担当:新田
参加者:8名
概要
細胞は遺伝子の発現を調節するため、RNAからタンパク質に至る経路の色々な段階を制御している。これらの調節段階の大半には調節を受けるRNA分子内の特異的塩基配列または構造の識別が必要であり、それを担うのは調節タンパクまたは調節RNA分子である。
よく解明された非翻訳RNAの使用例として、短い一本鎖RNAがガイド役として働き、細胞内の他のRNAを塩基対形成によって選択的に識別して結合するRNA干渉がある。RNA干渉はmRNAの分解または翻訳抑制を引き起こし、また、特定の遺伝子群をヘテロクロマチンに凝縮させることでその転写を抑制することもある。
議論点
様々な段階で調整を行う利点
・遺伝子発現の調節段階には以下の6つがある
①転写調節 ②RNAプロセシングの調節 ③RNA輸送と局在化の調節 ④翻訳調節 ⑤mRNA分解の調節 ⑥タンパク質の活性調節
・上記は真核生物の場合であり、原核生物では①と⑥のみ(④も多少はあるかも)
利点
・保留にできる(量の微調整が効きやすい)
・時短になる(?) → 質が下がるのでは?
・調節対象による適、不適への対応(ただし、①⑥のみでは×)
・環境への適応力が上がる(③〜⑥:核外での調節)
→核外という「より近い場所」で刺激を受け取ることができる
→核内外の出入りのコストの問題は?(一応通れることは通れる)
・バリエーションを増やす(②)
→各々に対応する遺伝子を持っていればいいのでは?
・mRNAの方が運搬が楽(③)
・mRNAの状態で貯めておくことが、一部の細胞では大切(④)
(欠点?:構造が複雑になる)
まとめ
大部分の遺伝子では転写調節が最も重要であるが、それに加えてタンパク質の活性調節も重要であるということが、原核生物の調節機構からも理解できる。その間にある複数の調節段階は、基本的には「効率化」、つまり「応答速度を早くする」ということが主要な利点として挙げられるのではないだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