2018年6月26日火曜日

細胞の分子生物学 第6章「ゲノム情報の読み取り」第 2, 3節


担当:小澤
参加者:8名

[概要]
 mRNAの塩基配列はヌクレオチド 3個ずつの組み合わせとして読み取られる。この3文字の組み合わせによって、対応するアミノ酸が生成される。RNAは4種類のヌクレオチド(A,U,C,G)をもつため、この3文字の取りうる組み合わせは4×4×4=64通りである。しかし、 タンパク質に普通見られるアミノ酸は20種である。1つのアミノ酸に対応する3文字の組み合わせには被りがあり、6種類のコドンから翻訳されるアミノ酸もあれば1種類からしか翻訳されないアミノ酸もある。

[議題]
 各アミノ酸に対応するコドンの数が違う理由

ー複数のコドンがある意味ー
 1つのアミノ酸が複数のコドンを持つ場合そのコドンは似ている場合が多い(多くの場合3文字目だけ異なる)。 そうすることで変異によって1文字変わったとしても、 翻訳先のアミノ酸は変わらない、ということが起きる。これによって、変異に対してある程度強くなる。
ー重要度の高い(たくさん必要な)ものは種類が多い?ー
 たくさん必要なものにコドンを多く割り当てることによって、発生確率をあげている可能性がある。
しかし、たくさん必要だから多種のコドンを割り当てたのか、多種のコドンが割り当てられているために多く存在するのか、という疑問も生じる。

ー誤って生成された際に有害なものは種類が少ない?ー
 コドンが 1種類しかないものはメチオニン(開始コドン)とトリプトファン。コドンを6種類(最多)持つものはアルギニン、ロイシン、セリン。トリプトファンは側鎖が以上に大きくロイシンとセリンは小さい。 開始コドンが誤って生成されると新しく誤生成された開始コドンから元々開始コドンだった場所までの間で、大量の不要なアミノ酸が生成される。また、側鎖の大きいものほど誤生成されたときの影響が大きい、これらのことから、 コドンの種類は誤生成されたときの危険度と関係がありそうだ。

ー偶然?ー
 コドン表が最適であるかはわからない。あるときある程度うまくいくコドン表が生まれ、それが爆発的に広がり、コドン表の最適化は行われていない可能性がある。シミュレーションをすることで、コドン表がどの程度効率的に作られているかが分かるかもしれないが、計算量は膨大である。



まとめ
 コドンが複数あることによって、変異に強くなる。ただし、たくさんのコドンを持つアミノ酸は、変異によって誤って生成される確率が高い。誤生成された場合に致命的となるようなアミノ酸には割り当てられているコドンが少ない可能性がある。

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