2013年9月10日火曜日

HMGセミナー 第14章:メンデル遺伝形質の遺伝的マッピング(前半)


担当:寺嶋
参加者:9名
教科書:ヒトの分子遺伝学

節の概要:
<14.1節>組換えの種類と遺伝距離や遺伝地図との関係
<14.2節>遺伝的マーカーと連鎖解析について

議論点:
組換え価に男女の差が出来るのは何故なのか
組換えの数が女性の方が多い生物学的意義とは

なぜ男女差が生まれるのか
 -組換えにより男女差が生まれるメカニズム(仮説)
  -交差をサポートするタンパク質 or RNAが存在
   -量の問題か、分布の問題か
    -分布なら時期毎のタンパク質の分布を調べれば分かるかも
  -性染色体上の遺伝子が操作
   -X:男女ともにある
   -Y:男性しかない
    -Y染色体に交差をサポートするタンパク質またはRNAを阻害する要素
    -X染色体が2倍あるので交差をサポートするタンパク質も2倍
     →X染色体のほうがよりシンプル
      -不活性化は体細胞と分裂の段階では条件が違う可能性
      -ただし、交差をサポートするタンパク質が全てX染色体上にあるかは疑問

この差に何の意味があるのか
 -組換えの男女差の生物学的意義
  →偶然?
  -交差の利点とは
   -大まかにバリエーションを確保するため
    -微調整は点変異により行っている
   -バリエーションを作る方法の内ではがんになりにくい方
    -点変異タンパク質が変わるので有害
    -交差は交差が起こる相手による
   -交差が大変なら別の方法だったかもしれない
   -回数は生物によって違いそう
    -環境が激変するほど多くなる
  -精母細胞と卵母細胞はゲノム以外にも違いがあるのだろうか
   -外界からのシグナルにより組換えが起きるのかもしれない
  -男性の場合、端の方に変異が入るように見える
   -テロメア等ではないか
    -変異が入りにくい仕組みになっているのかもしれない
   -全体ではどうなっているのだろう
   -その方がバリエーションが増えるのかもしれない
  -染色体の位置に性差はあるのだろうか

個人内でも個人間でも交差数にはばらつきが見られるが、交差数を決定する要因とは何かという議論点とも関連が深そう

その他の議論点:

<遺伝的マーカー>
・遺伝的マーカーは血液型から始まり、現在SNPが主に使われているが、新たな手法としては何が考えられるか

<ホットスポット>
・ヒトのホットスポットはチンパンジーではホットスポットではないが、他の生物についてはどうか
・ホットスポットとなる配列はどのようなものなのか

<遺伝地図作製の方法>
・組換え価を用いた遺伝地図作製よりも良い方法は存在するのか

<用語の定義>
・cMという概念の必要性とは

<交差の数の違い>
・個人内でも個人間でも交差数にはばらつきが見られるが、交差数を決定する要因とは何か

まとめ:
遺伝的マッピングにおける組換えや遺伝的マーカーを用いた連鎖解析に関する節でした。議論点となった組換えの男女差については、多方面に話が広がっていき勉強になりました。

0 件のコメント:

コメントを投稿