2012年10月25日木曜日

MBCセミナー4-4:染色体の全体構造

担当:伊藤
参加者:11名

節の概要:ランプブラシ染色体や多糸染色体を用いて、間期染色体の構造を調べることができる。間期ヒト細胞ではそれぞれの染色体が特定の位置を占める傾向があるが、遺伝子発現のために移動する。有糸分裂時には間期染色体よりもさらに凝縮した構造をとっている。

議論1:人によって染色体の位置は異なるのか

  • 染色体の位置は変わらない⇔発現のための染色体の移動、分裂時の移動
  • 4Cによると染色体の位置は人によって変わらない結果?
  • 人によって変わらない利点
    • 制御しやすい?
  • 隣り合う染色体がつながる機構があるのか?

議論2:2つの相同染色体が同じ場所にない理由

  • たまたま?
  • 隣り合う染色体の好みが決まっている?→12、8、3番染色体
  • 片方が不活化されている?


他の議論点
  • 遺伝子発現に適した部位に移動するしきい値
  • ランプブラシ染色体がなぜこの形をとるのか
  • 遺伝子が移動するときにからまないのは?
  • ヘテロクロマチンの種類による違い。何種類あるのか?
  • 有糸分裂時に凝縮する必要性
  • 染色体の位置は核外からの影響に対して頑健であるか
  • 染色体が凝縮している時としていない時のエネルギー差
  • 核内小区間の場所はきまっているのか?

2012年10月18日木曜日

MBCセミナー 3-2: タンパク質の機能

担当: 田高
参加者: 12名

節の概要:
タンパク質はそれぞれ決まったアミノ酸配列、それに起因する特定の三次元的な形に折り畳まれる。しかしながらタンパク質は固い塊ではなく精緻な動きができる部分があり、その力学的な動きと化学反応が連動する。そのような共役が生きている細胞の動的過程を支える能力をタンパク質へ与える源となっている。この節ではタンパク質が特定の分子に結合し、活性へつながる仕組みが説明される。

議論した点: 他の分室結合しないタンパク質はあるのか?
・教科の回答
 ・「他の分子と結合しないタンパク質はない」

・他の分子と結合しないようなタンパク質として考えられる例
 ・アクチン
  ・自分自身と結合して繊維状になる
   ・先端は他の分子と相互作用しないのか?
 ・水晶体
  ・物理的な作用を通して機能を果たしている
 ・狂牛病 βプリオンの例
  ・積み重なっているだけ?

・役割がないタンパク質はいるのか?
 ・いても分解される?
  ・どのようなものが分解されるのか?
   ・形が崩れているもの
   ・目印がついているものetc

・結論
 ・結合しないものはいるかもしれないが、水晶体のように場に対して物理的な作用を通して何らかの機能を果たしているのではないか?

他の議論点
・Cdkタンパク質が活性化されるトリガーとなる入力の数は減らせないのか
・酵素が自ら能動的に働くことはないのか
・タンパク質でエネルギー等を蓄えることはできないのか
・レチナールが光を検出する際の科学的な反応
・PPIネットワーク中における最大の相手数とそのハブが果たす機能
・タンパク質制御におけるPositive Feedbackの使い道
・なぜGタンパクはATPではなくGTPを使うのか
・超音波を使ってタンパク質の結合を制御できないのか
・PPIにおけるハブタンパクと生物種間の複雑性に相関はないのか
・抗体はなぜY字型なのか
・なぜ酵素は熱をエネルギーにできるのか

2012年10月11日木曜日

MBCセミナー 3-1: タンパク質の形と構造

担当:齊藤
参加者:13名
節の概要:まず、アミノ酸の並び方からタンパク質の立体構造が決定される仕組みについて述べられ、その後に原子レベルでのタンパク質の構造をもとに、タンパク分子の形状が細胞内での機能を決める仕組みが述べられている。

