2017年2月27日月曜日

細胞の分子生物学 23章 専門化した組織、幹細胞と組織の再生 第1〜3節

担当:天満
参加者:7名


概要:
[1節. 表皮と幹細胞によるその更新]
細胞はもともと個々に自由生活をする生物として進化してきたが、多細胞生物になるにあたり、単独で生きていくために必要な特性を失い、専門化して、一個の生命体を作る上で必要な特性を獲得した。細胞たちは協力して多種類の組織を作り、これがさらに器官を作って様々な機能を果たしている。
皮膚は数種類の異なる細胞からできており、バリアとしての機能を果たすために、皮膚の下では他の多くの組織でも必要とされる繊維芽細胞や内皮細胞、免疫系細胞、神経繊維など、様々な支持細胞や構造が働いている。
[2節. 感覚上皮]
人体には表皮とは別に表面を覆う上皮が専門化し、匂いを感じたり、音を聞いたり、景色を見たりできる。各感覚上皮の内部にはシグナル変換器として働く感覚細胞があり、外界からのシグナルを、神経系が読み取れる電気信号に変換する。鼻、耳、目の感覚シグナル変換器はそれぞれ嗅覚ニューロン、聴覚有毛細胞、光受容器である。
[3節. 気道と腸管]
表皮や上皮は胚の外層にあたる外胚葉に由来する組織や細胞の一部だが、胚の最内層にあたる内胚葉は原腸を形成し、消化管やその付属器官の内壁を覆う各種細胞の元となる。


議題:
ヒトが他に嗅ぎ分けられるとよい匂いはあるか

■「気づきたい」匂い
身体に危険を及ぼしうるものの兆候(ガス、腐ったものなど)

■ヒトがイヌ並みの嗅覚を持っていたら?
イヌ:嗅覚受容体遺伝子がヒト(350個)の三倍
カレーのスパイスを嗅ぎ分けられる
食文化が豊かになるかも
分泌物の匂いで相手の体調や機嫌がわかるかも

■なぜヒトは嗅覚があまり強くないのか?
イヌの先祖はオオカミで生きていくために狩猟をしなくてはならなかった
夜に行動するには視覚はあまり役立たない
ヒトは衣食住のために昼間に行動し視覚を発達させてきた
その結果嗅覚があまり発達しなかった可能性


考察:
目や鼻、耳といった感覚器官はそれぞれの生物において、その進化の過程で生活に合わせた進化がなされてきた。そう考えると、ヒトが現在持っている能力は進化の中で調整されてきた能力であり、ヒトとして生きていく上で十分なものなのかもしれない。
ただ、もっと視力に優れていたり、様々な匂いを知覚できたり、幅広い音を聞いたりできたらという好奇心は湧くもので、知覚機能の増強技術などは興味深い課題と言えるのではないであろうか。



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