2019年7月8日月曜日

細胞の分子生物学 6章 ゲノム情報の読み取り 第1節

担当:菅野

参加者:6名

[概要]
 DNAの情報は、そこからRNAというものに写し取られて利用される。この作業を転写という。これによってできたRNAはタンパク質の設計図であったり、そのまま物質として機能を持つ。
 真核生物では、DNAから写し取られたRNAにマーカーをつけて、いらない部分を取り除くスプライシングという作業を行う。この取り除き方によって、同じDNA配列部分の写しでも複数の最終産物を作ることができる。


[議論点]
スプライシングの仕方により異なるタンパク質を別々にコードするのに十分な領域があるにも関わらずなぜ別々にコードしないのか

ここでは、原核生物のようなDNAに直接タンパク質の情報を記述する場合(A)と、真核生物のようなイントロンありでRNAにし、スプライシングして利用する場合(B)を対立させて考えていく。

仮定 :
DNAの長さは現在と変わらず、使われていない部分に情報を入れていく。

(A)DNAに直接記述する
+メリット
・スプライシングに関連する情報はいらない。
・核の構造も必要でなくなり、転写と翻訳を同時にできる。
-デメリット
・新しい機能タンパク質を生み出すのが難しい。
・DNAを読む数が多くなる上、それぞれの発現調整も必要。
・1つ1つの変異がダメージになりやすい。

(B)スプライシングを利用する
+メリット
・イントロンがあるため確率的には重要なところにダメージが入りにくい。
・情報容量が大きい。
・バリエーションを比較的容易に増やせる。
・新しい機能タンパク質を生み出しやすい。
-デメリット
・1つのエキソンに変異が入るとそれを用いて作られる複数のタンパクが機能しなくなる。

そもそも少し違う新しいタンパク質を生み出すことは必要なのか。
→ほとんど同じ形だが、活性部位だけ変えたいということがあるとき有用。ただし、場合によっては生体に有害なことを引き起こすものが発生する可能性もある。


[まとめ]
 DNAに直接タンパク質の情報を記述する場合、DNAからの情報伝達が効率化できるが、それらの管理や新しいタンパク質を生成するのが難しい。一方イントロンありで記述すると、確率的にエクソンに変異は起こりにくいが、一度入ると、その部分は複数のタンパク質生成で使われているために、致命的なダメージになる。また、エキソンの組み合わせでタンパク質を記述されるために、組み合わせは変えられるため、バリエーションを増やすことができる。

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