議論した点: 形が全く違うが同じように働くタンパク質は存在するか
・触媒部位が同じならほかの部分が違っていてもかまわないのではないか
 ・機能を調節する部位も存在する
・別な形で同じ働きをするタンパク質は存在しうるが、一つあれば十分なので、あまり存在しないのではないか
 ・外部の環境によっては別な働き方のタンパク質が有利になることがあるかもしれない
・あるタンパク質にある物質が結合するというミクロの面では最適化されているかもしれない。しかし、もっと大きなレベルでみると別な形のタンパク質のほうがいいことはあるかもしれない。


他の議論点:
・アミノ酸の持つ電荷はどのように得られたのか
・安定な三次構造をとれるタンパク質ととれないタンパク質の違い
 ・2種類以上の安定した構造を持つタンパク質は作れないか
・αヘリックスとβシートが共通の折り畳みパターンとして用いられたことの必然性はあるか
 ・ほかにも共通したパターンは存在しないか
・タンパクモジュールにβシートが多いのはなぜか
・欠陥タンパク質は自然淘汰されたと考えられるが、それはどのように選ばれたのか
・生物の複雑性とは


感想:
タンパク質は普通、特有の三次元構造を持っている一方で、明確な構造を持たないタンパク質もまた多く存在することを初めて知り、驚きました。
タンパク質は非常に複雑であり、タンパク質の多様性について興味を持ちました。

2012年10月4日木曜日

MBCセミナー 2-3: 食物からのエネルギー獲得

担当:沼倉
参加者: 15名
節の概要: 生物が生きるためにはエネルギーが必要である.動物は食物を分解することでエネルギーを獲得する.この節では糖の分解を中心にエネルギー獲得の過程をみる.

議論1 解糖系よりも効率の良い糖の分解経路はないのか.

・解糖系が最大のゲインであるかは,入力と最終産物の自由エネルギーの差から推定できる?
・多段であるステップをスキップできたりしないだろうか.
・中間産物をつくって多段であることの冗長性が系をロバストにしている.
 ・中間産物が他の生合成経路も使われる.
・グルコースではなくフルクトースが単位ではだめなのだろうか.

議論2 なぜ脂肪が蓄えられているのに,さらに食物を取り入れるのか.

・過剰な脂肪が疾患の危険性を高めることがある.
 ・脂肪が過剰なのは現代のヒトに限ったこと?
 ・野生動物ではどうか.
 ・食べられるときに食べられるだけ食べるとして,それは生存上有利なのか.

・筋肉中のグリコーゲンが脂肪より先に利用される.
 ・筋肉はどこまで減るのか.
 ・筋肉が減ることがエネルギー消費総量を減らすことにもなる?

他の議論点

・なぜ回路状の経路が進化上でき得たのか.
・なぜヒトなどでは窒素や硫黄を直接取り入れないようになったのか.
・進化上,非解糖系の経路の可能性はないか.
・冬眠状態のエネルギーの使われ方.
・代謝のネットワークは最適解なのか.
など

2012年10月3日水曜日

MBCセミナー1-3: 真核生物の遺伝情報


担当:藤原
参加者:9名
節の概要:真核細胞の話から始まり、真核生物のゲノムやモデル生物、そしてその解析の難しさなどが述べられている。

議論した点:
・ミトコンドリアが細胞に吸収されたのはなぜか
大気が酸素に富むようになり、宿主(嫌気性)がミトコンドリア(好気性)を利用した
ミトコンドリアDNAでは変異が起こりやすいため、宿主DNAへ遺伝子が移った
エネルギーの供給と引き換えにミトコンドリアは宿主に機能を任せた


他の議論点:
ミトコンドリアはなぜ細胞外に排出されなかったのか
細胞内での分解の流れ
葉緑体をもつ動物は存在するか
ミトコンドリアとその宿主はどちらが先に発生したのか
トラフグのゲノムが小さいわけ
ショウジョウバエの特定の染色体が巨大なわけ
調節DNAの仕事の流れ


