2018年10月11日木曜日

細胞の分子生物学 第8章 「細胞、分子、生体システムを解析する」4,5節

担当:荒井
参加者:8名

[概要]
1970年代初めには生体物質の中で最も生化学的解析が困難とされていたDNAも、現在では組み換え技術などDNAを扱うことは容易になってきている。特定のDNAをクローニングすることも可能となっており、診断や法医学など様々な場所にも応用されている。また、塩基配列の決定のハードルも下がっており、ゲノム情報とその機能の同定(ゲノムアノテーション)が試みられている。ゲノムアノテーションには遺伝子と変異の相関性を知ることが重要で、遺伝子から変異・変異から遺伝子と双方向の研究がなされている。遺伝子操作は今後も医療の発展や世界の食糧難の解決に役立つことを期待されている。

[議論点]
対立遺伝子に優性・劣性が存在する意義とは?

[議論内容]
一般的な優性・劣性の振る舞い
優性→機能獲得、劣性→機能喪失

優性・劣性の例 血液型、カブトムシの眼色、マウスの毛色など
共優性の例   人間の髪色、HLA遺伝子など

アルビノ(メラニンが欠乏する遺伝子疾患)
  例:ホワイトタイガー
  色素を生み出すどこかの段階で遺伝子の発現が失われていると考えられる(実際にアルビノの方でも個人差がある)
  (優性・劣性の話とは違う?)

2種の対立遺伝子において、優・優と優・劣の組み合わせでは違う?
  人間の知覚できるレベルで優劣を付けるか共優性か分けられているのではないか
  連続的な定義であるべき可能性もある

生物の始まりには対立遺伝子は存在しなかった?
  バックアップとして対立遺伝子が発生し、遺伝していく中での変異で優性・劣性が生まれたのかもしれない(おそらく真核生物ではないだろうか)

[まとめ]
表現型としての優性・劣性は人間の知覚レベルで分けられた違いであり、発現レベルの連続的な違いで見ることが重要であるかもしれない。優性・劣性は真核生物が遺伝子のバックアップとして生み出した遺伝子が変異したものであり、いわば偶然の産物であるとも考えられる。

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