2018年6月7日木曜日

細胞の分子生物学 第6章「ゲノム情報の読み取り」1節

担当:荒井
参加者:8名

[概要]
 DNAからの転写によってmRNAは生成される。転写の開始および終了位置は特定の配列により決定され、転写はRNAポリメラーゼが行う。細菌ではRNAポリメラーゼは1種類だが、真核生物では複数となり複雑さを増す。転写されたmRNAに対してタンパク質に翻訳されない領域イントロンを切除するスプライシングを行う。適切に加工されたmRNAは核膜孔複合体を通って細胞質へと運ばれ、タンパク質となる。最終産物がRNAとなる物も存在し、細胞内で構造体や調節因子として働く。

[議論点]
Why do we need to convert DNA to RNA to make proteins? Why cant we skip the process of transcription?
なぜタンパク質合成のためにDNARNAに転写する必要があるのか?なぜ転写を省略することは出来ないのか?

RNA転写のメリットの考察
 遺伝情報保存の能力だけでなく伝達する能力も兼ねている
 DNAよりもサイズが小さいため情報伝達の能力が高い(必要な情報のみ伝達可能)
 不要になった要素を破棄することが簡単
 全てのDNA鎖を開くには時間がかかるため部分的に行う転写の方が時間効率が良い
 DNAにとってはタンパク質合成よりもRNA転写の方がコスパが良い
スプライシングをする手間があるため一概にそうかは分からない

RNA転写のデメリットの考察
 DNAから直接プロテインを生成するよりも1ステップ多くなっている
 DNA複製と比べて塩基配列の誤りは多くなる(DNA複製の約1,000倍の確率)

DNARNAの比較
 双方とも2本鎖を形成するが、RNAは2本鎖で安定した状態が複数存在する。したが
 って、DNAの方がより画一的な状態で保存できていると考えることも出来る。

古来DNAは存在していなかった可能性
 生物の起こりの段階では細胞はRNAの海であり、RNAからタンパク質を合成すると
 いう方法しか存在しなかった。また、RNAが突然変異を起こしてDNAが誕生したと
 いう説もある。

[まとめ]
 RNAを転写によって生成するメリットは多数考えられた。特にDNAよりもRNAの方が小さなサイズであるという点は大きな違いであると思われる。また、DNAよりもRNAが古来から存在しているのではないかという観点も現在のRNA転写を考える一つの要素である。

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