感想:
節の構成もそうでしたが、議論点がミトコンドリアに集中しました。
ミトコンドリアが独自のDNAをもつことを初めて知り、細胞単位での生物の進化や共生に興味がいっそう湧きました。


2012年9月27日木曜日

MBCセミナー2-2 細胞の化学組成

担当:伊藤
参加者:9名
節の概要:原子、分子の説明から入り、細胞内の化学物質組成の多くを占める脂質、DNA,RNA,タンパク質、多糖などの巨大分子の性質が述べられている。

議論した点:

・糖の酵素はできるのか

酵素として働くには立体構造をとる必要がある
分子が大きいため、自由度が低そう
極性部分が多いため、疎水性部分が内側に集まるなどの力が働かない
RNAなどのように相補性がないため立体構造を作りづらい

・エネルギーを蓄えるときの糖と脂肪の違い

どちらも最終的にATPを経由する→ミトコンドリアと関わってくる
糖は効率悪いが、利用しやすい。神経では糖を利用
脂肪は使いにくいが効率が良い
糖は4kcal/g、脂肪は9kcal/g

・保留(次回の内容)
糖と脂肪の代謝経路の違い
ミトコンドリアにおいて糖と脂肪がどのように使われているか


他の議論点:

脂肪酸の炭化水素鎖の長さ
原子間の引力・斥力とは何か
立体構造が唯一に決まる理由
ATPはなぜ多く使われているのか
H,C,N,Oが使われる理由


感想:

糖の酵素はできるのかという議論によって、糖とタンパク質、RNAとの違いについての理解が深まった。次回への保留点があるので注目して読み進めていきたい。

MBCセミナー1-2 ゲノムの多様性と生物の系統樹

投稿者:城田松之


このセクションでは生物の多様性と生物間の類縁関係について述べられています.


議論した点 

 

・遺伝子の水平伝播はどのような時に起こる


生物の多様性をもたらす要因として新規遺伝子の創出があります.これは主に古い遺伝子の変異,重複,相同組み換えによって起こりますが,水平伝播によって起こるものもあります.この水平伝播がどのような状況でおこりやすいのかを皆で考察しました.

ゲノムは守らなければならない
細胞とDNAを混ぜるだけでも形質転換(病原性の伝播)がおきるので,比較的容易に水平伝播するのではないか
ではご飯を食べるだけでも伝播するのか?死んでいれば大丈夫?
原核生物は起こりやすいので,核がないということが重要なのでは.
生命誕生の時にはもっと防御システムが弱かった.

細胞内ではDNAseが存在して外来のDNAを分解している.
自分のDNAが分解されないようにDNAメチル化などの制限修飾系をもちいて防御している.

有性生殖も水平遺伝なのか


・原核生物の形と環境

丸いものが自然に見える.細長いものやらせん状のものはどのようにしてそのような形になっているのか
関連しそうな因子
 栄養・表面積・流れ
細胞の形は細胞壁や細胞骨格によって形成されている.
表面の分子,脂質などによっても形は決まる
丸いものは動かなくてもよいのか
短い繊毛があって動くことができるものもいる
受動的に生きていればよいものは丸くて能動的に運動しなければならないものは細長かったりらせん形をするのではないか

その他挙げられた疑問点

・自由エネルギーとは何か?

・ゲノムサイズと遺伝子数の関係は

・深海の生物はどうやって生きているのか

・細菌と古細菌の違い

・ウイルス由来の塩基配列がどうやって伝わるか

・最初は無機栄養生物と光栄養生物のどちらから始まったのか

・なぜ生物のドメインは3つなのか

 

感想


生物がどのようにして今のような形態に進化してきたかというのは生物学の大きな謎のひとつです.遺伝子の水平伝播は生物が多様性を獲得するためのメカニズムの一つですが,どのような場合にそれが許されたり許されなかったりするのかということは難しい問題だと思いました.また,生物の形については,必ずしも遺伝子だけで決まるわけではなく,細胞を構成する膜やタンパク質などの物性にもよると考えられるので,物理化学の領域の検討事項であるようにも思います.