのように動かない動物もいる

■考察
・木には固い細胞壁がある上、大きくなることで生きるのに必要な栄養を補給できる
・「動く」ということには、得られる栄養が動くコストを上回っているという関係性があるはず
・植物は動けないのではなく、動く必要がない
・しかし、生き延びられるかは置いておいて、今後遺伝子操作によって動き回る植物を作り出すことは可能かもしれない






2016年7月5日火曜日

[火曜討論会2016] Nature Podcast(2015/10/01) 25 years of human genomes

担当:佐藤(広)
参加者:8名


音源:
http://www.nature.com/nature/podcast/index-2015-10-01.html


元論文:
A global reference for human genetic variation
http://www.nature.com/nature/journal/v526/n7571/full/nature15393.html


概要:
ヒトゲノム計画が発足してからのゲノム解読の25年間を振り返った.
1000人ゲノム計画が最終段階を迎えた今, 次のステップとして, 更なる大規模な計画やゲノムと臨床をリンクさせた個別化医療などが期待される.


議題:
ゲノム利用による個別化医療や病気の予防が進むと人間の寿命や主な死因に変化は現れるか
■ ゲノム利用の定義
ゲノムを読むだけに限定 (ゲノム編集等は考えない)

■ ゲノムを読むタイミング
① 出生前 → 出生前診断等
② 出生後
③ 病気になった後 → スティーブ・ジョブズ

■ 寿命の変化について
・ 最大寿命 → 変化無し?
・ 平均寿命 → ①, ②のケースでは伸びそう

■ 死因の変化について
・ (避けられない病気に悲観して) 自殺が増えるかも
・ 死因ランキングの上位 → ガン, 心疾患, 脳血管疾患

■ ゲノムを知ると何ができるのか
・ ゲノムで病気のリスクとなりそうな行動を知る
・ ゲノムを頻繁に読む → ガン対策 → 家庭用シーケンサー?
・ 副作用予測
・ 原因をはっきりさせる (ゲノム or 生活習慣)

まとめ:
 ゲノムを知るだけでは人間の寿命や主な死因に影響を与えるのは思ったより難しそうだ

細胞の分子生物学 12章 細胞内区画とタンパク質の選別 第1~5節

担当:笹澤
参加者:10名

概要

真核細胞それぞれ膜に囲まれ機能の異なる細胞小器官に分割されています。細胞小器官はそれぞれ特有の酵素群や分子を持ち、複雑な輸送系を通じて特定の産物の運搬を行っています。これらの区画はタンパク質によって機能を付与されています。タンパク質は様々な反応を触媒し、選択的な輸送に関わる働きをしています。

1節

真核細胞では、ない膜系が作る小器官と呼ばれる区画が体積のほぼ半分を占める。
各小器官はそれぞれ独自の機能を果たすための固有のタンパク質を含んでいる。

2節

閣内で合成されたRNAやリボソームのサブユニットは細胞質へ運び出され、核内で機能するタンパク質はすべて細胞質で合成されて核に取り込まれる。

3節

ミトコンドリアと葉緑体は独自の遺伝子系を備えているが必要なタンパク質のわずかしか合成せず、その大半を細胞質ゾルから取り込んでいる。

4節

ペルオキソームは分子上酵素を用いた酸化反応を行う。

5節

小胞体は細胞に必要な資質のほとんどを合成し蛋白合成の大部分も小胞体の細胞質ゾルに面した表面で行われる。

議題

細胞の専門性を変化させたらどうなるか

専門性を高めれば?
分散して持つことで病気等のリスクを減らせる。
専門性のある細胞が怪我等で失われた場合にまずいことが起きる。
必要な物質の運搬が大変

機能をまとめたら?
もはや多細胞生物である必要はない。
→キノコのようにほぼ同じような細胞が集合している例もある
エネルギーの消費が増えそう。

まとめ

一つの細胞が万能な機能を持っていたらその細胞だけで生物として成り立ってしまうのではないかと思ったが、キノコのようなほぼ同じような細胞の集合体もあるというのは興味深い。やはり機能を分散して持つ方が何かと変化に対して柔軟に対応できるのではないだろうかと思った。