2019年11月4日月曜日

細胞の分子生物学 8章 細胞, 分子, 生体システムを解析する 1~3節

担当:菅野
参加者:7名

[概要]
 生体機能の解明には生化学的解析が必要で、そのために細胞を単離・培養する。多くの動物細胞は老化によって一定回数分裂すると死ぬため不死化する必要がある。こうして得られたものから超遠心機やクロマトグラフィーなどを用いて目的のタンパク質を抽出する。質量分析法や平衡結合実験、X線結晶解析や核磁気共鳴分光法などを用いてその性質や構造を決定できる。

[議論点]
不死化細胞と正常細胞からわかることの違いは何か。

[議論での定義]
 ここで言う不死化細胞は不死化した細胞を指すことにする。そのため形質転換細胞株なども含めた形で議論されている。

[不死化細胞と正常細胞の違い]
不死化細胞と正常細胞を比較して議論した。

・増殖能力(分裂し続けられる能力):条件次第で無限 ⇔ 老化による有限
・テロメアの長さ:なくならない ⇔ なくなる
・変異量:多い ⇔ 少ない
・表面の形質:不死化細胞は接着しにくく、他細胞と接着してなくても殖えられる。

[わかることの違い]
ここでは不死化細胞の視点で議論した。

 < 増殖能力やテロメアの長さ(老化の有無)による違いから >
・細胞老化の研究はしにくい(老化による時間的スケールが消失しているため)
 →ある世代(時間)を固定して殖やすことができれば可能か
・正常細胞とは分裂の性質が変わる可能性がある

 < 表面の形質の違いから >
・細胞同士のコミュニケーションに対して研究は難しい

[まとめ]
 不死化した細胞は老化という時間的スケールを失うことで無限に増殖可能だが、それによって老化による影響を調べることは難しいだろう。また表面の形質が変わることで、細胞間のコミュニケーションも研究が難しいと考えられる。

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