2013年4月30日火曜日

HMGセミナー 第3章:家系と集団における遺伝子(前半)


担当:小澤和也
参加者:14名
教科書:ヒトの分子遺伝学

節の概要:
<3.1節> 遺伝的形質の分類について、主に関与している座位数の観点から述べられている
<3.2節> メンデル遺伝形質が作る基本的なメンデル家系パターンについて述べられている

議論点:
>Y染色体が消滅した後どうなるか? また、どうすれば回避することができるか?
- XY性染色体をもつ全ての生物に起こりうるのか?
 → メダカは、3つしか存在しない
 - 1つ以上あれば性決定に問題はなさそう
 → トラフグは、XとYの差が1塩基のみで、一度Y染色体が消滅した後に復活した
  - ヒトにも同様のことが起きてもおかしくない

- Y染色体の発達した生物に特徴はあるのか?
 → ヒト以外の生物は優秀な遺伝子を持った雄が多くの雌と交尾
  - (多くの地域で)一夫一婦制であるヒトのみが消滅するのでは?
  - また、同様にヒトも優れた個体のみ子孫を残せば回避できるのでは?
   - 個体を選別するのに、どのような指標があるのか
 ⇔ そもそも、Y染色体が雄の優劣を決める要因になり得るのか

- Y染色体の劣化による男性不妊の影響は?
 - 類人猿との比較で分かりそう


>ミトコンドリアから核に対してどのように影響を与えるか
- 以前は、核とミトコンドリアは共生したのではないか
 - 元々、ミトコンドリアは独立した生物だったのではないか?

- ミトコンドリアを全てのぞいてみて、その後の影響を見てみれば分かるのではないか
 - 真核生物に対してなら実験ができそう
⇔ 植物において、葉緑体はどうか
 - 種によっては、存在しないものがある → 同様にミトコンドリアをなくすことが可能では?

- ミトコンドリアと核では、それぞれのコドン表に違いがありそう
 - ミトコンドリアが核とは別に独立しているのは何故か、という論点につながりそう

その他の議論点:
>性染色体について
不活性化するのにも関わらず、X染色体は何故2本必要なのか
今後、Y染色体に重要なコードが生まれるか
何故X染色体に重要な遺伝子がまとまっているのか
何故染色体による性選択システムは、X・Yの2種による複雑なものになったのか
ヘミ接合体における問題

>ミトコンドリアについて
ミトコンドリアボトルネック時の遺伝子の選択方法について
ミトコンドリアが核とは別に独立しているのは何故か
ミトコンドリアに変異がおきやすい理由について

>その他
ポリジーンの取り扱う座位について
優劣性が遺伝子の発言にどのように影響を与えるかについて
共優性の遺伝子の特徴について

まとめ:
どちらの議論でも、ヒト以外の生物の実例から意見が広がっていきました。実例があることから、ヒトも例に漏れずY染色体やミトコンドリアが消滅することも有り得ないのではないか、という意見がありました。

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