2013年4月24日水曜日

HMGセミナー 第2章:染色体の構造と機能(前半)


担当:寺嶋友美
参加者:15名
教科書:ヒトの分子遺伝学

節の概要:
<2.1節>細胞の倍数性と細胞周期(主にM期)について述べられている
<2.2節>体細胞分裂と減数分裂について解説し、両者の違いが比較されている
<2.3節>染色体の構造と、染色体の複製に必要なセントロメア、複製起点、テロメアの3つの要素について述べられている

議論点:
植物や魚では3倍体以上でも生存できるのに、なぜ哺乳類はできないのか。
-鳥類は?
 -ニワトリは2倍体
-分裂するときに異常が起こらないのはなぜか?
 -奇数倍よりは偶数倍の方が減数分裂のときに問題は少ない
  -奇数倍は増えれない
   -園芸用の植物等で多いのは(減数分裂を行わない)球根でも増えることができるから?
   -例:種無しスイカ、全身トロのニジマス(♀)
-3倍体や4倍体の生物は全ての細胞が3倍体や4倍体なのか?
 -トマト等は全部同じ倍数性
 -4倍体は巨大化する
  -例:カエル等
-増えた分の染色体は細胞内で不活性化している?
 -ヘテロクロマチンが活性化しても、似たような状況になる?
  -遺伝子の発現量が変わるという意味では同じ?
   -全体的に増えるのと今まで発現しなかったものが発現するのではだいぶ違う?
   -発現量とその影響は非線形の関係なので、3倍体以上はそのストレスに耐える必要がある
-一部人間でも3倍体以上ができる
 -核が1つになる訳ではなく分かれてる
  -一つの核の中に染色体が何倍かあるよりは問題ない?
 -これは分裂できる?
  -多核体になった時点で分裂しなくなる

その他の議論点:
<細胞分裂>
・紡錘体の微小管がセントロメアに結合するときの制御について。
・分裂の際に何故核を壊してから染色体を複製し、娘細胞でまた再形成するのか。
・どのようにして全ての染色体が複製を終わった事を感知して、分裂を制御しているのか。

<性染色体>
・性染色体のXとYの長さが違う理由はなにか。
・性染色体の遺伝子は特別な機能を持っているのか。

<減数分裂>
・減数分裂の際に、何故卵子は非対称で精子は対称に分裂するのか。(減数分裂の際に卵子は1つの卵母細胞から1つできるのに対し、精子は1つの精母細胞から4つできる)
・減数分裂はなぜ一度増やしてから分裂するのか。

<遺伝>
・受け継ぎやすい配列があるかどうか。
・全ての遺伝子が両親のどちらか一方だけになることはあり得るのか。
・組換えはどのくらい起こっているものなのか。
・キアズマ(組換えが起こった位置)が無かったり少なかったりするとどうなるのか。

<染色体の構造>
・クロマチン構造をとらずに凝縮できるのか。
・ヘテロクロマチンが活性化された時の影響について。

まとめ:
ヒトと他の生物の倍数性の違いについて、他の生物との比較からヒトでも起こりうる事象まで様々な意見が出ていました。

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