2019年7月2日火曜日

細胞の分子生物学 第5章(後半) DNAの修復、組み換え

担当:近藤

参加者:6名

[概要]
 有害な変異を最小限にとどめるために、生物はDNAの修復機構をもつ。複製の間違いを正すような簡単なものから、放射線で2本のDNAが両方破損した時に修復するようなものまで多くの修復機構をもつ。
一方で、DNAの間を転移することができる因子があり、この因子の働きによって進化に必要なDNAの変化が生み出される。


[議論点]
転移によりゲノムが無駄に長くなることは有害ではないのか

[前提 1 ]
転移は、転移因子によって引き起こされるが、転移先で新たなDNAの鋳型が作られるようになるため、転移を繰り返すことでゲノムは長くなってしまう。

[前提 2 ]
今回はDNA配列の長さについて考える( 遺伝子の長さとは区別する )

DNAが長いとどうなりそうか
・(bad) 遺伝子を探すのが大変そう
・(bad) 維持コスト、複製コストが大きくなりそう
・重要ような遺伝子が変異する確率が下がる
・(good) 非コード領域で新しい機能が追加される

コストについて
コストについて考えてみると、複製コストはせいぜいnオーダでできるだろうという結論に至った。一方で、維持コストや探すコストについてはその構造がカスケードになっているとそのカスケード分(k)コストが増えてしまう。n^kとなってしまうと、明らかに時間がかかるだろうという結論に至った。

非コード領域で新しい機能が追加される について
・人間の非コード領域は99%である。
・新しい機能が追加され、有害であればその個体が死ぬ。一方で効果的であった場合は広まり集団に広まりやすい。

[まとめ]
一般化することはできないが、非コード領域を多く持つような生物種にとってゲノムが長くなることは問題ではなく、その長さがゆえに転移を許容することができる。
また、ゲノムが長くなることによってコストが莫大にかかるようになるため細胞の時間感覚が長くなると考えられ、これが寿命の長さと関係しているのではないかという考察も得ることができた。

0 件のコメント:

コメントを投稿