2019年4月16日火曜日

担当:大林
参加者:6名

[概要]
 細胞は、全生物に共通する機構であるDNA→RNA→タンパク質という情報の流れに基づいた物質代謝を行い、その恒常性を実現している。この機構の成立の背景には遺伝子重複や細胞内共生などの遺伝子資源を増やす仕組みがある。

[議論点]
真核細胞においてミトコンドリアや葉緑体の一部の遺伝子がなぜ宿主細胞のDNAに移る必要があったのか

(簡単のため、共生前のミトコンドリアをMTオリジナルと書くことにする)

共生前後のミトコンドリア遺伝子
 MTオリジナル(5000遺伝子程度、細菌と同程度)
 ミトコンドリア(100遺伝子程度)
 参考:核(10000遺伝子程度)

→ ミトコンドリア遺伝子は
   (1) 核に移った →  核が、ミトコンドリアの数や活性を制御するため
   (2) 消滅した     → 機能重複の回避

共生前後のミトコンドリアの機能
 MTオリジナルの機能:好気的エネルギー生産、動く、食べる、増える
 ミトコンドリアの機能:好気的エネルギー生産

共生の理由
 ホストは共生で高効率なエネルギー生産手段を獲得
 MTオリジナルは防御をホストに委ねることができる

一部の遺伝子がミトコンドリアゲノムに残った理由
 遺伝子資源の区分化(輸送する必要がなくなる)
 半自律的制御(酸素呼吸による障害に迅速に対応するため)

[まとめ]
 ホスト細胞の活動に合わせてミトコンドリアの数や活性を制御するため、主に制御関連の遺伝子が核に移動した。

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