2013年11月26日火曜日

Nature Podcast 1


Human Molecular Biologyを読み終え,今週(11/12)からNature Podcastを聞いて内容について話し合うセミナーを開始します.

今回のトピックはがんのゲノム解析と古生物学です.(担当:城田)

トピック1 がんの比較

 

内容

がんを種類によって別の種と考えて比較することはがんのより深い理解につながる.ここでは,The Cancer Genome Atlasプロジェクトによるの成果について紹介されている.彼らは12の異なるがんのゲノムを解析することで,130の有意に変異が生じる遺伝子を同定した.また,クロマチンによる調節,全ゲノム重複,変異シグネチャなどの切り口からの他のグループの研究も盛んであり,
これらの基礎研究への応用も期待される

議論点(人数)


・変異はいろいろな原因でできるが,戻すことはできないか?
・がんのシークエンシングの限界はどこにあるのか?
・ドライバー変異の特徴は?
・がんの予防には何をやるのか?
・がんのゲノムは外科治療にどのような影響があるのか?(1)
・テイラーメード医療にはどんな情報が役立つか(3)

「テイラーメード医療にはどんな情報が役立つか」


まだ罹患していない人を対象としたゲノム情報を用いたがんのリスク診断(がんになりやすいかどうか)はゲノム情報から可能である
今のリスク診断はGWASなどがんと正常を比較しているが、このような基礎研究を通じてがんの発生メカニズムから探せるのではないかという意見が出た.

がんの治療について遺伝子変異、クロマチン構造の変化などどの段階で変化が起こったかで治療が決まるのか、遺伝子ごとに治療が決まるのか?という疑問については,変異の種類よりも遺伝子の方が影響は大きそうだという意見が出た.

がんの診断については,組織を手術などでとってくるのは侵襲が大きいので,血液・尿・唾液などのサンプルからがんが分かれば有用である

まとめ

がんの診断や治療におけるテイラーメード医療のために,個人ゲノム解析やがん組織のゲノム解析は有用な情報となりそうである.しかし,具体的な治療にどのように役立つか,という点については理解があいまいであることが分かった.

トピック2 古代の神経


内容


中国南西部から見つかった化石から保存状態のよい神経組織が発見された.X線によるスキャンでほとんど完全な中枢神経系を復元でき,これによりFuxianhuiaがMandiblulaに位置付けられることが分かった.

議論点(人数)

・見た目似ているだけで進化上同じと結論づけてよいのか?
・鋏角亜門と大顎亜門はなぜ分岐したのか?
・カンブリア紀に生物の種が見られた原因(1)
・昔の生物を復元できないか?(2)
・体の形があまり変わらない生き物絵神経の形が変わらないのはなぜ?
・化石からゲノムが分かる日は来るか?(3)

「化石からゲノムが分かる日が来るか?」


神経・骨格から子孫が分かるのでそこからゲノムを復元できないか?化石からゲノムを読めるか?
今の状況では壊れて読めない.680万年前でDNA消失するらしい(ソースは?)
化石の骨の中に核があってPCRできれば可能かもしれない。南極の中では長く保存されるかもしれない?

絶滅しそうな生物(トキなど)のゲノムは読んでいるのか?
資料は保存していると思われる.

深海などに大昔の生物が生きていればゲノムを補完するのに使えないか?

まとめ

 

古生物学はあまり当研究室になじみがないので,結果として議論は古代の生物のゲノム解析という方向に向かっていった.
化石の中にDNAサンプルが含まれているかどうかが分かれ目となりそうである.

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